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197. 事件の報告書

話の本筋からそれますが……

湖畔の襲撃、巣穴つぶし、そして河竜出現を巡る「報告書」そのものがこちらになります。

<アクティア湖襲撃事件報告>


晩夏の月3日13:14受信


魔物に関する情報(襲撃)


大陸暦120年晩夏の月3日

ファニア支部発信


1 時点

 大陸暦120年晩夏の月2日夜


2 場所

 ファニア市アクティア湖町ファラゴ鉱山跡


3 個体数

 オーガ 発見数12 討伐済12 交戦中0 逃走0

 ゴブリン 発見数147 討伐済131 交戦中0 逃走16


4 発見経緯

 盛夏の月29日夜にアルパラ・タクタに宿泊していた観光客がうごめく何者かを目撃、現場にゴブリンの足跡があった。

 盛夏の月30日夜に冒険者ガストロがアルパラ・タクタを巡回したところ、林の中を歩行していたゴブリン3体を発見し、これを討伐した。

 盛夏の月31日夜、アクティア湖湖畔鍾乳洞より帰宅途中の冒険者ソリストが2体の魔物らしきものを発見し、討伐した後、いずれもゴブリンであったことを確認した。なお、冒険者ガストロは同日もアルパラ・タクタを巡回したものの、このときは魔物は発見されなかった。

 以上の状況を受け、晩夏の月1日朝、アクティア湖出張所はファニア支部に経過を報告、ファニア支部はこれを本部に報告した。

アトリア冒険者ギルドが魔物討伐実習案件斡旋を依頼したため、本部は本件を斡旋した。

 これを受け、ジーニア支部より コーシア伯爵ユマ閣下を初め、アイザワ子爵、カツラギ男爵、センドウ男爵、ボレリア氏が実習のため当地に入られ、防衛結界祈祷のためセレニア神祇官ユイナ猊下も同行された。


5 行動概要

 晩夏の月2日19時過ぎにオーガ12体及びゴブリン131体が県道アクティア湖線沿いに北東へ進出した。


6 対応状況

 右の集団をアイザワ子爵が索敵にて発見し、氷系統魔法をもって大打撃を与え、オーガ4体を除き殲滅した。

 残敵は、アイザワ子爵、カツラギ男爵、センドウ男爵が1体ずつ討伐、残り1体は反転し逃走を図ったものの、 ユマ様が弓矢を放たれ討伐された。

 その際、約1キロメートル後方からゴブリン16体が逃走した。



<アクティア湖生息事件報告>


晩夏の月4日6:09受信


魔物に関する情報(生息)


大陸暦120年晩夏の月4日

ファニア支部発信


1 時点

 大陸暦120年晩夏の月2日夜


2 場所

 ファニア市アクティア湖町ファラゴ鉱山跡


3 個体数

 オーガ 発見数19 討伐済19 交戦中0 逃走0

 ゴブリン 発見数223 討伐済223 交戦中0 逃走0


4 発見経緯

 晩夏の月3日ファニア支部既報のとおり襲撃したオーガ12体及びゴブリン131体を撃退した際に、約1キロメートル後方からゴブリン16体が逃走した。

 このため、アイザワ子爵、カツラギ男爵、センドウ男爵、ボレリア氏がセレニア神祇官猊下を伴い追跡し、ファラゴ鉱山跡に入ったことを確認した。


5 行動概要

 ゴブリン16体は坑内に入り、他の個体も含めて特別な行動は示さなかった。


6 対応状況

 ファラゴ鉱山跡において、ボレリア氏が風系統魔法をもって魔法油を制御して火攻めを行い、坑内に生息していた魔物を掃討した。

 晩夏の月3日にファニア支部所属の冒険者が坑内を調査し、オーガ19体及びゴブリン223体の死骸を確認した。

 アルパラ・ヒルタには大陸暦117年晩夏にユイナ神官候補生(当時)が展開された結界があり、猊下御本人が異常ない旨を確認されている。

 アルパラ・タクタにも大陸暦118年盛夏に展開された結界があったものの、晩夏の月2日に調査したところ祠が半壊して効力が低下していた。このため、セレニア神祇官猊下が補強の祈祷を行われた。猊下は、これは暫定的措置であり、今月中には恒久的対策を取るべきと示唆されている。

 オムギザ及び鍾乳洞については、晩夏の月3日にアイザワ子爵とカツラギ男爵が調査して、残敵の存在は確認されなかった。



<コモディア襲撃事件報告>


至急 極秘(送信後記録廃棄)

晩夏の月3日21:53受信


コーシア県副知事ヨシト・フィン・タツノ閣下


 ナギナの本部への報告を内々にて取り急ぎお伝えいたします。


魔物に関する情報(襲撃)


大陸暦120年晩夏の月3日

コモディア支部発信


1 時点

 大陸暦120年晩夏の月3日15:30頃


2 場所

 コモディア市タルトリア第3区地先

 シンカニア・ナギナ線ベニリア川第2橋梁左岸第6橋脚建設現場


3 個体数

 河竜 発見数1 討伐済0 交戦中0 逃走1

 魔族 発見数1 討伐済1 交戦中0 逃走0

 水鬼 発見数27 討伐済27 交戦中0 逃走0


4 発見経緯

 本日4時過ぎ、既報のとおりシンカニア・ナギナ線ベニリア川第2橋梁左岸第6橋脚建設現場が魔物と思われる何者かによって襲撃され、橋脚の最上部の前後左右3メートル上下2メートル程度が破壊され、架設中の箱型橋桁と鋼鉄製型枠が落下して崩壊し、作業用足場の鋼板と単管パイプも落下した。

(橋梁の被災状況についてはベニリア鉄道からの詳報を参照されたい)

 これを受け、台命を奉じて、セレニア神祇官ユイナ猊下が コーシア伯爵ユマ閣下及びセンドウ男爵を護衛として、結界構築の祈祷を行うため現場を訪問された。


5 行動概要

 セレニア神祇官猊下が祈祷を開始されるや、ベニリア川に水鬼27体が出現し水系統魔法の発動を開始、続けて河竜1体が出現して放水攻撃を図った。


6 対応状況

 水鬼27体は、 ユマ様が水系統魔法をもって拘束し魔法能力も封印された。

 河竜の放水攻撃は、セレニア神祇官猊下が「天地の盾」をもって防御された。

 さらに ユマ様は弓矢2撃をもって反撃、これに対して魔族オスト・サゴデロが姿を現した。

 河竜は ユマ様の魔法攻撃を受けて逃走し、魔族オスト・サゴデロはセンドウ男爵が討伐した。水鬼27体も ユマ様が即死魔法により討伐されている。

 現場には、セレニア神祇官猊下が多重防御結界を構築された。

(猊下の祈祷についてはコモディア教区からの詳報を参照されたい)


北シナニア冒険者ギルド コモディア支部長 バリスト・リソルト


本編は、いつもの時間に予約投稿してあります。

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