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14話~「Battle with fate ① meaning of life」~

前回のあらすじ:盗賊たちが村に来た。イサマたちは避難していたが、彼らに盗賊が襲い掛かる。


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本日の話です。だいぶハードになります。

本当は目を閉じるべきかもしれなかったが、驚きからか凝視してしまう。

両腕で俺の体を抱いてくれ、その口元には笑みを浮かべていたが不釣り合りに鈍く光る赤い液体。

元から白かった肌がより白く輝いていたが徐々に消え始める。

黒くて鈍色の濃い血液と白く輝く色のコントラスト、しかし光が消えてしまうその姿は不謹慎ながら芸術的で、頭に焼印が押されたが如く滲みついてしまう。


「よ、よかった…あなたが無事で」


 そういわれて、ようやく頭と体が動き始めるようになる。

どうして、どうして…


「なんで俺をかばったんだよ!?」


柔らかだった顔は満開になった。まるで、熟しきった花のように……

その場面だけどこか切り取られてしまったようで、少なくとも他のものに目が行くことはなかった。


「母が、息子のことを守るのは当たり前でしょ。……今までごめんね。


何かに一生懸命に取り組む…魔法をするあなたが……大好き……だったよ、イサマ。貴方は生きて頂戴……


…………ありがとう」




 言い切ってしまってから俺を抱きしめる力が弱くなり、ただ肉が重力に従って俺の身体にもたれかかっているだけになった。その現象を認めることはできなかった。

腕を、背中を、頭を、顔を、肩を、どこを触れても寒いままである。



ありえない。なんで……なんでこうなるんだ。どうしてここまでするんだ。


 目から水が流れていたため口にする。

その水はしょっぱくて、苦くて、吐きたくなるような味だが飲むのをやめることはしなかった。

母の姿と同じ場所に脳裏へしみこませるために。


 真に異世界に生きることを決意した。前世のためだけじゃない。自分自身のためじゃない。

この村のために。この人のために。そして、異世界のために。

こいつらを許してなるものか。ぶっ殺してやる。その決意を固める。


「邪魔が入ったが、すぐにお前もママのもとへ送ってやる」


 と、耳障りな笑い声と共に剣を振りかざしていた。ふざけるな。お前らなんかに母の命を無駄にさせてたまるか。もらった命を、預かった使命を、お前らに奪われてたまるものか!?


 ようやく、俺の体が動き出した。嗅覚が異常を訴える。血の匂いと強烈に主張する吐きそうになる肉の匂い。つい周りを見てしまうと……

あの時一緒にサッカーをやった少年は首だけになっており、誘ってくれた少年は袈裟斬りにされていた。そして、あの長老はもはや原形をとどめていないものだった。


 すでに、俺の視覚も、嗅覚も、聴覚も働かなくなってきた。次第にこの状況に慣れてしまったようだ。いや、適応しようと努力しているのだろう。しかし脳は積極的に俺の中の炎を焚く。すでに理不尽を客観的に見ることが可能になっていた。

まずは、ここから脱却することだ。


 ポケットから布を取ってから根に触れて魔法石を起動させてやつらに投げた後、一気に反対方向へ逃げる。

一瞬であったが石に意識を向けてくれたが、再度こちらに向きなおした。

それで十分だ。その瞬間大爆発が起きた。


 小屋も壊れるほどの爆発。

当然俺もその爆風に巻き込まれてしまい、少し吹き飛んでしまったからか転がってしまう。

大爆発からの風が赤く染まっていた。


急いで立ち上がり次弾の準備をしつつ、冷静な頭が告げる。

持っている弾は三つ。

雨の中でも炎や爆発は発生する。


 今いる盗賊たちはあの爆発と小屋が壊れたために埋もらせた。もう彼らは少なくとも戦いはできないはずだ。とどめを刺そうと起動させようとすると、村の方向から何か音が聞こえる。

そうか。まだ盗賊がいる可能性もあるからむやみやたらに使うわけにはいかない。

この距離だと当たらないから、壊した小屋の後ろに隠れつつ相手の様子をうかがう。


 その様子を見ると奴らの仲間がやってきた。先ほど小屋に来た数よりずっと多くおおよそ倍くらいいる。雨のため、見づらいが動揺しているような雰囲気がある。と、その瞬間……


あちらから何か輝く何かが飛んでくる。凝視しているとこちらへ掌より少し大きい火の弾が飛んできた。

急いで小屋へ再度隠れると、火の弾は大きくずれた方向にぶつかった。


 幸いにも奴らはまだこちらへ照準をつけられていない。

が、先ほどの対応で俺の正体はばれている。盗賊の仲間だと認識した相手に火の弾を打つはずがない。

状況はこっちの方が圧倒的に不利。

強いて言うならこちらの手の内はばれてないことか。


 幸い場の利はこちらにあるが村の中で逃げ切れるか、もしくは殺し切れるかとなると微妙。

あたりを見回すと小屋がたくさんがある。

さっきと同様に小屋に奴らを入れてから爆破するというのも悪くないが、どの小屋もあまり大きくない。


 石が三つしかないため奴らを三等分するが、明らかに小屋の許容人数より多い。そうなるとこの作戦はあまりよろしくない。

そもそも、一回でもこの作戦を行ったら相手に警戒させるし手の内をばらす羽目になる。

魔法石が切れた時点で、一人でもアクティブな盗賊が残っているとこちらのチェックメイト。

あまりにも分が悪い。


 かといってそのまま投げたとしても、この規模だと精々十人ぐらいしかダメージを与えられない。さらに、戦闘不能にできるかと言われるとかなり厳しい。全部うまくいったとしても、敵の数はまだ半分以上は残る。


 以上の事実から、まずはここで戦闘するのを避けるべきか。

幸い後ろは森。村よりも森の方が俺にとって絶対的な有利な場だ。

伊達に研究のために毎日潜っていたわけではない。


 問題は、相手が見逃してくれるかそれとも追いかけてくるか。

それによってこちらも対応が変わる。見逃してくれるならそれでよし。今は殺せないが、いずれ奴らを殺せばよい。


 しかしもし追いかけてくるならば、何も小細工せず森へ逃げてしまうとその後ろを炎の弾で攻撃されて致命傷になりかねない。

先ほどの惨状が脳裏に浮かぶが、先ほどと違っていたって冷静であった。一周振り切ったのかもしれない。遅すぎる覚醒だが。


 ここまで考えてから様子をうかがうと、どんどん相手がこちらへ向かっている。

相手の数の利を活かそうとしているのだろうか、俺を包囲しようと動いていた。

このままおちおち待っていると、どんどん不利になる。


 仕方なしにこちらから動くことにした。

彼らの様子をうかがってから、急いで魔法石を起動させそれを小屋の下においてすぐに森の方向へ逃げた。奴らの足もこちらへ向かってきている。



走れ。理論通りなら俺へ追いつけない。

恐れるな。今を生きろ。感情にのまれてはいけない。

頭を使うんだ。母のためにも。



約十秒後、小屋から一気に大爆音が生じた。

奴らもいくらか爆発に巻き込まれているようであり、その影響からか足も止まってしまっており大混乱が起きていた。

肝心の自分はギリギリ届かない場所まで逃げ切れた。

よし、作戦成功。


自分の主戦場となる森の中へ逃げ込むことに成功した。

本日も読んで頂きありがとうございます。

今日は申し訳ないですが、一話にさせていただきます。


恒例となりますが、この小説を読んで心に何か残ったり興味を持ってくださったらぜひともブクマ登録、評価をしていただければ幸いです。

また、もし気が向いて下さった方は下の「小説家になろう 勝手にランキング」のリンクを押していただけると幸いです。押して頂くだけで構いません。


それではまた明日。

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