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お題小説

世界を変える方法

作者: 水泡歌
掲載日:2020/08/22

 ねぇ、世界を変える方法って知ってる?

 彼女は僕にそう言った。


 この世界はきれいなものばかりじゃない。

 たくさんの汚いものに満たされている。

 だから僕は時々、感じるんだ。

 僕はもう、その世界の「汚いもの」になってるんじゃないかって。

 自分ではきれいなものでいたいのに、もう、それは叶わない願いなんじゃないかって。


 僕はある日、その思いを1人の女性に話したことがある。

 1人の大切な人に。

「僕はもう、汚れてしまっているのかもしれない。君は汚い僕も好きでいられる?」

 すると君は歩んでいた足を止めて、僕の方をクルッと振り向いて笑った。

 そしてゆっくりと僕に近づくと僕の手をキュッと握って言った。

「何で自分が汚れてるって思うの?」

 僕は答えた。

「だって世界は汚いものに満ちているから。その中で汚れないなんて無理だよ」

「だから汚れてるって思うの?」

「うん」

「そう。……確かにそうかもね。あなたが世界をそう思っている限りそうかもしれない」

「え?」

 僕がそう言うと彼女はフワッと僕を抱きしめた。

 そして言った。

「ねぇ、世界を変える方法って知ってる?」

 僕は訳がわからず、ただ首を振った。

 彼女が僕の耳元で小さく笑った。

「考え方を変えればいいんだよ。ねぇ、あなたにとって私も「汚いもの」なの?」

 僕は首を振る。だって君は大切な人だから。

「じゃあ、違うじゃない、あなたの世界と。世界は汚いもので満ちてるんでしょ?」

 彼女の言葉に僕の心はコトンと動く。

 彼女は僕から体を離すと優しく笑って言った。

「私がいる限り、あなたは汚れたりなんかしないよ」

 そして恥ずかしそうに頬を染めた。


 ああ、そうだね。

 世界は汚いものばかりじゃない。

 こんなにきれいなものもあるんだ。


 君がいれば、僕の世界は変わるんだ。


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