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自責による共有

前回のあらすじ:マキュベスというフードの男に看病してもらい、一緒に食事をする。その際にマキュベスの優しい態度に感激した


ポイント評価、ブクマ登録ありがとうございます!

本当に少しですが、魔法現象の本質に触れています。伏線というほどでもないですが……それでは、お楽しみください!


ちなみに、今日は一話だけです。ごめんなさい。

 涙がようやく収まると今度は気恥ずかしさと、後悔の方が上回った。

いくら今まで介抱して下さったとはいえ、見知らぬ人に泣きついたためその方も困惑しただろうし、自分もかなり恥ずかしい。まさに顔から火が出そうで目をそむけたくなったが、失礼なため何とかこらえる。


 先ほどの件について一言謝ったが、気にしていないようで先ほどと同じような穏やかな表情でこちらに語りかける。


「いえ。落ち着いたのであればなにより。もう大丈夫ですか?」


ということだった。

できた方だ、と思ったため余計に事件当日のことについて話さなければいけないだろう、と自己に奮いをかけながらしゃべることにすると今度は固まることなく喋ることができた。


盗賊が襲ったこと、母親が殺されたこと、そしてそれを撃退したこと。


……魔法のことは最初は上手いこと避けるように話したが、結局撃退方法の詳細を聞かれてしまったから話してしまった。見た目が明らかに高貴な方である以上、言わない方が良いのは明確だったがなぜかスラスラと口から出てしまった。

単純にごまかしがもう通用しないから、というのもあったが隠すのがはばかれてしまったからともいえる。すでに自らの弱い所をさらしてしまったが故か。


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……とにかく、言ってしまったものは言ってしまった。

ただ、その話を聞いても驚くポーズを見せることもなく、終始穏やかな態度でこちらに向き合ってくれた。

すべてを聞いてくれた後ゆっくりと口を開いた。


「ありがとうございます。とりあえず、ここでゆっくり傷を治すことにしましょう。

治った後のことはまた別途考えることにします」


 ということだった。

確かにまだ万全でもなく、この山を下りるにしても一人では不可能であろう。

それでもいったん村に戻りたい。もしかしたら、生き残った人がいて生存者を探しているかもしれない。

村とはあまり関わっていなかったが、それでも俺は村の一員。恐らくわかるはずである。


 それに……もしかしたらまだ父親が生きているかもしれない。

なぜならまだ死体を見ていないから。全員殺すことなく、俺らの村に襲撃した可能性もある。

その時にうまく逃げきれているかもしれない。それを確認するためにもぜひとも向かわなければ。


 方針は決まった。本当は今すぐにでも行きたいが、一人では途中で倒れてしまうだろう。これ以上迷惑をかけるわけにもいかないから、とりあえず仰る通り傷がいえるまではここにいよう。


「ところで、山道を歩くまで治るのにどれほどでしょうか?」


 と聞くと、若干顔つきが険しくなった。

もしかして、地雷質問をしてしまったか……?

必死に何が地雷だったかを考えていると、


「……山を下りようとしているのですか? 

悪い事は言いません。傷が治った後もしばらくはじっとしていなさい。

生活に関しても私がどうにかします」


 かなり高圧的な態度だが、どこか心配しているような声音であった。

その態度がよくわからなくて、恩人にもかかわらず睨み返してしまった。


 少しして自らの態度がまずいことに気づいて、にらみつけるのをやめた。

自らの馬鹿さ加減に呆れてしまう。この状態で放り出されると死ぬのにどうして反抗的になってしまう?

急いで謝れ、今なら間に合うかもしれない。


と、打算的な態度で謝ろうとした瞬間。

マキュベスさんが大きなため息をつきながら、


「わかりました。治った暁には村に行っても構いません。

ただし、村に行く際は私も同行します」


と言ってくれた。そして、もう二言。


「あらかじめ言っておきます。村に行ったときは気を強く持ちなさい。

そして、他に人がいるということも覚えておいてください」


と。言葉だけでは先ほどと似たような言い方であったが、今度は優しさと心配の成分の方が多く含まれているようである。

よくわからなかったが、ひとまずは体を横にしてずっと寝ていることにする。


 ちなみに、マキュベスさんは毎日のごとく部屋に訪れて看病して下さった。

彼も研究をしているらしくその都合上でここに来たとか。

そのため彼が研究で疲れたとき、息抜きでこちらに来て俺と会話したりもした。


 その時に聞いてみた。


「マキュベスさん。私を看病した時に傷によく効く薬草とか飲み物とか使いましたか?」


「薬草に関しては、一般的に流通しているものを使いました。確かこの山にもあったものだと思います」


それを聞いて、自分の無知さに恥ずかしくなった。植物を使った研究をしていたのに、一般に流通しているものさえまともに知らないのか、と。

マキュベスさんがそれを笑うことなかったのが幸いであった。


「ちょっとお聞きしたいのですが、傷ってこんなに速く治るものでしょうか?

この薬草の成分が関与する、とか?」


と聞くと、ゆったりしていた彼が少し姿勢を正した。


 なぜこんな質問をしたかというと最後の爆発の後、あれだけ体のいたるところに大きな火傷があったり、節々が痛みを主張していた。しかし、今やほとんど癒えて後もあまり残っていない。

聞くとここに担ぎこんでから大体十日ほどらしい。


 前世であれば、全治一か月以上かかるはずの傷が十日ほどで治ってしまった。

どうしてこんなに速く治ったのかを考えて出した結論は、マキュベスさんが治療の際に薬草っぽいものを貼っていたから、としたがそれについて聞こうと思ったのだ。


 マキュベスさん曰く、


「個人差はありますが……貴方の場合はかなり速い方に分類されますね。

ちょうど良いですね。貴方にお聞きしたいことがあります」


というと、焦点をこちらに合わせてきた。思わずこちらも姿勢を正したくなる。


「この個人差が影響するものと言うのは、魔力によるといわれています。

魔力が多ければ多いほど速く効くと思ってください。

貴方の場合、不自然なほど多い。今まで何かやっていましたか?」


というものだった。


 検証していないが、原因については思いつく。その場面は、ヒフキソウの実験時。

最初は一日に一つのヒフキソウから火を出すだけで精いっぱいだったが、いつの間にか一日何回も違うヒフキソウから火を出すことができていた。

その際に、俺から何かが吸い取られるような感覚があったため俺はそれを魔力と定義したがそれが関わるのだろうか?


 ……ここまでたどり着いたが答えてはいけない。もちろんマキュベスさんのことは信用しているし、恩人だから教えたい気持ちもある。しかし、これまでの失敗のことを考えるとさっきと同じようなことになりかねない。

魔法云々に関してはごまかしようがないし、俺としても心苦しかったから答えてしまったが、今回は俺も確証がない。だから、わからないというポーズをとることにした。


「いえ、何とも……」


といって、首をかしげたポーズをする。ごまかせたかわからなかったが、マキュベスさんは興味を失ったのかすぐにその話題を変えてしまった。若干拍子抜けではあったが心の中ではほっとしていた。


 この会話が療養期間の最終日になった。

翌日には、ほとんどの傷が治っており村に行けるほどになっていたため向かうことになる。

はい、ありがとうございました!

心情描写オンリーと言うのも難しいですね。


ちなみに、どうしてマキュベスがイサマを看病したかについては特に深い理由はなく、治す道具もあったため、目の前で大けがをした人を治したいと思ったからだと思ってください。


細かくは二章でやります。


恒例となりますが、

面白かった! という方がいらっしゃいましたらぜひともブクマ登録とポイント評価をしてくださると助かります。筆者のモチベにもつながります。


また、もしよろしければこの小説の下にある「小説家になろう 勝手にランキング」のリンクを押していただけると幸いです。押していただければ自動的に投票したことになりますので、気の向いたかたはお願いします。これも見てくださる方が増えた要因の一つですので、ぜひともお願いします。


それでは、また明日。

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