2.男の職場・女の職場(前編)
セパ「お疲れ様です。2人とも仕事終わりでヘトヘトですがなんとかがんばりましょう!」
うしお「お疲れ様です。今日は夕方にメンドクサイ案件が来て絶望しました。セパさんは看護師ですよね?」
セパ「ええ、男性ではまだまだ珍しい看護婦さんです!」
うしお「婦!」
セパ「老人施設で働いてると看護師っていうより、看護婦さんですよ~って言った方が通じるのです」
うしお「ああ。ご老人はそうですね。私はつぶしの効かない営業職です」
セパ「なんだか転々と部署移動してるみたいですね」
うしお「営業部はずっと営業部なんですけどね。私のお仕事を例えると、以前は『営業』最前線の傭兵ドワーフ、去年までが『企画担当』の鍛冶屋のドワーフ、今年は『データ担当』炭鉱のドワーフといった感じです」
セパ「何故ドワーフ(笑)」
うしお「強そうだし……」
セパ「そして炭坑のドワーフってどんなだ(笑)」
うしお「今の業務は向いてないですね……「ぬうううんっ! 殺す! 全員殺す!」→「ほっほっほ。この剣ならドラゴンも真っ二つじゃ」→「おで、石掘る」みたいな感じです。鉱石ないと剣も作れないし傭兵は戦えないんだけどね。わかってるけど、むいてねぇー。元が「ぬうううんっ!」だよ。もう」
セパ「ドワーフから離れて!」
うしお「だって強そうだし……」
セパ「女性的にマズイ(笑)」
うしお「職場での女性はだいぶ前に捨てました。男ばかりの職場なので」
セパ「そういえばうしおさんってわたくしの事を〝鏡〟みたいと称してくれましたが、わたしは女性職場で働く男、うしおさんは男性職場で働く女性ですね。」
うしお「それぞれ苦労が多そうな……これは荒れるぞ」
セパ「女性職場は怖いですぞ!女性の陰湿さがいい感じに発酵してます!」
うしお「昔、パーティコンパニオンをしていた時にひしひしと感じました。報酬良かったけどすぐ辞めた」
セパ「悪口言われてる人の悪口言われてる人の悪口を聞くとかザラですから。うしおさんやっぱり美人説再浮上。」
うしお「あれはべったり化粧するので顔は目と鼻がちゃんとした位置にあればできますよ。今の部署は女性が多いので分かります。どうせ私も言われてんだろな、と思う」
セパ「知らない世界だ……」
うしお「ボスがいるんですよね。女性が群れると」
セパ「あるある!」
うしお「で、なんの価値もない共感で盛り上がる……」
セパ「そのトップの機嫌を損ねると痛い目みます」
うしお「うん。女性に対しては「敵でないアピール」が大事。加えて男性の同僚には「私は仲間だよ!」ってやんなきゃ行けなくて、結果職場での女性は捨てました」
セパ「男性職場で女性が一線で〝ふんぬうううう〟するってキツイでしょうに、何故その道へ?」
うしお「わからない……新人配属がそっちだった。営業は追加で研修があるんですが、そのせいで途中パンツが足りなくなったくらい意外でした。希望はしていません」
セパ「どんな追加研修!?自衛隊にでも入れられるの!?」
うしお「なんか体操や掃除やら社訓唱和やら……甘いものが欲しくて脱走しようとした」
セパ「あ~、しどそう。わたくしは大学での方が脱走したくなりましたね。完全に軍隊でしたから」
うしお「そっちの方が絶対きっつい。まぁ、今思えばただの洗脳の初期段階です」
セパ「まぁ新人研修ってそんなもんですよね。そして立派な社畜に育っていく」
うしお「そうですね。でも今の子はバタバタ倒れるので最近は綺麗なホテルでやってますよ」
セパ「それに耐えたうしおさんがすげぇ(笑)」
うしお「思えば、最初に配属された部署は100名くらい営業がいて女性は一個上が一人だけ。それも入れ替わるように辞めてしまった」
セパ「そしてドワーフになったと……。」
うしお「そう、最初は中年男性が気持ち悪くて吐いてましたけど……」
セパ「どんだけギトギトした職場だったんですか(笑)!?」
うしお「うちのパパが素敵すぎたのかもしれませんが、なんか太ってるし禿げてるし変な声で笑うし……得意先は変な電話かけてくるし」
セパ「セクハラ野郎出てこい!とっちめてやる!」
うしお「〝セクハラにはよりどぎついセクハラ〟を言うと撃退できますよ」
セパ「おうふ、真似出来ない」
うしお「セパさんはやっちゃダメ(笑)あ、パワハラも同様です。退職届そっと机の上に置いたり」
セパ「あ~、わたくしは退職届をロッカーにしまってる癖は付いてますね。野暮ですけどセクハラ返しってどんなですか?」
うしお「「うしおちゃーん、お〇ぱい邪魔だろー」「そのち〇こも邪魔そうですね」」
セパ「エグイ!」
うしお「不満をため込むよりお笑いにしてしまった方がいいと思って」
セパ「対応に困る上司の顔が目に浮かぶ(笑)」
うしお「ええ。困っていました」
セパ「でしょう~。…唐突ですけど、職場恋愛ってしたことあります?わたくしは社会人になる前から今の彼女なので無いですが」
うしお「ないです。別れた後に面倒だし、周りも気を使うでしょ」
セパ「わかりますわ~。大学時代学友で付き合って別れたカップルの対応ですら困ったのに」
うしお「ははは。学生は期間が決まってますが、職場はそうはいきませんよね。……セパさんは女性ばかりの職場で何が一番不満?」
セパ「やっぱり疎外感と変に気を使うところですね。あと派閥とかを把握するのが面倒」
うしお「大丈夫、男性も派閥作りますから。あとマウントの仕合い」
セパ「やっぱりそこは性差ないんですね」
うしお「これが人事に出ちゃったりするから男性の方がやっかいかもよ(笑)」
セパ「うわ~、嫌だな~」
うしお「女性は表に出ないけど、ねちっこい」
セパ「粘着性は高いです!まして看護師という生き物は自立心が高いですから」
うしお「自分のテリトリーを守ろうとする傾向が強いように思えます。自分だけが出来る仕事をわざと作って「やれやれ、私がいないとねー」って」
セパ「それな!…ちなみに看護師の独身・ダメ男に引っ掛かってる率は異常です」
うしお「プライベートでもやっちゃうのか……」
セパ「そして子供産んだら洗脳が解けたかのように離婚する率も」
うしお「自分で稼げるからね……世話する対象が別に出来たら用が無くなるんですね」
セパ「野良ヒモは何処へ行くのだろう…。他人事じゃないからこわいよー」
うしお「逆に一緒に仕事しやすい女性はどんな人?」
セパ「サッパリ姉御肌の人ですね、僕の場合。ヒモ活動期間だったら間違え無く落とせてたような」
うしお「最後が余計だけど……じゃあ今のスタンスで仕事して行こう」
セパ「よーし、明らかに女性を敵にまわした気がするけど頑張るぞ-!逆にうしおさんが仕事しやすい人は?」
うしお「ちゃんとしている人」
セパ「基本!」
うしお「仕事内容を把握して、経緯・意図・依頼内容・期限を明示できる人。ダメなひとほどポエムみたいな依頼してくる(笑)」
セパ「うちの職場には「おつかれさまです!」って言ってもシカトする人とか、ホウレンソウができない人とかザラにいますが…。」
うしお「クズですね。年上でも普通に説教します。私は」
セパ「職場最年少で、経験も薄いわたくしには出来なくて…。」
うしお「難しいですね……手に負えない人は上司を挟みますが、そういった職場環境でしょうか? 根深い」
セパ「TOPからして腐ってます♪というか看護・福祉は人手不足なので、辞められたら困るのです。強く言えないのですよ」
うしお「それは……ご愁傷様ですね。その人は労働力を超省エネモードで金に換えたいだけですね」
セパ「うしおさんのドワーフ話をインタビューしたいのですが、そろそろ文字数が限界です…。二部構成でもしますか?」
うしお「いえーす。話足りない」
セパ「では次回!〝見敵必殺、うしおドワーフ誕生秘話!〟お楽しみに!」
うしお「なにそのタイトル!!」
うしお:白熱して終わらなかった……という訳で次回も同テーマです!