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才能戦  作者: 材料箱
2/7

Number-1

注:1話はバトルシーンはありません。

『古い時代より「天才」は存在し、常人にはまねできないようなことをやってのけ、消えていった。

その人たちはみな才能を持っていた。


 しかし、近年『タレント』と呼ばれる異常な才能が開花するものが現れている。


 人には技能とタレントがある。

 技能とは、人が生まれてから鍛え上げた能力のことである。

タレントとは、人が持って生まれた能力のことである。


これの最大の違いは、タレントは一つしかないのに対し、

特技はその気になれば無限に持つことができるというところである。』


「あれ、海崎ねてないか?灰原、ちょっと海崎を起こしてやってくれ」

「わかりましたー」


 俺は隣の席で寝ている海崎仁を起こした。

正確には、起こすふりをした。


「おい、仁、起きろよ、多分寝てないだろうが」


 そう、彼は一種の天才なのである。自身の体を完璧に使いこなせるのだ。

完璧なマルチタスクなのだ。寝ながら昼食をとったり、歩いたりもできるらしい。


「さすが、俺が寝てないことに気づくなんてお前くらいじゃね?」

「まあその才能使えるのお前意外だと俺しかいないからな」


 そう俺の「タレント」は近くの人の才能を利用することなのだ。

ただし神経細胞から3㎝以上離れると効果がなくなるというものだ。


 この才能を特別便利と感じたこともなければ、不便と感じたこともない。

自分でトリガーを引けるからだ。

ただ、時々友達のタレントを借りてちょっと遊ぶくらいしかできなかったのだ。


「海崎は起きたか?」

「あ、はい、起きました」


この海崎仁という男、なんと自身の体を扱えると同時に、体の状態が分かるのだ。


 例えば自分が運動した後、体液がどのくらいへったのか。

骨折が後何週間で治るのか。


 もっとあいつらしい使い方をすると、今自分は何を食べたい気分なのか。

そういったことまでわかるという自分の管理ができてしまうやつなのだ。





・放課後


「お、春近じゃん」

「ほんとだ、おーい春近ー」


 その名を呼ばれて振り向いたのは春近守という少し背が低い人だった。


「…ああ、海崎と灰原か…」


 その声は俺の知ってる春近の声とは少し変わっていた。


「春近、なんかあったのか?言いづらいなら言わなくていいけど」


 そう、春近は根暗な奴ではなかった。身長へ行くはずだった栄養が器にいったのか

と思うほど寛容な人物だったから、このように少し落ち込んだ姿を見たことがなかった。

 しかも、彼は前向きな思考(ポジティブシンキング)という技能を持っていたはずだった。


「いや、特に何もないよ…じゃあ僕は用事があるから帰るよ」


 何か隠していることは明らかだった。

そしたらいきなり海崎がひそひそと話しかけてきた。


「ちょっと、灰原、ちょっと今春近がどんな状態なのか分析できない?」

「俺の技能のことか」


 そう俺には「分析」という技能がある。あまりに自分のタレントが使えないと思って鍛えていただ。


「でも記憶を探るとなると見るだけじゃあ5分くらいしかさかのぼれないぞ」

「それだけでもいいよ」

「じゃあいいだろう」


 少しカバン持っててと海崎に伝え、集中した。目から入る情報を確実に分析するために、

対象以外何も考えない。

 さらに、視野を絞りやすくするために、両手の親指と人差し指で正三角形を作って腕を伸ばした。

少しして、春近になったかのように肩にかかるカバンの重みや、

そこから見えるであろう景色が浮かんできた。そして…


「ん?」

「どうした」

「いや、なんか失敗した?っぽい?」

「は?なんでお前がわかんないのさ」

「なんか途中まで『思い出せた』んだけどなんかいきなり記憶がなくなってるみたいな?」

「ん?どういうことだ?それって俺の才能使ったら行けそうな感じ?」

「どうかなあ」


 以前人の記憶を5分以上さかのぼろうとしたが、自分が自分の力をうまく扱えずに海崎の力を

借りたことがあった。

そうしたら8分ほど見るだけでさかのぼれた。ということがあったのだ。


「まあ、とりあえずやってみようぜ」

「そうだな。とりあえずやってみるだけやってみよう」


 仁の手を俺の肩に乗せた状態で、まずタレントを借りる。

すると、自分の中のすべてを管理するコンピューターみたいなものが頭の中に現れたのが感覚で分かる。


「…よし」


腕を伸ばす。そして手で正三角形を作って集中する。

そうすると、景色が少しづつ浮かび上がってくる。


『お、春近じゃん』

『ほんとだ、おーい春近ー』

『…ああ、海崎と灰原か…』


 いや、もう少し前だ。えーと?…プツン

あれ?なんかこの先を『思い出せ』ないぞ?何故だろう。なんとか仁のタレントで

潜り抜けられないかなあ……おや?

 頭の中に現れたコンピューターには「セイフティーロック」と書いてあった。

仁よりは使っていないが、こんな表示が出たのは初めてだった。


「なあ仁…」

「どうした」

「…おまえこのタレント使ってて『セイフティーロック』なんていわれたことあるか?」

「あるぞ」

「それはどんな時だった」

「…まあ、その、あれだ、いわゆる黒歴史を思い出そうとした時だ」

「…」


 なんで黒歴史をわざわざ思い出そうとしたんだよ!というのはさておき、

もしかしたらこれは記憶を見ることによって自身に大いなる精神的ダメージが入るときに

表示されるものなのかもしれない。


「でもさあ、これみても俺には何の得もないんだよね」


そう、わざわざ危険を冒してまで人の記憶を見る必要があるのだろうか?

そもそも、なんで春近の記憶を見なきゃならんのだ?集中しすぎてうまく考えることができない。


「でも、春近の精神防御力を突破できるほどなんだぜ?せめて誰にやられたのか

くらい把握した方がよくないか?」


 なるほど、確かにこの強さを持った奴が俺らにも攻撃が来た場合、

きっと精神がかなりのダメージを負うだろう。


「よし。」


セイフティーロックを…解除!そしてさらに記憶をさかのぼるっ!

初投稿です。

これから暇な時間でちょっとずつ書いてくつもりです。


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