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その4:今日は一つ屋根の下、君の余分な肉がうっとうしいね。

後書き参照。

「そうですよねー。そりゃ帰りますよねー」


 純情ボーイズを真っ黒な俺色に染めつつ、警察の手を逃れ逃げていた数時間。

 どうやら芳美はその間に痺れを切らして帰ってしまったようだ。当然といえば当然だが、なんだかやり残した感じが拭えない。


「ういー。寒っ」


 そろそろ秋も本格到来で、肌寒くなってきた外気の中を、パンツ一丁でゲヘヘとか言いながら走り回っていたのだから当たり前だおい今馬鹿は風邪ひかないとか言ったやつちょっと表へ出ろ。


「って、ん? 美紅はまだいんのか。そろそろ頭痛も治ったろうに、何してんだ?」


 玄関に美紅の靴がまだ残っていたので疑問に思う。あ、いや、なるほど。そうか、そういうことだったのか。


「ついに自分に素直になって『私、気づいたんです。この汚らわしい体と心を、高貴な伊織様の下僕にしていただきたいということに……!』と思ったわけかなるほどなるほど……」


 バッ!!

 …………。

 …………?


「衝撃が来ない……だと?」


 いつもならここでたとえ現場にいようがいまいが人外な力量を以ってしてのツッコミが来るはずなのだが、それが来ないとはいかなることか。


「とりあえず部屋に戻ってみるか」


 てくてくてく。

 というわけで俺の部屋の前。

 ……本当に?


「な、なんなんだこの妖気、というか邪気、というか。完全な紫暗色の負のオーラが扉から漏れ出している……。俺部屋に貧乏神とか飼ってたっけ?」


 すると方程式的に美紅が貧乏神となるわけだが。


「こいつはなんかやばい香りがするぜ……。とりあえずパンツケツに食い込ませておくか」


 クイッ。


「よし、完璧だ」


 自慢のヒップラインが露わになったぜプアーゴッド(注:貧乏神)。どうだ? 意味もなくテンションがあがってくるだろう?


「…………」


 扉閉口。沈黙鎮座。もー、お堅い扉ちゃんだこと。


「……割り箸あったっけなぁ」


 たったった……。

 ……たったった。


「ふぅ、あったぜ。まず、この割り箸を、食い込ませたパンツにクロスするようにしておしりとパンツの間に挟みます。みてろよぉ、いくぜぇ、ふんっ!」


 ばきっ!

 ちくっ!


「いってぇぇぇぇ! ケツに! 主にケツの穴あたりにギザギザの断面がぁぁぁぁ!」


 …………。


「あー、なんだよ。美紅、いんだろ? どうしたんだよ」


 …………。


「あーっと、入るぞー?」


 ガチャッ。


「うおっ、ケツから勾玉!」


 思わずみょうちくりんなことを叫んでしまうくらいの禍々しいオーラがもわっと! いんちきおじさんは登場しません!


「オーラのもやで前がみえねぇ、って美紅!? どうした!?」

「ううぅ…………」


 なんとかベッドまでたどり着くと、そこには枯れたヒマワリよろしくうつ伏せに沈んでいる美紅の姿がっ!


「何があった!? もしかして頭痛薬が実は下剤だったとかいうオチか!?」


 あまりにも美紅が沈んでいるためキレの悪いボケが口から出てしまう。

 とまぁ、そんなことはどうでもよくて、美紅はうつ伏せのままテーブルの上を指差す。


「これは……手紙?」


 ちょいと中身を拝見。


『高校のときの部活の人たちから召集されたので、ちょっと飲みに行ってきます♪

 美紅ちゃん確か鍵持ってたよね? それで家に入ってね☆

 帰りはもしかしたら明日になっちゃうかも……。もう、美紅ちゃん、ママがいないからって泣かないの!

 夕飯は冷蔵庫の中にあるものを適当に料理して食べてね!

 じゃ、いってきま〜す♪   美紅ちゃんの大好きなママより』


 ……把握。

 

「美紅、この手紙はどこで?」

「……家の玄関前に落ちてた」

「一回帰ったのか?」

「……うん。頭痛も引いたからあんたにお礼を言ってから帰ろうとしたんだけど、あんたいなかったから……、ってそういえばあんたどこ行ってたの?」

「ちょっとエデンまで」

「なるほど警察署ね。あんた今度は何やらかしたのよ?」


 どういう解読能力持ってるんだよ。しかも警察署行ってないし。


「まぁいいわ。それで家に帰ったんだけど、そしたらこれが落ちてて……」


 言って顔のたてじまが増える美紅。あれ? そういやさっきの手紙に確か……。


「おまえ鍵持ってんじゃないのかよ?」

「今日に限って家に忘れてきた……」

「アホだなぁ〜」

「そうだよアホだよ。それがどうしたアホだよ」


 あまりにも気分が落ち込んで逆にノリがよくなっている幼馴染の図。


「それでここに帰ってきた、と」

「な、何よ。帰ってきちゃいけなかったっていうの? こんなか弱い女の子を外で凍え死にさせる気?」

「いや、今日家、俺以外誰もいないからさぁ」

「ほぇっ!? じゃ、じゃぁ、その、ふ、ふふふふ二人っきりってこここここ」


 ぼんっ。

 真っ赤になった顔から湯気を出しながら固まる美紅。

 さてさて、何をそんなに恥ずかしがっているのやら。と、そういえば。


「美紅」

「(ぷしゅーー)」

「おい、美紅ー」

「(ぷしゅーー)」

「……ボーカロイド、初音美紅」

「何か言った?」


 さすがツッコミのタイミングだけは忘れない。


「おまえ俺ん家から出るとき芳美と会わなかったか?」

「芳美? 誰よ、それ」

「蒲原」

「蒲原……? あー、委員長ね。会ってないわよ。って待って。なんでここで蒲原さんの名前が出てくるのよ」

「実はさっきまで(俺が)裸でお付き合いしてた」

「はっ!? あああんたそれどういう意味……!」


 なんだかギャーギャー喚いてる美紅は放っておくとして。

 すると芳美は俺が出て行ってすぐにここを後にしたってわけか。ふむふむ、以外と節操ないやつなのかなぁ。

 さて、当面の問題は今晩どうするかって話か。

 晩御飯はたぶん適当に冷蔵庫から漁ってくれば大丈夫だろうし、寝る場所は俺と美紅が一つベッドの上で寝れば一切何の問題もこれっぽっちもないし、風呂入ったあとの着替えは俺の大きめのワイシャツ一枚貸してやれば俺の目の保養的にも十分だろうし、あとは……。


「変なこと考えながら無視すなーーー!!!」


 バキッ!

 ぐへっ。

 ……どうやら強制シャットダウンの時間が急遽到来した模様です。それでは皆様、また後で……。

さぁ一ヶ月くらい空いてしまいました。

皆さん元気にお過ごしですか? 僕は脳みそ的には元気です。

センター試験までついに一ヶ月を切りました。ここにきてやる気がまったく出ません。落ちたかもしれません。

まぁいつかやる気が出ることを祈って、残りの日数をのんびりとすごすことにしましょうか。

それでは皆さんまた次回で。

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