プロローグ 僕、女になってる?!
寝かしていても仕方ないので、書きためていた連載を投稿します。
学級召喚とTSFの組み合わせです。
「おい、聞いてるのか? そうやって人の話も聞かないで、みんなを拒んでばかりだから、お前は陰キャだのぼっちだのと陰口を――」
その瞬間、教室は煌めく光に覆われた。強烈な白さに視界が奪われる。
(……これは?!)
教室を内接させるように展開された円形のものを直観する。それが「魔法陣」であることも、すぐにわかった。
重力が消え去り、体が浮かび上がる。眼前にあったはずの机や椅子に、もはや触れることができない。
まばゆい光が消え去ると、一転して黒い闇が周囲を支配する。
人型をした白い発光体が40ほど浮かんでいる。それだけが、この場の光だった。
そこへなにかが降り注ぐ。見えず、聞こえず、触れもせず。しかしなにかが入り込んだことだけは、はっきりと感じられた。
不意に。眼前の白い人型の顔の部分が目の前に迫り、唇に触感が走る。
(え? キス?)
この状況で、確かに口づけされている。
口づけが終わったその瞬間、右斜め前から手が伸びてきた。
発光体の手のような型の部分――にしては、妙に明確に「手」であると感じさせるそれが胸元に迫る。
次の瞬間、胸の奥のなにか――命全体にも匹敵するほど重いなにかが、その「手」へと吸い込まれた。
同時に。
左斜め前に迫る、大きな発光体。それが、腰の部分にタックルしてきた。
転びはしなかった。しかし、腰と股間、そして臍下丹田のものが刈り取られてしまう。
とっさに、胸をかばい股間を止めようとした。しかし、奪われるものを守ることはできない。
なにが、起こって――
我に返る。
そこは、まばゆい光の中でもなければ、深淵の闇の底でもなかった。
石造りの大きな部屋。神像が据えられた祭壇が設けられていた。
その神像は、十字架ではなく、聖なる母子像でもない。印を結びアルカイックスマイルを浮かべた座像や立像でもない。
古代の神話の神々――その一柱か。
「よく来てくれた! 異世界ニホンの戦士諸君!」
そこに通った声。
(異世界ニホン?)
そんな言葉が聞こえて、反射的に腕に力を込める。胸部の前を横断する右腕と手先で股間を覆っていた左腕。
右腕が想定外の固形物に押しとどめられる。左手の先は両脚の間に直接触れる。
「んっ?!」
右胸が押しつぶされて、股間のなにかに左手が触れて、全身に走った衝撃に、思わず妙な声が出てしまう。
(……って? 胸? 股間?)
そのままの体勢で確認してみる。
右腕を押し返しているのは、両胸の膨らみ。押されると胸部に感触が伝わる。
左手の先には、16年間苦楽をともにしてきた愚息の気配はない。その箇所に触れていると、体験したことのない不思議な快感がわき上がる。
豊かな乳房、あるべきものがなく、鋭敏になった股間。
(って、これ……女になってる?!)
――このタイトルをつけたくてこの話を書きました。反省は(ry
エタらないよう頑張る所存です。