ゴブリンマーチャント・リーナヴォルスク
「バ~ル~バ~ラ~!!!あんた!あの人族共を逃がしたって何考えてんのよ!!!」
「うおっ!?なんだよリーナ。軍議の最中に勝手に入ってくんなって。」
ばさりと天幕を跳ね上げて、長机の上座に鎮座する族長殿に食って掛かるアタシの事を、周囲のオーク達が迷惑そうにじろりと見るがそんなもんは知ったこっちゃねー!!!
今アタシは怒っているのだ!勝手な事をしやがって!この未来の大商人、若手ゴブリン期待の星であるリーナヴォルスク様の遠大な計画に傷がついたらどうしてくれるのだ!!!
だしだしと地団太を踏み、烈火の如く怒り狂いながらビシっと指を突きつけてやるものの、我が親友にして幼馴染の大女、炎狼氏族の現族長であるバルバラの奴ときたら何を怒られているのかわからないといった顔でぼかんと阿呆面を晒すばかり。
それがまた憎たらしくて堪らない!おいこらぁ!アタシの話聞いてんのかっ!!!
「客人。いくらお嬢のご友人とはいえ、立場は弁えて頂かなくては困りますぞ。」
「うっさい!アタシはお前らのパトロンだぞ!資金を引き揚げられたく無かったら引っ込んでろ!!!」
族長付きの側近達が苦言を呈すが、アタシは小さな手足を振り回しながらそれを一喝して黙らせる。
己の倍以上の体躯を持ったオークであろうと、現状で資源と資金の生命線であるこのリーナヴォルスク様には逆らえないのだ!ふふーん!
「あ~、なんかわかんねーけどよ。俺がお前にとって都合の悪い事をしたってんなら謝るよ。ごめんなリーナ。だからそんな怖い顔すんなって、可愛い顔が台無しじゃねーか。」
「嫌味ですか!?アタシみたいなチンチクリンよりエルフの血を引くあんたの方がよっぽど綺麗な顔をしてる癖に!ちょっと!勝手に触らないで下さいよ!!!」
申し訳なさそうに眉を下げつつ、アタシの頬を撫でようとした彼女の腕を、ばしりと強く跳ねのける。
燃え盛るような赤髪を持つ浅黒い肌の大女はそれを見てますます眉根を下げるものの、けれども抵抗は許さないと言わんばかりにその腕力でもって暴れるアタシを強引に押さえ込み、小さなアタシは子供のように、彼女の腕の中にすっぽりと収まってしまった。
ムカツク!子供の頃はアタシのほうが身体も大きくてお姉さんだったのに、バルバラだって小さくて泣き虫で、抱きしめたら折れてしまいそうな小さな女の子だったのに、いつの間にやらアタシ達の間にはこんなにも大きな差が出来てしまったのだ。その事が悔しくて、思わず涙が零れそうになる。
彼女の如何にも大人の女性といった風情の端正な顔が、申し訳なさそうにへにょりと歪む。今にも泣き出しそうに下がった目尻はあの頃の泣き虫にそっくりで、商談の為にオークの里へ出入りする親父殿の後ろにくっついていたアタシと二人、遊びに抜け出して転げ回った子供時代を否が応にも思い起こさせた。
それがまたアタシの苛立ちを助長させるのだ。バルバラはこんなにも背が高くて綺麗になったのに、アタシはゴブリンという種族が故か、あの頃とほとんど変わらないチンチクリンのまま。ホントムカツク!!!
「んな事言われたってなー、顔はどうしようもねえだろう。大体にして俺らオークがエルフから枝分かれしたってのは何百年、何千年前だかわかんねーような大昔の話だっていうし、エルフの血を引くなんて言われても実感わかねーよ。っていうか暴れるなって、落ち着けよ、ほら。」
「ええいうっさい!これが落ち着いていられますか!あんた自分が何をしたのかわかってんですか!!?」
離せ離せと言わんばかりにいっそう手足をバタつかせるが、圧倒的に体格で劣る、小さく非力な私ではとてもオークには敵わない。
まして相手は族長を引き継ぐ前から勇士の称号を持つ、一族最強の戦士と名高いバルバラだ。がっちりと抱き留められた身体は腕の一本も動かせず、アタシはもぞもぞと小さな身じろぎをするばかり。
千年前に悪神の誘いに乗って森を捨て、堕落したエルフ達の末裔であるというのに彼女のその美貌は損なわれる事が無かったようで、なんとも羨ましい限りである、畜生。小綺麗な顔のまま身体ばっかりムキムキ立派になりやがって、畜生。
そのうちに抵抗を諦めたアタシはだらりと腕を下げ降ろし、その代わりに彼女の綺麗なお顔を力いっぱい睨みつけてやった。がるる~~。
「何をしたって……あの人族の旅芸人の事だろう?すごかったぜー!あいつら!特にあの金髪の若い女なんかよ!俺の頭の上に乗せた果実を遠距離から短剣で見事に射抜いてみせてよー!かーっ!思い出したらもう一回見たくなってきたぜ!!!」
「だからあんたは脳筋馬鹿だって言ってるんですよ!ただの旅芸人が!それもこのタイミングで人族がこそこそとアタシらの周囲を嗅ぎ回るなんて密偵以外の何者でも無いでしょうか!?そのでっかい図体には何が詰まってるんですか!この!この!この!!!」
バルバラの言い草にかっちーんときて、少し緩んだ拘束から片腕を出してその固い腹筋をぼすぼすと殴りつけてやる。なんら堪えた様子を見せない彼女の様子によりいっそう腹を立て、力いっぱいどすりと強く殴りつけてやれば、アタシの拳はぐきりと嫌な音を立ててひん曲がった。いたひ。
「いやまあ、お前の言うとおりかもしれねーけどよー。でもあいつら子供の玩具みたいな小さな刃物しか持ってなかったし、何より戦う意思を見せなかったんだぜ。戦士じゃねー奴は殺せねーよ。」
「あんたらオークの基準で危険度を語るんじゃねーですよ!アタシから見たら刃物持ってるってだけで十分脅威なんですよ脅威!だいたい戦士じゃないから殺せないって、ならせめて捕らえて閉じ込めるとかしておけばよかったじゃあないですか!!!」
「んでもなー、密偵の可能性くらい俺だって気づいてたんだぜ?だからこそ、果たし状を託すには尚更良い相手だと思ってな。だってほら、人族のお偉いさんから送り込まれた連中だっていうのなら確実に書状を届けて貰えるじゃねーか。」
こ、こいつ、親父さんから族長の座を受け継いだばかりで、新族長としての威信を示して自分が族長の地位に相応しい事を知らしめる為の戦場が欲しいって言うもんだから、先日の化け物騒ぎで混乱してるであろう王国に目をつけて色々と手配をしてやったアタシの心配りを全然わかってねー!!!
あのはぐれの化け物騒ぎにおいては、アタシ達ゴブリン商人も見返りに対する危険が割に合わないと街道の移動を断念していたくらいだったのだ。それが貧弱な人族共であるなら尚更の事。
北方にいたアタシは蛮族領内で物と金を回せば良いだけだったが、騒ぎの震源地である王国の受けた混乱はきっと計り知れないものだったはずである。
人族もその意地を見せたのか、化け物騒ぎは早々に終結を迎えたようだがおそらく王国の連中はその為に相当な犠牲を払ったはず。国境沿いに留まっている諸侯軍から戦力を抽出しなかったのは予想外だったが、王都に残していた兵力はきっと既にズタボロだろう。
王都の兵力は大きな損害を被って立て直しに時間がかかる、そしてその為に必要な人と物の流れは未だ回復の途上にある。とくれば、バルバラ達を差し向けて殴りつけてやるには今が絶好の好機であったのだ。そう、好機であったはずなのだ。
それをだなぁ!未だに陣を前進させない事といい!これから潰してやろうって相手に馬鹿正直に果たし状なんて送り付けてやる事といい!態勢を整えさせる時間を与えてどーすんだよ馬鹿!この馬鹿!脳筋女!!!
「いやー、リーナに教えて貰った交易共通語が役に立ったぜ。読み書きなんてめんどくせーと思ってたけど、やっぱり芸は身を助けるってのは良く言ったもんだよなあ。」
「アタシはこんな馬鹿をさせる為に、あんたに交易語を教えてやったわけじゃないんですけどね!偉くても学の無い奴は下の連中から馬鹿にされるってあんたが気にしてたもんだから、アタシはわざわざですねー!」
「まあそう言うなって。リーナの交易語はすげー流暢だしさ、教え方も丁寧だったし、そのおかげで俺みたいな馬鹿にもしっかり交易語の書状を書くことが出来たんだぜ?」
「ま、まあ当然ですね!商売の基本は信用です!親父殿達は迂闊に顔を晒さないとか言っていつも覆面を被ってますし言葉だって片言ですけど、新時代の主役であるこのリーナヴォルスク様はそういう古い慣習を破ってなんぼなのです!顔も晒さない者が相手に信用して貰えますかってんだ!!!」
そうとも!このリーナヴォルスク様こそが!新しいゴブリン商人の常識というものをこれから作っていくのです!!!
親父殿達は古くからのしきたりにはそれ相応の理由があり、何故そのようなしきたりが出来たのかを考えてみろだなんて小言ばかり言ってましたが、あれはきっと古い慣習に囚われずに自由な発想が出来るこのアタシへの嫉妬に決まっています。
なんたって、新しい時代はいつだって若者が作るものと決まっているのですから!
すげーなー。やっぱリーナはすげーなー。などと言われつつ、なでりこなでりこと頭を撫でられてご機嫌のアタシはムフーっと一つ息を吐き、そして身体をくるりと回されて出入り口に向かって背中を押されて……。
「って誤魔化すなあ!!!バルバラ!あんたわざわざ人族共に態勢を整える時間をくれてやるって何がしたいんですか!?人族国家への勝利をもって威信を示し、親父さんに自分はもう立派に族長をやっていけると示したいんじゃあ無かったんですか!!?」
「リーナ、そいつはちょいと違うな。俺達が望むのは勝利じゃない、望むのは戦士として死力を尽くして戦う事のできる、最高の戦場なのさ。そりゃあ勝てるに越したことは無いが、碌に反撃もしてこないような相手を叩きのめしたって何の自慢にもなりゃしねえ。」
ぐぐぐ、バルバラとは長い付き合いだがやっぱりオークのこういうところは理解出来ない。楽して実利を得ようとする事のどこが間違っているというのだ。戦士としての誇りだの矜持だのと、そんなものはただの自己満足に過ぎないじゃないか、銅貨一枚にだってなりゃしない。
大体、それであんた自身が危険に晒される破目に陥ったらどうするつもりなのだ。あんたにとっては口にしているとおり、死力を尽くして矢尽き剣が折れるまで戦う事になろうともそれは本望なのかもしれないが、心配する者がいる事を、残される者がいる事をこいつはちっとも考えちゃあいない。ホントにムカツク!
というかこいつ、もしかしてアタシが手助けしてやる見返りに突き付けてやった条件を忘れてるんじゃあないだろうな……。
「……バルバラ、勝利を望んでいないって、アタシがあんたに協力してやる代わりに求めた事、まさか忘れてるとか言わないでしょうね?」
「もちろん覚えてるさ。俺達がお前に支払う対価は勝利。王国の戦士達と堂々戦って勝利を収めてやれば良いんだろう?もちろん俺達は勝つさ、任せておけって。」
「ふん、覚えているなら良いのです。いいですか!その筋肉しか詰まっていないようなオツムにもう一回叩きこんでやりますが、この戦いはバルバラ!あんたにとっては族長としての威信を示す場であり、そしてアタシにとっても大商人になる為の第一歩であるのですよ!?」
バルバラに身体を押さえつけられたまま、アタシは身振り手振りで約束の事を強調する。まあ彼女がアタシを頼ってくれた時点で元より断る気も無かったのだが、だからといって未来の大商人たるこのアタシがなんの利益も見込まずに手を貸してやるなどとありえない。
そう、これは投資なのである。アタシが大商人としての未来に向かって羽ばたく為の投資であるからこそ、アタシはオーク共の為に格安で物資を手配し、資金だって貸し付けてやったのだから。
全てアタシの為、アタシの未来の為なのだ!決してバルバラがアタシを頼りにしてくれた事が嬉しくて舞い上がってしまった訳じゃあないのだ!!!
「よーく聞きなさい!この戦いで王国に対して打撃を与え、アタシはそれによって王国が弱っており、侵攻するに好機である旨をデーモン共の、あの辺境伯家に対して売り込みます。先日に当主が討ち取られてしまってからすっかり鳴りを潜めているあの家も、復讐の好機と見てきっと動き出す事でしょう。」
「そしてお前は軍備を整えようとする辺境伯家にそのまま物資を売り込んで、その開拓した取引先に対し、専属の御用商人として自分を売り込む、と。そういう話だろう?ちゃんとわかってるって。」
「わかっているのなら、まずこちらが大勝利する事が前提なのもわかるでしょう!?辛勝じゃあ駄目なんですよ!大勝利じゃないと駄目なんです!王国軍の連中を完膚なきまでに叩き潰して戦力を削いでやらないとね!!!」
そうだ!大勝利じゃないといけないのだ!そしてその成果を持ってアタシは情報と物資を転がして、デーモン共の、魔王国辺境伯家の御用商人として取り入って大商人となり、アタシの事を子供の浅知恵と侮った親父殿達を見返してやるのだ!!!
それをこの脳筋女は!せっかく王国側に感づかれないように蛮族領内で慎重に物資を運び込んでいたっていうのに、このままならがっつり奇襲が仕掛けられそうだったのにそれを台無しにしやがってぐぎぎぎぎ~~~!
いかん、思考が一周して怒りが元に戻ってきた。むっきー!!!
「あ~~!!!そうだ!バルバラぁ!あんた捕らえた人族たちの前で、デーモン共の横槍は許さないって誓いを立ててたそうじゃないですか!アタシの計画に影響が出たりしないでしょうねそれ!!?」
「横槍を許さないってのは、あくまでもこの戦いにおいての話だから心配すんなって。俺達は戦って、勝利し、凱旋する。その後にデーモンの連中が何をしようと俺達には関係無いさ。まあ、デーモン共が立派に戦った戦士の名誉を踏みにじるような真似をしようとするなら話は別だけどな。」
ぐぐぐ、心配だ。とりあえずはバルバラが勝手に立てた誓いの影響はこの戦いにおいては無いようだが、問題はその後である。
アタシがデーモン共の操縦に失敗して連中が無体な真似を働くような事があれば、バルバラはまた戦士の名誉だの誇りだのと訳の分からんことを言い出して介入しようとするだろう。そしてアタシにその流れを止めるような力は無い。
勝手に戦場に乗り込んで暴れだすオーク共が目に見える様で、思わず頭を抱えてよろめいてしまう。あんたこちらの計画の事を本当にわかってんのかと怒鳴るアタシに向かい、きっとバルバラはこう言うのだろう。お前の大商人になるっていう夢は必ず果たさせてやるから、今は気にすんなと。
その時アタシは上手くその流れを乗りこなし、自分の利益を掴み取る事を要求されるはずである。場合によってはデーモン共を当て馬にして王国に物資を流す事も已む無しか。計画に柔軟性を持たせて如何様にも立ち回れるよう、今の内から検討しておくべきだろう。
くっそー!あんた達がアタシの言う通りにちゃんと動きさえすれば、アタシの計画は何もかも完璧だってのに!どいつもこいつも大した頭も持って無い癖に勝手に動き回りやがって!天才であるアタシの言う事だけを大人しく聞いてればいいんだよ!くそっくそっくそっ!
ぎりぎりと爪を噛みながら頭を回転させるが、今の時点で良い方策は見えてこない。まずはこの戦いに勝利してから各勢力の動きを見つつ、立ち回りを考えるしか無いだろう。ぐぬぬ。
「まー、いつまでもそうカッカするなって、リーナ。大丈夫だよ、お前は資金も物資も手配してくれて最高の仕事をしてくれたんだ。後は俺達に任せておけって。」
「誰のせいで腹を立てていると思ってるんですか!あ、こら!だから勝手に触るなって!子供みたいに持ち上げるんじゃあない!!!」
じたばたと暴れてみるが、抵抗むなしく脇の下に手のひらを差し込まれ、ひょいっと持ち上げられたアタシの身体はバルバラの膝の上にぽすんと小さく収まってしまう。これでは本当にまるっきり子供のようで、羞恥に染まった私の顔は怒り狂った子猫のように激しく歪んだ。
たまらず大声をあげて怒鳴りつけてやろうとしたのだが、次の瞬間には彼女の太い指がアタシの唇をこじ開けて口内を弄りまわし、短い舌をつまみ上げると外に向かって引っ張り出して、アタシの舌が冷たい外気に晒される。
無様に開いたままの口の端から飲み込み切れなかった唾液がとろりと垂れて糸を引き、なおも口内を嬲り続けるバルバラの指にまとわりついて、それは彼女の指先を怪しい毒蟲のように、とろとろと濡らして湿らせた。
「心配しなくたって俺は勝つさ。今までだってずっとそうだっただろう?俺が負けたらリーナ、お前の身が危険に晒されちまう。赤の神にご覧じて頂く為の正々堂々とした戦いだけは譲れないけどよ、俺にはその誓いと同じくらい、お前の事も大事なんだよ。」
「いひゅも、こまっひゃらひょんな事いっひぇ誤魔化ひょうとするんだひゃら、うひゅいっ!?」
「そんで、お前の大商人になるって夢も、絶対に俺が叶えてやる。最短でとは行かないかもしれねえけどよ、俺は絶対にお前を裏切らない。神に誓ってもいい。約束してやる。」
くそ、こいつはいつもこうだ!口先ではアタシに勝てないもんだから、こうやって腕力に訴え出てアタシの事をいっつも無理やりに押さえつけやがる。
くそっくそっくそっ!ふざけやがって!このリーナヴォルスク様を舐めやがって!アタシを軽く見やがって!!!
吐いてやろうとした暴言は掠れるばかりで言葉にならず、ならばと噛みついてやろうとしたのだが彼女の指によって無理やりにこじ開けられた顎はピクリとも動かせない。
そうこうしている内にも彼女はアタシの小さな体に覆いかぶさるようにして、無理やりに引っ張り出された短い舌を捏ね回して弄び、空いたもう片方の手でアタシの長い耳の内側を、カリカリと引っかいてはくすぐってみせるのだ。
悔しい。アタシは非力だ、こいつに何をされたって抵抗など出来やしない。結局アタシは、バルバラに良いように利用されてしまうしかないのだろうか。興奮のあまりに涙が零れそうになる。
やがてアタシの耳を嬲っていたその手が下がり、細い足首を撫でまわしたかと思うと薄く肉のついたふくらはぎに沿って這い上がり、そして太ももの内側に潜り込んで、そして……そして…………あ。
「お嬢、客人とお楽しみの所申し訳ございませんが、今は軍議の最中です故、そういった情事は後にして頂けますと……。」
…………うっさいな!!!今いいところなんだよ!!!邪魔すんな!!!!!
「ん、あ、わりぃわりぃ。んじゃあリーナ、俺いまは忙しい所なんでさ、ちょっと下がって待っててくれよ。」
そう言って、バルバラの奴は再びアタシの事をひょいと持ち上げると地面の上にぺたりと下ろし、また後でなとひらひら手を振って……。
「ふっざけんなぁ!!!サイッテーー!!!!!」
ばっちーん!!!と、アタシは手首に捻りを加えながら、何事も無かったかのような顔をして軍議に戻ろうとする馬鹿女の横っ面を、思いっきりひっぱたいてやったのだった。
くそ、もうこんな奴知るか!自分の天幕に戻って、そんで湯浴みをして身綺麗にして、待っててやるくらいしかしてやらないからな!!!このクソ馬鹿!!!!!
聞きかじりの知識ですが、見慣れた豚面のオークというものはTRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」から始まったものだそうです。
本作においてはバルバラの外見を美しい女性にしたかった為、指輪物語の闇堕ちエルフがオークになるという設定からネタを取って実質的にダークエルフのような扱いにしてみました。
理由はイチャイチャさせたかったからです。
また、リーナヴォルスクについてもロールプレイングゲームで見かけるようなモンスターとしてのゴブリンでは無く、外見を可愛い女の子にしたかった為に民間伝承に存在する土着の邪妖精としてのゴブリンからイメージを取ってみました。
理由はイチャイチャさせたかったからです。
そんな彼女達が知恵と勇気を振り絞り、不条理の塊である銀髪娘との戦いに挑みます。(予定)




