2話~「新しいフィールドと、願望」~
遅くなりました。
本日の話です。
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前回のあらすじ:立ち直ったイサマ。マキュベスが授業をしてくれたので、ありがたく受けていた。
さて、この前のような魔石についての授業のように座学も多かった。その内容については多岐にわたるのだが、また折を見て紹介しよう。
座学のほかにも実践的なものの考え方や道具の扱い方をご教授してくれた。
具体的には師匠の助手をすることによって、植物や土、昆虫や動物といったものを採集してかつそれをどのように扱えばよいか、ということも教えてくれた。
すでに使用方法が明らかなものはそれについても教えてもくれた。例えば、草から水を出す草についてはどのような効果があるか、どうやって出すかなどについて丁寧に教えてくれた。ちなみに名前はスイソウらしい。それについて載せておこう。
「さて、先ほど説明した通りこの水は我々にとって都合の良い液体となっています。
その成分について調べてみても、よくわからない物質ばかりでしたが少なくとも毒はないです。
出し方は先ほど説明した通りなので実践してみてください」
と言われたので、先ほどの説明を振り返る。
根からでも魔法を発動できるが、ヒフキソウ、ゴムクサと異なり実は葉からでも水分を出せる。
なので、葉に触る。やはり、体内にも葉も影響が起きない。
さて、ここで出せないのは魔力というものを出すイメージが足りないということだった。
イメージと言われてもピンとこないが、ヒフキソウで起こった現象を思い出して体内から何かが抜き出されることを想像する。
すると……体内からヒフキソウよりは少量ではあるが、何か抜き取られるような感覚があった。
その後、葉っぱがどこか光ったようになりすぐに葉の上に拳サイズの体積がある液体が浮上した。
あの時見たものと同じ透明な液体の塊が抽出できたのだ。
師匠の方向を見ると、頷いてくれたので試しにのんでみる。
……やっぱり、うまい。全体的に甘いのだが、どこかしょっぱい所がある。それが体になじむようだ。
と、味に黄昏ていると師匠がのぞき込んで
「私も飲んでみていいですか?」
と、声をかけられたので頭を一回上下に振る。すると、師匠が俺の手と液体の間に手を出してすぐに自分の方向に戻した。なんと、俺が出した液体が師匠の掌の上にあった。
「あ、この現象は魔法の支配権を奪うといいます。自分の場合はこのようにする必要がありましたが、できる人はもっと距離があっても支配権を奪うことができます。まあ、それは別の機会に」
といって、すぐに飲み始めた。途中ずっと無表情であったが、飲み込んだ後にどこか驚いたような表情をしてからいつもの表情に戻った。
「師匠? まずかったですか?」
「いいえ、逆です。私が出したのと同じ味でした。これは予想外ですね……」
といって、一人考察に入りそうだったので何回か呼んで、フィールドワークに戻ってもらったのだがそれはともかく。
と、こんな感じに座学でも実技でも指導を受けていた。もちろん、マキュベスも研究をしている。
最近の彼の研究は、植物がどのように魔法を発動しているかであった。もっと細かいことを聞くと、植物の器官などについて詳しく研究しているらしい。が、何もかも新しい事のためかなかなか進んでいないらしいが。
では、なんで明らかに魔法を使えるマキュベスが俺のことをここまで目をかけてくれるのか……
聞いてみたい気持ちも強いのだが、今まで聞いてこなかった。
なぜなら、怖いから。
見当がついているのは、マキュベスは貴族であって本来は俺とは立場が違うこと。
これは、物的証拠があるわけではないが立ち振る舞いと俺とは明らかに異なる容姿、そして決定的なものが魔法。
庶民で魔法を使える人と言うのは聞いたことがない。
だからこそ、よくわからない。
俺に関して何か企んでいるのか……と、考えたのだが結局考えるのをやめた。
どうせ、何を考えようとも俺に選択肢はない。マキュベスに捨てられたら死ぬだけ。
ついでに言えば、気まぐれかもしれないが俺の希望通りに魔法やそれ以外のことも十分教えてくれる。
これ以上、彼に何か望んではいけない。
今ですでに満たされているのだ。
と、いつも通りの答えに帰結する。
さて、話を戻そう。
最近様々な植物を調べているらしい。それに、山の頂点近くと麓では生態系が異なるからか、今の研究においては絶好の場所らしい。そのためかマキュベスも楽しそうに研究している。
なお、ヒフキソウやゴムクサに関しては師匠も発見していなかったため、俺が命名した名前を使うことになった。が、聞いた話によると火を出す草であれば他にも類例があるらしい。
ただ、ヒフキソウの特徴の一つである爆発と誘爆に関しては他の草では見られない特徴であったらしい。
またゴムクサに関しては同じ特徴をした草を見かけたことがなく、さらに該当する魔法もないため新種の草でかつ魔法ということで師匠が大喜びしていた。
ちなみに、師匠に教えられたこと以上のことを教えてほしい、と頼んでみたのだがあまりいい顔をされなかった。というのも、教科書以上のことになると研究の分野に足を突っ込むことになるのだが、それがあまり好ましくないらしい。
曰く、研究したものは発表したものを除いて他の人に教えてはいけないということ。ゆえに、教科書以上のこと……と、師匠がすでに発表したもの以外は教えられないということだった。
また、授業のペースを速めるわけにもいかないということらしい。
なるほど、道理だ。
要は、著作権の概念がすでにこの世界では生まれているのだろう。そう考えると、この分野に関しては非常に先進的と言えよう。
ちなみに、俺が言ってしまった内容に関しても本当はダメである。
が、事情が事情であるしぶっちゃけ師匠にこれだけ貰うだけ貰っておいて、何も返せないというのはひどく恥ずかしい事であるから、自分の研究結果によって喜んでくれるのであれば特に後悔はない。
しかし師匠の方が申し訳ないと思ってくれたのか、何かしてほしいことはないかと聞かれた。今まで欲しいものはすべてもらっている、と言ったのだがマキュベスが悲しそうな顔をしていた。
……何か悪い事でも言ったのだろうか。
ただ、この話が流れて翌日になっても同じことを聞いてきた。
どうやら、俺が思ったよりも彼は責任感が強すぎるらしい。まさか、明日になっても聞くとは。
なので、何か役立ちそうなものを考えていたのだが……一つ、思いついたことがある。
厚かましいお願いであるが、言うだけ言ってみるか。それがダメと言ったなら、授業の時間を増やしてほしいとでも言えばよい。
「それならば……小さいものもよく見えるような解析装置を作ってほしいです」
以前、何度も顕微鏡があればと思ったのだが何の幸運か師匠はそういった魔法に優れている方であった。
ちなみに、これは教えてもらったものではなくて師匠をじっと観察していて確信したものであった。師匠が何の魔法を使えるか不思議であった。
最初は植物から魔法を使えるというものかと思ったが、俺でも同じことができる以上違うものと検討をつけた。
いつもモノを目の近くに寄せてじっと見ていることから仮定……というのはおこがましいが、それを立てた。もちろん間違いの可能性もあったが、ダメもとで頼んでみたら師匠が悩ましそうな顔をしていた。
お読みいただきありがとうございます。
色々と考えましたが、2章はずっとこのノリで行きます。2,3章はずっとこんな感じです。
4章からは展開重視にしますが……なので、展開を期待している方は4章からお読みいただければ満足して下さるかと。
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それではまた明日。




