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8話~「魔法と同様の現象は自然科学の一部である」~

前回のあらすじ:ヒフキソウの新たなる可能性、爆発を発見。それを道具化するために課題を詰めている。


ブクマ登録、そして評価ありがとうございます!この小説を書く励みとなっています!

小説というより、設定垂れ流しになっていますが、次の話から物語が大きく動き始めますのでよろしくお願いします!それでは、今回の話(1/2)です。

…とりあえず後者、すなわちヒフキソウに布で覆う、という路線で進めていくか。そう決めて、道具化を始めた。

ポイントは、爆発までに何秒かかるか。そして、どれぐらいの火力がでるか。

それらの定量的、とまではいわなくともせめて定性的、つまりある程度大雑把でも良いのでどのような威力か、時間がかかるかを調べておきたい。これらを同時並行で進めた。


 さて、まずは爆発までの時間を計測について。ということで、先ほどと同様まずは石にヒフキソウを巻いてその根に触れる。昔は一回だけだったが、最近は何回もこのような実験を行えるようになった。

その理由は魔力とやらが増えたのかもしれないと考えている。どの草で行っても同じであったことから、個体差は関係ないものと考えている。

では、増量は体の成長によるものなのか、それともこのヒフキソウによる原因なのかはわからない。が、とりあえずは放置。


 話を戻して、いつも通り放火させる。石に熱は伝搬しにくいためか、それなりに時間がたっても触れる。その石を適当な開けた地において、壁となるようなものの後ろに立つ。

そして、体感十秒ほど経過した後轟音が鳴り響く。今度は石の破片も加わっており、木に突き刺さっている。


 今日の実験結果も、十秒程度である。もちろん長い方が役立つときもあるし、火力が高い以上長い方が好ましいかもしれないが、その場ですぐ使うことを考えるともう少し短い方が望ましい。


 ということで、時間の問題の解決のため、様々な実験を行っている。根が手に触れるときの表面積、根を泥団子で覆ってから手で触れる、根だけでなく茎の長さなど。

この中で、俺が予測したよりずっと早くなった結果があった。それはその根に触れる表面積を大きくすることだった。両手で、石の表面に露出している白い根に触れる。その行為から、タイムが予想以上に早くなった。


 そのタイムはなんと四秒程度。自分の体内時計のためあてにならないが、少なくとも先ほどの方法よりもずっと早い。ちなみにあのご貴族様の魔法と比べると、うろ覚えだが十秒以上かけていたはずである。それを考えると早い方ではないだろうか。もちろん、あの時の魔法はパフォーマンスのためで実用魔法となると別ではある可能性もあるため、参考程度であるが。


 次に、火力。これは、工夫する要素はあまりなかった。先に紹介した花を折るというのが魔法の火力を高める最高の方法であった。その茎の長さによって規模の大小はあるが、爆発以上の炎が出せるという現象はなかった。なので、変えるとしたら石の大きさとヒフキソウを大量に巻くことぐらいであった。


 爆発の大きさはヒフキソウの数に比例する。理屈として、電池を直列回路に大量につなげることでより大きな電圧がかかるようなものである。ちなみに、並列のようなつなぎ方をしたが特に効果はなかった。そもそも、これに並列のようなつなぎはないかもしれないが。


 そして、もう一つ大きな結果として単体のヒフキソウのみではわからなかったが複数用いると誘爆性が認められる。やはり今のところ原理はわからないが、個人的には大発見ともいえる。


 誘爆と言うのは、基本的な考え方は爆発した物質が他の物質と相互作用をすることである。

それに基づくと、爆発したヒフキソウが他のヒフキソウを爆発させる何かを出していることになる。そのなにかは茎の中を貫通する、ということも認められる。


 ちなみに、恒例の理論についても考えてみたが相変わらずよくわからない。まさか、茎が誘爆させるものではあるまい。となると、茎の中にある何かということになるが、茎の中を見てもさっぱりであった。そもそも、肉眼で確認できるほど大きい物質ではないのだろう。これはいつものことだが。


 わかっているのだが非常にもどかしい。その茎の中身と誘爆の現象、さらに魔法の現象の理由がそれに絡んでいるはずである。そこまでわかっているのに、それができないのがイライラさせる。ちょっと気持ちが波立ってきたため、少し休憩をする。


 少し落ち着いたのだが、やはり結論は今はこの現象を認めるしかない。だてに、五年間ストレスと闘ってきたわけではない。

現代科学の先端があればより効率よく実験できたものを何年もかけて、実験し続け結果を出してきたのだ。これぐらい耐えられなくてどうする、ということでもある。


 それに、研究というのは本来こんなに早く結果は出ない。この花はともかく、本来ならばもっと時間がかかったのかもしれないのだから、むしろ順調と考えるべきである。そう納得させて、実験を続けることにする。


 さて、火力面に関してもう一つ大きな要因である石にヒフキソウを巻くことについて。これも、石の個体差があると思うが、一番検証が容易なのは石の大きさである。

もちろん、大きければ大きいほど火力が出るというものではなく巻くのも大変になる。

しかし小さいものの場合、そもそも的に当たらないということになりかねない。


 そのため、最終的には握りこぶし大程度で抑えるようにすることにした。その理由は持ち運びに便利でかつある程度の威力も保証されるからだ。

ちなみに、大きくすると前述したヒフキソウの量を多く巻き付けることができるため、火力も増す。ただ、持ち運びできないため罠専用になってしまうが起爆さえできれば非常に強力な地雷のようにもなろう。


 手始めに、俺命名のヒフキソウで巻いた石である魔法石を握りこぶし大程度で作って実験したのだが、思いもよらないハプニングが起きた。

なんと、石が思いもよらない方向に目に見えぬ速度で吹き飛んで、周りの何十もの木を貫通させていた。火力に関しては問題ないのだが、このように変な方向に飛ぶようでは危ない。せめて飛ぶ方向だけでもこちらの指示が聞くようにしたい。


 これに関しては、巻き方を工夫することにした。具体的には、ヒフキソウを石全体に一周させて巻きつけるのではなく、片面のみにまとめておいてそれを適当な草でまとめておくことにした。そうすることで、巻いた方向と反対側に石を吹き飛ばすことができる。


 以上の結果から、ようやく魔法石が完成した。ここまでで、五年以上かかったわけだがようやく考えていた魔法の現象に大幅に近づいた。

どこか工学的な物質で目標とは全く別の方向であったが、とりあえず自衛の手段は確保できたかという段階である。最終的には、これを使って交渉材料にすることも検討している。


 とにもかくにも、少なくとも炎はご貴族様だけのモノではなく俺自身も自然の力を借りる、すなわち自然科学であるということを証明できたのだ。そのためか気分が高揚としており、どこか叫びたい気分を抑えていたためか布団の中で寝ることができないほどで、親にも叱られてしまった。


 せっかくの満月が雲の中に隠れてしまってよく見れない夜の日であった。

今回もお読みくださりありがとうございます。


毎度毎度恐縮ですが、この小説を読むことで何かが心が残ったり、興味を持ってくださったらぜひともブクマ登録、評価をしていただくようお願いします。


長くなって申し訳ございません。今日中にもう一話(閑話を予定)をあげようと思います。それでは少々お待ちください。

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