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その3:よしこさんよしこさん。ここにまだこんなにほこりが溜まっぐふっ。

新キャラ登場の予感。

「すぅ……」


 さて、あれから一悶着あって、一段落して、美紅が眠りについたというのが現在です。

 しかし、この女、いくら幼馴染とはいえ、他人の、しかも男子の部屋のベッドですやすやと眠ろうとは、警戒心がないにもほどがある。いくらおれがむりやり寝かしつけようとして反抗したから睡眠薬飲ませて眠らせたからといって、あまりにも無防備だ全部嘘である。

 いや、だけど、本当にこれはいじられても文句いえねぇ状況だよなぁ。


「……伊織ぃ……むにゃむにゃ……」


 ……いじらねぇけどさ。

 よし、美紅が寝てる間に日課を済ませちまうとするか。

 テレビ横にある本棚の奥から秘蔵のビデオを手に取る。

 テーブルの脇にあるティッシュとゴミ箱を手元に。

 さらに特製のチューブを準備。


「完璧だぜ……」


 ビデオをセット。ズボンを下ろす。上半身は裸になる。チューブを装着。

 やべぇ、興奮してきた。さぁいくぜ。


「今日も頼むぜ! ビリー隊長!」

「ってブートキャンプかよ!」


 どこからともなくツッコミが聞こえたので、音源の方を振り向くと、ちょっと頬を赤らめた美紅が体を起こしていた。あらら、熱まで出てきちゃったのでしょうか。原因はつゆ知れずだけど。


「だめだろ美紅。ちゃんと寝てなきゃ。もちろん睡眠という意味で」

「あんなにうるさくされちゃ寝ていられるわけないでしょ、ばか」

「ん〜? まだそんなにうるさくしてなかったんだけどなぁ? あー、もしかしてー、何か勘違いしちゃったりしなかったりんだりんだ?」

「な、何も勘違いなんかしてないわよ!」

「ほんとですかなぁ」

「うううるさい! うるさいうるさいうるさい! もう、寝られないから出てってよ!」

「だってさ」

「あんたのことよ!」


 ゲシッ。

 バタン。

 …………。


「おれの部屋なのに……」


 まぁ仕方ないってやつですよね。何が仕方ないかはわからないけど。


 さて、いじる相手(そこ、変な想像するんじゃない!)がいなくなっちまった。どうすっかな。


「ピンポーン」


 まるで小説の世界のようなタイミングでチャイムが鳴った。ということは今玄関口にいるのは、小説の世界にいるようなきゃわいい娘で、ネコミミとかついてて、魔法のステッキとか持ってて、律儀にチャイム押したくせに「た、助けてください!」とか言って初対面なのに抱きついてきたりしてぬははははははははは。膨らむ! 想像が膨らむぞ!


「今出ますよっと」


 がちゃり、と扉を開ける。


「あ、どうも、こんにちは」


 小説の世界にいるような文科系地味娘ちゃん(眼鏡属性)だった。三つ編みが非常にマッチしています。


「って近藤君、どうして服着てないんですか!?」


 小説の世界みたいな反応された。いや、これは当たり前か。


「気にすんな。これがおれの普段着だ」

「普段着ですか!? その格好で外歩きまわったりするんですか!?」

「いや、さすがに外出るときはこの格好じゃぁねぇよ」

「そう、ですよね……びっくりしました」

「パンツも脱ぐからな」

「びっくりしました!」


 よし、これで変態の烙印が押されたな。全く名誉ではない。


「で、うちに何の御用で?」

「あの、これ今日配られたプリントです。あと、椎名さんの家に行っても誰もいなかったんですけど、近藤君家近いみたいですし、この椎名さんの分、渡しておいてくれませんか?」


 二部ずつ渡されるプリント。あれ? っていうことは、こいつ、クラスメイト?


「OKだよジェニファーさん」

「はい?」


 違っていたようだ。うぅん、どうにも思い出せない。


「おまえ誰だっけ?」


 素直に聞いてみることにした。


「えっと、蒲原かんばらです。一応クラスメイトなんですけど、そうですよね。私みたいな影薄い人、覚えているわけないですよね。ははは」


 自分の後頭部を撫でながら、なんとなく乾いた笑いの蒲原。あきれているっていうよりはなんか慣れているって感じだ。慣れている、ねぇ。


「蒲原」

「は、はい!」

「どうした?」

「いえ、まさかいきなり名前を呼ばれるとは思ってなかったもので」

「苗字だけどな。それより蒲原、おまえ下の名前はなんていうの?」

「下の名前、ですか?芳美よしみ、ですけど」


 すごく普通の名前だった。でもまぁ、ね。


「よし、じゃぁおれこれからおまえのこと『芳美』って呼ぶから」

「ええぇ!?」

「嫌か?」

「い、いえ。嫌では、ありませんけど……」

「じゃぁツェッペリンにしとくか?」

「芳美でお願いします……」


 芳美は目をきょろきょろというか、おろおろというか、なんだか落ち着かない様子である。


「のべづりまわっておつぁずんずらせ」

「い、いえ、そんなお気遣いなさらずに」


 通じたよ。ちょっと特殊な方言使ったのに通じたよ。ちなみに「ちょっとあがってお茶でも飲んでけよ」って意味です。


「まぁいいからちょっとあがってけ。おまえそのまま帰ったら十字路で突然出てきた車にびっくりして尻餅ついてそのついでに片足を何故か開いていたドブに突っ込みさらにカラスの糞が頭に振ってくる気がするから」

「随分ピンポイントな予感ですね……。でも、本当にいいです。そんなために近藤君の家に来たわけじゃないですし」


 強情なやつめ。こうなったら


「じゃんけんぽんっ!」

「え? え、あっ、はい」


 俺グー。芳美パー。


「よし、じゃぁあがってけ」

「今のじゃんけんは何の意味があったんですか!? ってあああ、ちょ、ちょっと」


 無理やり芳美の手を引いて家の中へ。い、いや誘拐とかじゃないですまじで。拉致監禁とかもってのほかですまじで。

 あ、でも待って。俺今パンツ一丁なわけだから、そんないかにも変態な奴が断る少女を家に連れ込もうとしているっていう構図に今の状況はなるわけで、そんなところを誰かに見られてたりしたら、


「……なぁ、あれって誘拐、だよな?」

「拉致ってやつじゃね? どっちにしろやばいよな」

「警察呼ぶべきだよな」

「そうしよう」

「そうしよう」


 走り出す少年二人。クソッ! 見られてた!


「ちょっとここで待っててくれ」

「え? ちょっと近藤君、どこへ……」


 最後まで聞かずに愚直ダッシュ。


「キャッ」


 やべっ。急に走り出したらパンツ脱げた。かまわん。今はやつらが優先だ。


「こら待ててめぇらぁ!」

「ひいっ!? 変態が追いかけてきた!」

「止まれこのやろう! 止まったら犯すぞ!」

「どっちだよ!? だけどまずい、とにかくまずい、急ごう!」

「わかった!」

「年長者なめんなこんにゃろー!」


 …………。


「近藤君……。そのまま走ったら逆効果な気がします……」


 警察が来るのを早めたのは言うまでもない。

 また、後日、かの少年二人はこぞってBLの商品を集めるようになったらしいが、べ、べつにおれが何かしたわけじゃないんだからねっ!

ちょっと更新遅くなりました。またこれからはさらに遅くなる危険性ありです。

大学受かったらちゃんと更新していこうと思います。早く来いよ、2月。

それではまた次回。

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