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その2:東北訛りの妖精ポケモン「ペッペ」

後書き参照。

「にんじんけつにさしていいですか?」

「それで頭痛が治るならね」

「ひゃっほーぃ!!」

「え? ちょっと、本気? っていたたた……。ちょっとー、それより頭痛薬持ってきてよー……」


 たったったった。


「おかえり!」

「待って。状況が掴めないっていうか、今なんであたしはこいつと友達なんだろうって考え……って、え?」

「にんじんなかったから、消火器もってきましぼへぇっ」

「入るわけないでしょ!」


 じゃぁにんじんなら入ったんですね。よし、次回に期待だ。あと、少し耐性つきました、自分。

 今おれらはおれの部屋にいる。美紅がベッドに寝ていて、おれが手厚く介抱してやっているという構図だ。おい、そこのおまえ。今変な想像したろ? したんだろ?


「想像どおりのことをしましたけどねー!へぶぎゃっ」

「したわけないでしょ!」


 こいつ、本当に頭痛なんだろうか? いつもよりもパワーアップしてる気がしてならない。あ、そういえば。


「頭痛薬持って来たぞ」


 美紅に錠剤とコップに入った水を手渡してやる。


「まったく、最初っからそっちを持ってきなさいよ。まぁその、一応、ありがとう……」


 美紅は俯きがちに薬を口に入れ、水を含む。これでしばらくおとなしくしていれば頭痛も治るだろう。

 しかし急いで持ってきたためちゃんと頭痛薬かどうかを確認するのを忘れた。どれどれっと……お、よし。ちゃんと頭痛薬だ。って、ん? なんだこのおしりのマーク?


「……あ、これ座薬だ」

「ぶふうぅぅぅぅぅぅ」


 言い終わる前に噴水(横向き)が出来上がった。かいしんの一撃だったようだ。ってかおれの顔面水だらけ。ついでに両鼻に座薬がフィットインしました。

 ふんってやって座薬を飛ばす。床でバウンド。速度を落とさず壁でリフレクト。起動はななめ上になり、天井にあたりななめ下へ。あ、帰ってきた。ぐさっ。


「のうわぁぁぁぁぁぁ!!? おれの目がぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

「げほげほっ、けほっ」


 床でのたうちまわるおれと、いまだ咳き込む美紅。あ、これあれですね。地獄絵図ってやつですよね。違うとは言わせません。

 さて、自分含む両者ダウンしているこの間に、今ここに至る経緯でも説明しておこうか。

 帰る→親いない→てんやわんや→今。

 あれ。一行で説明し終わってしまった。どうしよう、尺が、尺が足りん。

 そうだ、中身を増やそう。肉抜きしすぎたのがいけなかったんだ。さっきのは目次かダイジェスト版だと思っておいてください。

 二人して競歩選手も驚きのスピードで、抜きつ抜かれつつ帰路を辿っていたおれらは、美紅を送り届けると約束……したっけ? まぁいいや。とにかく、美紅の家に着いた。以下は回想シーンである。 


「ありがとう。ここまででいいわ」


 息を切らせ、肩を上下させながら礼を言う美紅。エロい……。いや、なんでもないっす。


「おう。薬飲んでさっさと寝ろよ。ほらあの、バファ、バファリ……なんだっけ?そうだ、イソジンだ。飲んで寝ろよな」


 半分は厚かましさでできているという万能頭痛薬、イソジンならきっと一発で治るだろう。


「なんでそこまで言えてて全撤回で間違えるのよ……。まぁいいわ。あたしは半分が優しさで出来ている薬を飲むから」

「なに? 半分が優しさ? ということは半分の厚かましさと半分の優しさでイソジンは出来上がってるということで、ちょっと待て。薬の成分が微塵もねぇ! おい美紅! おまえイソジンは絶対に飲むんじゃねぇ! 奴はとんでもない欠陥商品だ! 飲んだら次の瞬間におまえはカールおじさんになるだろう」

「どっちにしろ飲まないし、ならないし……。あぁもう、頭痛いって言ってんのに、これいちいちツッコまなきゃいけないの?」

「にんじんを?」

「違うわよ!あたたたた……。もういいかげん家に入るわ」

「おう。イソジン飲んでゆっくり寝ろよ」

「さっきあんた飲むなって言ったでしょ!」

「じゃぁニソジン」

「くっつけるな!っていったぁぁぁい……。もう、じゃぁね」


 美紅はおれとの会話を強制終了させ、玄関に足を向ける。が。


「あれ……?」


 ガチャガチャ。


「どうした?」

「鍵が……。うそ、冗談でしょ? ちょっと、お母さん! いるんでしょ!」


ピンポーン。

…………。

ピンポーン。

…………。


「うっそぉ……。本当に? お母さぁん……」


 その場にへなへなっと座り込む美紅。さらに倒れそうになったので、急いで駆け寄って支えた。あれ? こういう状態どっかで見たことがあるような……。あ、そうだ。


「助けてくだサノバビッチ!!」


 世界の中心で吹っ飛ぶおれ、無言の美紅の逆襲。今夏上映予定。何言ってんだおれは。

 しかしまずいな。頭痛の美紅をこのまま放っておくのは医学的にも倫理的にもよくない気がする。となれば選択肢は一つしかないわけで、


「じゃぁ美紅また明日学校でな!」

「なんでそうなるのよ!」

「ベネズエラっ!?」


 今日はやけに吹っ飛びと吹っ飛びの間隔が狭いっすね。おれも頭痛がしてきた。あとでニソジン飲んどこう。じゃなくて。


「おれんち来るか?」

「い、いいわよ、別に……」

「遠慮してんじゃねぇよ。第一遠慮する余裕あんのかよ? おまえ学校出るときより具合悪そうだぞ?」

「誰のせいよ……。いっつぅ……」

「ほらな。いいから来い。頭痛薬もたしかあったと思うから」

「むぅ……。し、仕方ないわね。そんなに来いっていうなら行ってあげてもいいけど……」

「やっぱ来んな」

「休ませなさいよ!」


 というわけで方針決定、そして現状に至るわけである。はい、回想シーン終わり。


「ぬぅぅぅぅぅぅぅ……」


 だめです。未だ目から涙が止まりません。一方美紅はというと、


「ほぇぇ〜〜〜〜〜〜……」


 あ、なんか一線越えて方針状態か気絶状態入っちゃったみたいです。

 じゃぁ両者回復までしばし休憩っと。……くぅ、痛ぇ……。


思ったより読者数が多くて仰天しているろりらです。おかげでちょっとやる気出ちゃいました。受験生ですけど。

今日11月14日なんですけど、明後日模試なんですよねぇ。いやはや、失敗する気しかしない。

それ以降も模試やらなんやらが続くんで、もしかしたら更新が遅れるかもしれませんが、気長に待ってやってくれるとうれしいです。

それではまた次回で。

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