115. 第4回ステータス判定 -仙道衛と島倉美亜-
この二人はどうなったのかというと…
「それでは、センドウさん、どうぞ」
元C3班の面々の「役立たずと言われたCクラスギフトが実はAクラスだった件」が続いたところで、衛の順番になった。
NAME : マモル・バルノ・フィン・センドウ
AGE : 16 (14 UN / 103 UG)
SEX : 男
LV : 58
STR : 570
DEX : 610
AGI : 570
VIT : 630
INT : 470
MND : 630
CLASS : 守護騎士 LV 52 - 守護対象は別記
GIFT : 栄光の守護者 (A)
SKILL
標準ノーディア語翻訳認識・表現総合 LV 6
無手武術 LV 8
剣術 LV 10
地理学 LV 5
歴史学 LV 3
守護対象
第一 : ユマ・ブルディグラファ・フィン・ナスティア
第二 : 未定
基礎レベルは前回の「レベル43」から15上昇し、クラスレベルに至っては「レベル31」から21も上昇している。
その「レベル58」は、「Sクラス」の「勇者」平田正志の前回の結果に並んでいる。
「守護対象を得た守護騎士のステータス成長の、見事な見本例ですね」
ユイナのその言葉に、由真の胸が強く突き上げられる。
衛のクラス「守護騎士」において指定する「守護対象」。
現在指定されている「第一守護対象」は、1人限りを選ぶことができるもの。
それを選んだ衛は、「Sクラス」に匹敵する水準にまでレベルを上昇させて――
「頼もしい限りじゃない、お姫様?」
――晴美が、そういって由真に微笑を向ける。顔中がしびれてしまった由真は、目を伏せるしかなかった。
「それじゃ、次はシマクラさんですね」
ユイナの言葉に、その島倉美亜は顔を引きつらせる。
「ちょっと待って! みんな『実はAクラス』とかだったよね? なんか、あたし、どうやってもCクラス家政婦なのにっ」
美亜は焦りをあらわにしていた。
実際、C3班の仲間たち4人が「実はAクラス」だったと判明した今、彼女はCクラスのままとなると、その立場は微妙なものになる。
「あの、とにかく、こちらでの職業を選ぶのに必要な手続きですから……」
ユイナは苦笑とともにそう言って美亜を促す。
「うぅ……あの、Cクラスでも見捨てないでくださいね?」
そういって、美亜はおそるおそる水晶玉に手を触れた。
NAME : ミア・シマクラ
AGE : 16 (11 AA / 103 UG)
SEX : 女
LV : 8
STR : 25
DEX : 25
AGI : 25
VIT : 25
INT : 200
MND : 180
CLASS : 輜重兵 LV 1
GIFT : 家守り人 (A)
SKILL
標準ノーディア語翻訳認識・表現総合 LV 5
家政経営術 LV 7
衣服製作術 LV 8
計数管理術 LV 5
空間管理術 LV 4
水系統魔法 LV 2
光系統魔法 LV 3
生物学 LV 2
地理学 LV 1
「シマクラさん、衣服製作術がレベル8に上がってますね。光系統魔法もレベル3……これは、あの襲撃のときに使ったからですね。このAクラスギフトだと……あの、シマクラさん? 目を開けてください?」
解説を始めたユイナは、美亜が目をぎゅっとつむったままなのに気づいて、そう声をかける。
「え、えっと……あれ? Aクラス?」
そっと目を開けた美亜は、ギフトの項を見て、とたんにその目を見開く。
「セプタカの砦で、衣服の繕いのたぐいをお願いした甲斐がありました。これはやはり、衣類関係でしょうか……」
呆然としている美亜をよそに、ユイナはそういうと、女神像に向かう。
「女神様……」
「ミア・シマクラを認証しました。推奨クラスは『衣類提供管理者』です」
やはり女神の反応は速かった。
「とのことですけど、シマクラさん? これで大丈夫ですか?」
「あ、はい、大丈夫です」
未だ呆然とした様子で、美亜はそう返した。
「了解しました。……クラス『輜重兵』レベル1を破棄し、『衣類提供管理者』レベル25を登録しました」
美亜もまた、「レベル25」の新たなクラスを得た。
衛くんは「守護対象を得た守護騎士のステータス成長の、見事な見本例ですね」という次第でした。
美亜さんのギフトもAクラスでした。
キャラ語りですが…
衛くんの位置づけは、まさしく「守護騎士」です。名前の「衛」も直球です。
「チャラ男タイプ」の真逆を行く寡黙なキャラとしたのですが、そのため未だに台詞回しが難しいのが悩みです。
美亜さんは、「衣食住」の「衣」担当という前提で、初期から登場しています。
ハイスペックでお姉様キャラになる晴美さんと引っ込み思案傾向な初期の由真ちゃんに混じって、ムードメーカー的に振る舞う気さくなキャラとしたつもりです。
「島倉美亜」という名前は、衣類関連業界のとある有名企業にちなんでいます。