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異世界転移のバツバツさん  作者: カボチャ
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悪辣の娘

 深い深い地の底で、時の流れに取り残された静謐の中、この化け物は告げたのである。あの変わり果てた骸が私であると。


 何を言われたのか一瞬理解が出来なかったが、なんとなく自分とあの女性を侮辱されたような気になって、激昂してノマの長い銀髪を掴み上げる。ふざけるなよ。


 きっと私は、そこで彼女が意地の悪い笑みを浮かべ、冗談ですよと言ってくれるのを期待したのだ。幻滅はしただろうが、それでもそうであってくれたのであれば、私の心は救われた。そして此処こそが、我が王国の起源を探る為の貴重な史跡に違いないと、嬉々として調査の一つでも命じた事だろう。


 でも、そうはならなかった。私より遥かに強いはずの少女は一切の抵抗をせず、ただこちらを見上げたままに、一筋の涙を流すのだ。やめろ、やめてくれ。嘘を吐いているのだと言ってくれ。



「……ノマ、その本を寄越せ。私が自分の目で確かめる。」



 差し出されたそれを奪うように掴み取って頁を開き、素早く目を走らせる。そこに記されていたのは見慣れた自分の筆跡で、その事実に急激に血の気が引いていくのを感じたが、それでも唇を噛みながら己を奮い立たせ、頁を捲った。


 とても、信じられるような話では無い。信じるに足る根拠が無い。それでも読み進めるうちに呼吸が乱れ、身体の震えが止まらなくなり、歯の根はガチガチと耳障りな音を立てはじめる。やがて立っていられなくなった私はふらりとよろめき、抱き留めてくれたメルのその温かい腕に、この身を預けて首を垂れた。


 ああ、わからない。わからないが、これは私だ。これを書いたのはきっと、ノマと出会わなかった私なのだ。頭ではそれがとんだ戯言であるとわかっているのに、心はその明白に従ってくれず、私の中をグチャグチャに搔き乱していく。くそ、なんだというのだ、いったいこれは。



「ノマさん、状況が見えません。貴方が何を掴んだのか、私達にも話しては頂けないでしょうか。ドロシア様も、それで宜しいですね?」


「……ふん、勝手にせい。」



 メルからのその促しに、銀糸の少女は柄にもなく逡巡したようで、ゆるりと視線を巡らせて私を見つめる。それからメルへと目線を合わせ、赤毛の傭兵とドーマウスの娘の顔色を窺いながら瞳を揺らし、くしゃりくしゃりと頭を掻いた。



「その本はドロシア様……いえ便宜上、『彼女』とお呼びしましょうか。それはその彼女が、今から三十年後に訪れた破局の日に至るまでの日々を書き留めた、日記のようなものでした。避難先であるこの地下室にまでそれを持ちこんでいたのは、きっと自らの行いを後世に伝える事で、何が誤っていたのかを探る為の手掛かりになってくれたら、と。そう願ったのやもしれません。」


「破局の日? おいおいノマ、順繰りに説明してくれよ。聞いててますます意味がわかんなくなってきたぜ。」


「……そうですね、すみません。時系列に沿ってお話をしましょう。事は『彼女』が兄との対立をもはや修復不可能なほどに深めてしまい、ついには内紛によって、王位を奪い取った事から始まりました。この事変によって兄は処刑され、前後する形で前国王も病没。そして前国王派であった司教をも王都から追放し、彼女は国内における地位を盤石なものとしたそうです。」


「……言ってみれば、両殿下がノマちゃんと出会う事無く、新たな選択肢を得て和解に至る事の出来なかった未来。と、言ったところかしら? 笑えないわね。」



 ノマの語りに口を挟む、ドーマウスの娘と傭兵のその言葉に、私も無言で頷いて同意をする。意味がわからないし、笑えない。だが八方塞がりのその末に、業を煮やした私が兄上を廃するという凶行に走った事は、容易に想像の出来る未来でもあった。だからこそ恐ろしい。


 なにせこの本に書かれている『彼女』の行動に対し、私は理解を示す事が出来てしまう。私はこんな考えを持ったりはしないと、こんなものは私では無いと、笑い飛ばす事が出来ないのだ。それがどうしようもなく気持ち悪くて、鳥肌の立った二の腕を掴み、赤く跡が残るほどに爪を立てる。



「……続けさせて頂きます。始まりこそ血塗られたものではありましたが、そこからの『彼女』はまさに、名君と呼ぶに相応しい傑物でした。自国に力が無いことを理解していた彼女は、あえて周辺国家の傘下に入る事で、その中で自らの同調者を増やしていったのです。」


「ドロシア様の、いえ『彼女』の同調者ですか。それはさぞや、大陸中に諸国家を巻き込んだ嵐が吹き荒れたのでしょうね。」


「茶化すな、メル。それとお前が私の事をどう思っているのかについて、今度じっくりと、話し合いの機会を持つ必要がありそうだな?」



 そうガブリと噛みついて返しつつも、背中をさすってくれているメルの腕に遠慮無くもたれかかり、くてりと力を抜いて身を任せる。私が気を病んでいるのを感じてか、少しでも和ませようとしてくれた配慮はありがたいが、しかしすまない。今はとても、そんな気分じゃあない。



「メルカーバさん。『彼女』が傑物であったそのゆえんは、闘争を選択する事無く、それでありながらも理想を成し遂げた事にあります。彼女にはわかっていたのですよ。いつまでも奪い合い、殺し合い、憎み合うばかりでは、文明に発展の余地は残らないと。」


「みんな仲良く手を繋いで、とでも? 子供にすらわかりそうな話であろうとも、実践するとなればそれはとても、困難という言葉では言い現わせるものでは無いでしょうに。」


「ええ、その通りです。それでも人心を掌握する術に長けていた彼女は、人族諸国家を一枚板としてまとめ上げる事に成功しました。そしてその力を以って蛮族を征服するのでは無く、過去のしがらみを捨て共存共栄を果たすべく、双方の指導者層への説得を始めたのです。」



 国家の持つ資源を争いでは無く、発展に向けさせる。それは為政者にとっての理想であり、私が幾度となく夢想しては諦めてきた夢でもあった。この本に残されていた記述を元にしたとしても、到底私にその道筋を歩めるとは思えない。しかしだからこそ憧憬を覚え、そして同時にその最後について、疑問を深めてしまうのだ。


 彼女は優れた王であった。その功績は賞賛をされてしかるべきものであるはずで、そうであるというのに何故、神々はそれを祝福する事無く、無慈悲なる鉄槌を下したのか。わからない。



「彼女の晩年において、その努力は身を結びつつありました。おそらくこの世界において史上初めてとなるであろう、『平和』を目前にした事で自信を深めていた彼女は、化け物との対話を模索する事をすら始めていたのです。そして、終わりは唐突に訪れました。」


「……最後の日の、この記述だな。『山々が火を吐いて、空は黒雲に覆われて永遠に続く夜となった。そして神々の怒りを鎮めるべく、尖塔で祈りを捧げていた私はそれを見たのだ。大地がひび割れてあぎとを成し、そこから無限とも思える炎が噴き出して、大地を飲み込んでいく世の終焉を。』……今一つ想像がつかないが、これは何かの比喩だろうか?」


「いいえ、ドロシア様。おそらくそれは、見たままの事実でしょう。私も詳しいというわけでは無いのですが、破局的噴火という言葉があります。これは地下のマグマが何らかの要因によって一気に地上に噴出するもので、それはしばしば惑星規模の環境変化を引き起こし、生物の大量絶滅を招いてきました。不運といえば不運であったとも言えるでしょうか、しかしこれは、おそらく作為的なものです。」



 ……これまでにも何度か、引っ掛かるものはあった。ノマは時として私達の与り知らぬことを、さも確定した事実であるかのように語るのだ。今も『マグマ』だの『ワクセイ』だのと、聞いたことも無いような言葉を用いてこの私を惑わせる。


 とはいえそうは思いつつも、私は彼女のそれを、虚言を弄する道化師のようなものだと思って楽しんでいた節があった。だが流石に、今回ばかりは笑えない。ノマ、『この世界』とはどういう事だ。お前はいったい、どこから来た?



「……ドロシア様、メルカーバさん、ゼリグ、キティー。これから私がする話は、この世界に生きる貴方達の信仰に対し、唾を吐く行為に他なりません。しかしそれでもどうか、私の話を最後まで聞いて頂きたいのです。私が何を知っていて、どこから来た、何者であるのかを。」


「ふん、ここまで聞かされておきながら、焦らされるというのも虫が好かん。構わん、話してみせい。お前の言う『この世界』の者を代表して、このドロシアが貴様を見極めてやろうでは無いか。皆も、それで構わんな?」



 信仰に唾を吐く。その言葉にメルとドーマウスの娘がぴくりと揺れたが、面倒ごとを言い出す前に機先を制し、話を引き取る。二人とも加護を賜る者としての一家言はあるのだろうが、しかし最上位者である私の決定に、異を唱えない程度の道理は弁えていてくれたようで、不承不承ながらも引いてくれた。



「……ありがとうございます。ではまず始めに、私が察した『彼女』の過ちについて触れておきましょう。ドロシア様、貴方はご自分が何の為に産まれてきたのか、その理由を知っていますか?」


「なんだ、藪から棒に。神学者の真似事でも始めるつもりか? しかも『考えた事はあるか』では無く、『知っているのか』と来たか。まるで自らが神と対話し、世界の真理を授けて貰ったかのような言い草をしおってからに。」


「ええ、その通りです。この世界は巨大な遊戯板であり、そして貴方がた人族も、蛮族も、化け物も、全ては相争う定めを以って生み出され、盤上に配置された駒に過ぎません。だと言うのに、『彼女』はその盤面の動きを止めて、面白みに欠ける平穏を生み出してしまいました。だからきっと、仕切り直しを受けてしまったのです。観測者の手によって。」



 はっきりと、真正面から、侮辱をされた。ノマは私達の信仰どころでは無く、この地に生きとし生ける全ての者と、神々までを侮辱したのだ。私は一人の人間として、その悪逆に怒りを示さなければならない。心臓が早鐘を打ち、目を剥きながらもそれを口にしようとして、しかし何を言って良いのかわからなくなり、忌々し気に舌打ちをする。


 そんな私を知ってか知らずか、彼女はゆるりと上を見上げ、私達が降りてきた分厚い岩盤を視線でなぞった。本当に、大きな岩だ。ノマの力があったからこそアレを掘り抜くような真似も出来たが、そうでも無くば、とても人の力でどうにか出来る代物では無かっただろう。


 それからしばし、彼女は無言のままに頭上を見上げていたが、やがてふるりと身体を震わせて両肩を掻き抱くと、その宝玉のような紅い瞳をこちらへ向けた。



「『彼女』が目にしたという、火を噴く山に、大地から噴き出す炎。それらはおそらく膨大な量の火砕流となって、この王都を襲ったのでしょう。私達の頭上にある岩の層は、その破局の名残に他なりません。そうやって前回の盤面はその全てが燃え尽き、埋まり、そして新たな『あなた達』が配置されたのです。」


「…………ノマ、お前を話のわかる変わり者の化け物だとは、もはや思わん。お前は、何者だ? まさか今さら、神々から啓示を受けた聖女であるなどとは言うまいな?」



 切り込んだ私に対し、銀糸の少女は揺れ動く瞳を向けて、それからまるで顔色を窺うようにして、ドーマウスの娘と赤毛の傭兵へと視線を合わせた。そこから読み取れる、親しい者にすら偽りを見せていたという悲しみと後悔の色に、ほんの少しばかり安堵をする。


 ノマはよくわからない言葉を口にするが、何を考えているのかはわかりやすいのだ。彼女はけっして悪意を持って、私達を嘲笑う為に顕現した邪悪では無い。その事に確証を得ることが出来ただけ、まだしも救いというものを見い出す事が出来た。もっともその救いは、これから打ち砕かれるのかも知れないが。



「……そうですね。私も正直、これをどうお伝えしたら良いのはわかりません。ですが最早、信じては貰えないだろうという安易な諦めの上に、胡坐をかいている場合では無いでしょう。私は、この世界の大地、海、空のいずれとも繋がらない、隔絶された異なる地でかつてを生き、そして死んだ人間でした。その地の名を、地球と呼びます。」


「昔は人間だったってーのは、前にもお前から聞いた話だったな、そういえば。だけどその、『チキュウ』? ってのの話は初耳だ。どうして今まで黙ってた?」


「地球で死んだ私が、何故にこうしてあなた方の目の前にいるのか。それを語るにはどうしても、とある男について触れる必要があったからです。そしてその事こそが、私が『信仰に唾を吐く』といった最大の要因であり、今日まで多くを語る事を良しとしなかった理由でした。」


「死者を蘇らせるなどと、それはまさしく神の御業に他ならない。ノマちゃん、貴方の言う『男』とは偉大なる五色の神の一柱であり、そこで貴方は神々の意思を聞いた。つまり、そういう事なのかしら?」


「ええ、概ねはその通りです。しかし今にして思えば、それは正確では無いでしょう。『無貌の神』を名乗ったあの男が神仏の類である事は確かでしょうが、それがそのまま、この地の神の一柱であるというわけではありません。おそらくあの男は、演じているのです。人間の崇拝する『白の神』を、そして同時に化け物達を世に生み出した。『混沌』なる邪神の姿をも。」



 付き合いも長いというドーマウスの娘と赤毛の言葉に、彼女はよどみなく答えていく。それは事実であるのだとすれば、まさに天地をもひっくり返すような驚天動地に他ならず、十数年に渡って私が積み上げてきた、世の理というものを打ち砕くにはあまりにも過ぎる話であった。


 皆の様子を窺ってみれば、赤毛は不服そうな顔をして首を傾げ、メルとドーマウスの娘はその表情に、明らかに苛立ちを浮かべて唇を噛んでいる。それを受けてか銀糸の娘も、悲し気に眉を下げて一拍置いたが、それでもまだ話は終わっていないとばかりに口を開いた。



「彼は言いました。手慰みに一つ、世界を作ったのだと。ですがその遊びにも些かばかり飽きが来たので、私という異物に力を与えて送り込む事で、変化という名の波紋を起こしたいのだと。私は、一度は自分が死んだことを受け入れました。ですがそうであるというのに、目の前に差し出されたその誘いを前にして、生への執着を思い出してしまったのです。愚かな事に。」


「そうやって、お前はこの地にやってきた、って事か? じゃあアタシがお前を山の中で見つけたってぇのは、妙な変事に巻き込まれたってわけでも無く……。」


「ご明察。あの山中こそが、新たな生を得た私が最初に現出した場所であったのです。どうもその節は、ご迷惑をおかけいたしまして。」


「……ま、気にすんなよ。今この瞬間にお前が撒き散らしてる、胡散臭いこの世の真実に比べればあんな程度、迷惑の内にも入んねーよ。」



 赤毛がことさら大仰に、肩を竦めながらおどけて言って、ノマもそれを見て力無く笑った。正直に言えば私はけっして、彼女の言葉の全てを信じるというわけでは無い。いや、そんな事を信じてしまって堪るものかという、反骨の意思がそうさせていると言っても過言では無いだろう。


 しかしその場合、私達は別の回答を見つけなければならないのだ。過去の何が原因となって、この地下室が分厚い岩盤の底に埋まったのか。そこに眠っていた、この遺体の主は何者であって、何故に私の名が記された書物を手にしていたのか。そして何よりも、『ノマ』とは何者であるのかを。


 それに結論を出す為には、長きに渡る議論を必要とするだろう。しかし得られた答えが誤りであろうと無かろうと、三十年の後に、この正体不明の災厄が起こらないという保証は無い。そしてそれが起きたならば、『彼女』の姿はそっくりそのまま、未来における私の最後と重なるのだ。こんなにも禍々しい現実を伴った、不吉な予言があるだろうか。



「……ドロシア様、私は決めました。共にこの国を支えて育て、世界に覇を唱えようという貴方のお誘い、全面的に受け入れさせて頂く所存です。きっとその過程において様々な騒乱が巻き起こり、人族も蛮族も化け物も、傷つき倒れていく事でしょう。しかしそうして私達が見世物としての役目を果たす限り、世界の明日は保証されていくのです。」


「……誘いをかけた私が言うのも何だが、悪辣だな貴様は。自分達さえ良ければ他がどう傷つこうとも構わないと、そう言うのだな?」


「やむを得ません。大を生かすために、小を犠牲とする。ドロシア様も国という組織の上部に居られる御方なれば、心得たものでございましょう? そうで無ければいずれにせよ、世界は再び焦熱の下に沈むのですから。いえそれどころか、一度は飽きられたこの世界です。私が期待通りの働きを示せなかったとくれば、『次』はもっと早く、やってくるのかもしれません。」


「…………そうか。私も少し、考えを整理したい。何より何時までもこんなところに居たのでは、気も滅入ってしまおうというものよ。上に戻るぞ、メル。それと何か、温かい飲み物を淹れてくれ。ここは……そうだな、ひどく寒い。」



 踵を返す形で視線を外し、私を目で追ったメルと新入り二人に対し、顎をしゃくって指図をする。強引に話を打ち切る形にはなってしまったが、しかしノマはそれを咎めるでもなく、素直に私の言へと従ってくれた。


 するすると銀色の蔦になって伸びる彼女の髪が、くり抜かれた岩盤を伝ってさらに伸び上がり、縦横に網目を作って張り巡らされる。足場どころか万が一落ちた際に、身体が引っ掛かるように工夫を施されたそれを見て、これがつい今しがた冷酷な決断をした悪鬼であるのかと、少しばかり可笑しくなった。気が利く娘だ、やっぱり惜しいな。喧嘩別れはしたくない。



「……これだけは言わせてください。例えあなた方が死を望もうとも、私は私の望む身勝手な平穏の為に、あなた方を生かします。私は人の命に価値をつけ、取捨選択をして、自分にとって必要の無い存在を切り捨てるのです。否は、言わせません。」



 メルに手を貸して貰って足をかけ、蔦をよじ登る私の背中に、震えの混じった声がかけられる。その酷く利己的でよこしまな願いを前に、私は振り向きもせずに、こう言ってやったのである。



「おいノマ、凶賊を気取りたいのであれば、まずはそのみっともなく泣き腫らした顔を、洗ってから出直してこい。そんな悲壮な顔をして、人を脅す悪党がいるものかよ。たわけが。」



 言うだけ言って返事も待たず、腕を動かす私の背中に最後に聞こえてきたものは、小さな小さな、嗚咽だった。






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― 新着の感想 ―
[一言] こんな壮大な話になるとは 普通のドタバタコメディ作品かと思って油断してたぜ
[一言] ノマちゃんかわいそう……涙ぺろぺろしたい…………
[一言] SAN値が削れてゆく…一般的な邪神とかが出てくる作品なら勇者パーティが旅だって打ち滅ぼしてハッピーエンドなんでしょうけど… 相手が相手ですもんねぇ
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