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7話~「既存の知識の組み合わせから応用が生まれることがある」~

昨日は遅くて申し訳ございませんでした!ブクマありがとうございます!

今回は予約投稿です!


それではお楽しみください。

 九歳になった。



 そして、俺は一年間を魔法の道具化にほぼ費やしてきた。例のヒフキソウに関しては花、正確には花弁部分のみを取り去れば大きくなることは五十回連続成功することで確かめた。その原因についてはよくわからないのだが、以前立てた推測が使えるのではないか。


 ヒフキソウを初めて見つけたとき、あの時は花と茎を同時に折ってしまい取り去ってしまっていた。その茎の長さもそれなりにあった思い出がある。その時は茎の先端から炎が出た。

その一方で、今回のように花弁だけを取った場合茎部分が爆発したかのように四散していた。


 つまり、花は根、茎からの魔力を開花するためのエネルギーに変えている、と思われる。そのエネルギーの形態として、火が使われているのではないかと。

ただ、肝心のどのように、なぜ火が発生しているのかという点はまだ解明できていないがそれはともかく。


 以上の推論に推論を重ねると、花弁を取ればそこに供給するためのエネルギーが無くなってしまう。余分なエネルギーが茎の中に貯蓄、厳密には茎の中の分子にエネルギーが供給されることによる圧力の増加に耐えられず茎の中が爆発する。

と考えたのだが、他の可能性も考えた。


 先ほどと同様、爆発の原理自体は内部の圧力増加による破裂である。

ではどう違うかというと、通常通り茎に炎を発生した後内部の物質が急激に上昇させられ、それに茎が耐えきれなくなった結果茎が四散したと考えることもできる。つまり、茎が長かろうと短ろうと炎を発生させる。ただし、そのエネルギーの大きさは異なるということだ。


 ちなみに、茎が短いときも炎を発生させたが爆発は起きていない。今のところざっくりと花弁部分のみ取り除けば爆発する、ということが確認できたがどのくらいの長さだと爆発が起きるのかという実験もすべきかもしれない。


 さらに脱線するが、推論通りと仮定するとこの花は正しい表現かわからないが火の固体ともいえる物質である。もちろん前世では火と言うのは物質ではないため、その固体なるものも少なくとも俺の知っている限りでは存在しない。


 が、異世界においてはその常識が覆る可能性もある。事実、ゴムクサに関しては明らかに前世の物理法則を無視した現象が確認できた。ミクロなサイズの物理というわけでもなく、俺の目で視認できるほど大きな物体においてである。


 何が言いたいかというと、この花が何かと言うのも研究すべきではないかと考えている。原理的な面の研究は相変わらず不可能と言っても良いが、活用法……いわば工学的な観点で何かに使えないか。研究してみる価値はあると思う。ただ、今はヒフキソウの爆発に関する応用方法に関する研究であるからそこまで手は伸ばせない。そのため、心の中でメモをしておいた。


 さて、以上がヒフキソウの現象面の研究内容であるが、とりあえずこの推論……どちらでもよいので成り立つということで進めよう。これからの研究においてはその区別はあまり意味をなさないからである。


 そして、実用面について、つまり道具化の研究および理論面の話だが二つほど課題がある。

一つ目は爆発について。火力に関してはあの大きな炎に加えて爆発もあれば、十分である。

二つ目は安定性。つまり、俺の任意のタイミングで炎と爆発を発生させることである。


 まず、爆発についてだが…もちろん爆発そのものも茎の破片も十分武器となる。

さらに、実験段階のためまだ理論段階ではあるが、実際に道具化するときは石に草を巻くように作る予定である。

なぜそんなことをするか、素のままで使わないのかというと、爆発の力を使って石もエネルギーを持つため其れの破片の衝突も武器の一つになるからと判断したからだ。


 とはいえ、その前提としてその爆発を最大に生かす場合は、まず敵の方向のみに石の破片や石そのものが飛んでもらわないといけない。こちらに飛んでくるなんて失敗作もいいところだからだ。

当然、石の破片だけでは火力に不安があるため爆風と敵が近くなくてはいけない。あまりやりたくないが、検証するしかないか…


 さて、問題二つ目の安定性。こっちの方が依然として大きいものがある。

まず、今のままだとそれなりに長い時間がかかるとはいえ、根に触っただけで着火する。

花をつけている場合実験した時は爆発することはなかったのだが、ふとした拍子で取れてしまった場合など目も当てられない。

爆発を防ぐ、させないというよりもそもそも着火を防ぎたい、というのが心情である。


 ちなみに、ゴムクサの時とは違って地面に触れただけでは着火しないということが明らかになっている。着火する条件が花弁がない状態で人間が根に触れること、あるいは地面の中に長時間根を張り巡らせて蓄えさせること、と思われる。


 ともかく、着火を防ぐための方法は、大きく分けて二つある。

一つは俺の手から魔力を取られないようにすること。

もう一つは根を何かで覆うこと、である


 一つ目の方は、今のところ食い止める方法は手袋や何か布で覆って掴む、という方法である。素手で根に触れる、仮に少しでも触れただけでも着火する可能性があるから、そのような方法を思いついたが問題は、その方法はかなり目立ってしまうことにある。


 少し思い出す。確かに手袋はある。しかも、一般的に村の中では普及はしている。

だが、それをファッションとして使う人は誰もいない。

というか、火で熱した鍋を持つときなどに使うものである。それを、常に所持しているというのはいくら俺でもあまりやりたくない。そもそも、それなりに貴重な品であるからそんなことはできないように思える。……まあ、最終手段としてとってはおくが。


 もう一つ。根を何かで覆う作戦である。例えば、作ったものを布で覆いかぶせておくなど。

もし大きな石にするならばこれは難しいが、幸いにして現状では石の大きさはそれなりの大きさである、俺の握りこぶし大程度にしようと思っている。

どちらかというと、重要なのはより的確に指向性を持たせる、つまり投げたい方向に魔法を発動できるように石に巻くため、手で掴める範囲で十分である。

幸い、布や紙のようなものはそれなりではあるが村にある。それこそ、勝手に持って行ってもばれない程度に。


 当面は、後者の方を検討することにした。


お読みいただきありがとうございました。


さて、毎度毎度恐縮ですがこのようなノリを見て面白そう、あるいは期待が持てると思ってくださった方がいらっしゃれば、ぜひともブックマークと☆印の評価のボタンを押していただければ幸いです。星の数が多ければ多いほど、より面白かったということを意味すると思っていますので、もし気が向いて下さった方はお願いします。


ちなみに、今は研究パートですが研究以外にもいろいろなことが起こります。それもお楽しみに。

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