第二話 戦艦長門と大鷲
海上自衛隊による一方的に始められた話し合いが終わり、15分くらいたった頃に彼らの飛行機は、日本海軍の先頭を進む駆逐艦の上空を通り、この戦艦長門上空に現れた。彼らの航空機の4機は、空母鳳翔の飛行隊の案内を無視し、長門上空に来たのだ
その三機の様子を艦橋で見ていた見ていた山本は、パラシュートによる降下をするのかと思ったがあの高度では出来ないと思い直した。
そのとき、驚愕の事が起こった。
飛んでいる彼ら双発機の羽が全機折れたのだ。折れたと言うよりは、プロペラがついたエンジンごと上方向に90度回転した。(いわゆるオスプレイというやつだ。今回のは、日本国防軍が最高の技術で作った、作った2代目だった。)
艦橋で見ていた幕僚たちは驚き、長門に衝突するのでは無いかと思い、慌てていた。
そのあと見たのは、空中に止まっている4機の飛行機であった。
幕僚たちは、空中に止まっている飛行機があるなんてと思った。
自衛隊の飛行機の一機目が、旗艦長門の艦橋の前で一度止まり、艦尾にある41㎝連装砲の後ろに着陸寸前の所でホバリングをし、後部ハッチから隊員が飛び降りた。
彼らは、自衛隊の特殊作戦郡の海戦隊第101小隊の分隊が二個分隊だった。飛行機から飛び降りた彼らは、全身灰色の迷彩服を着用し、フル装備をしていた。まず、甲板上で日本海軍から敵意を向けられていないか確認すると2機目が問題なく行えるようサポートに回った。二番機からも二個分隊が降り、第101小隊が揃った。
三番機から出てきたのは、前の2機と同じく自衛隊の特殊作戦郡の第100小隊の二個分隊と彼らに守られた第一等の礼服を着た川上翔一等海将とその副官である神田賢太一等海将であった。
最後に四番機が残りの二個分隊と機材を下ろしていった。
自分達を見て唖然として全く動けない日本海軍の水兵にに川上一等海将は、声をかけた。
「私は、日本国防海軍の一等海将である川上翔だ。至急山本長官に連絡をしてくれ!」
日本海軍の甲板で見ていた水兵は、この事態は飲み込めなかったが、とてつもない事だと思い慌てて呼びに走った。
艦橋から彼らの飛行機を見ていた山本は、この安定した素晴らしいオートジャイロを見てやはり未来から来たという事が本当なのだと確信を持った。
三番機から礼服に身を包んだ男が二人出てきたのを見て、これは私も着替えて下に降りなければと思い、着替えた終えた所に丁度伝令が着た。
「失礼します長官。敵の飛行機から降りて着たのは、自衛隊の………… 。すみません、とにかく敵の将軍が来ております。」
「分かった。今行く。参謀長も行くぞ!」
山本は、慌てて後部甲板へと急いで向かい、飛行機で長門に来た彼らを迎えた。
「私が山本だ。どちらが川上将軍かな?」
そう言うと、前いる人の方が答えた。
「私が、川上一等海将だ。一等海将とは、日本海軍の大将に値する階級だと思ってくれ。
私たちの艦隊に攻撃をしないことを約束してほしい。日本海軍と敵対する機は、全くないのだ。
まずその理由を話すから、貴方の後ろにいるのは、宇垣参謀長ですね。彼以外の人は、人払いしてもらいたい。」
「ほぅ、敵対する気がないなら何故こんなに沢山の兵士を下ろさせたのかね。
それはいいとしても、なぜ我々名前が分かるのかね?それについて説明してほしいものだ。よかろう。人払いは、しよう。
ただし、部屋に入れる兵は二人までだ。もちろん、あなたとそちらの副官だけだ。」
「では、そうしましょう。山本長官、失礼かもしれませんが首席参謀の黒島亀人呼ばなくてもよろしいのですか。」
「いや、いい。この二人でいい。」
「分かりました。では行きましょ。」
川上一等海将は、第100小隊の隊長を呼び、部下の中で室内戦に特化した二人を選ばせた。そして、彼らと共に山本長官についていった。
長門艦長室には、8人がいた。
「では、連合艦隊司令長官山本五十六大将よろしくお願いします。」
「こちらこそ、どうかよろしくお願いします川上海将。」
「ではまず、私達の事について話していきましょう。私は、沖縄奪回作戦派遣司令長官であり、この100隻近い艦隊の司令官です。
そして、私はこの艦隊を率いて沖縄奪回作戦中の為艦隊を前進させている途中でした。」
「どうゆうことかね?今沖縄は、誰にも占領されておらんよ。やはり未来から来たというのは本当なのだな。」
「私たちも信じられないが、私たちの艦隊は、本当にタイムスリップを起こしたようです。」
「そんなバカな事があるか!!」
「実際起こったから言っているんです!宇垣参謀長」
「なるほど!あの見事なオートジャイロは、やはり未来から来たという
「そうです。私たちは、この時代の約100年後の2038年から来ました。2038年に沖縄は、中国により攻撃を受け、敵に上陸を許してしまっていました。未来では中国は世界でも有数の軍事大国の一つなんです。
その沖縄を奪回するために私達の艦隊作戦を行う予定でした。」
「けれども、タイムスリップをしてこの時代に来てしまったという訳だね。それであなたたちは、どうするのかね?」
「神田、印刷したプリントを出してくれ!これは、これから日本が起こそうとしている太平洋戦争の記録です。このようになるのは、絶対に避けなければなりません。その為に我々は協力を惜しまないつもりです。宇垣参謀長、信じられないかもしれませんが色々と証拠はあります。
私たちの艦に来ていたでければ、未来から来たと分かるでしょう。私達の旗艦を長門と並走させてもよいのですが、情報が何処からかばれる可能性があるのでおすすめはしません。」
「確かにあなた方の事がアメリカに知られるのは良くないですね。
では、あなたはこれからどうするのかね?」
「一つ目に、我々がこの世界にいることを秘匿する事。
二つ目、我々に衣食住を与える事。
三つ目に、我々が使える基地を作る為、我々の要求する物質を提供すること。
これが最低限度の条件です。
さらに、日本軍の作戦に対して意見できる強い権限を持たせること。この権限で直ぐにハワイとマレーの攻撃の中止を願いたい。この二つの作戦は成功するが、どちらもその先にいい影響を与えない。詳しくは、渡した資料の後ろに方に書いてある 。
そして、戦争を始めるにしても最低2年待ってほしい。私達のコンピューターによれば、2年の間に日本の軍事力を大幅に上げる事が我々には出来る。
最後に我々を天皇陛下との会談をさせる事そして、各大臣とも会談をさせてもらう事。」
「よろしいでしょう!私は、アメリカに勝てるとは思ってはいませんでした。ですが、貴方のお陰で希望が見えそうです。私も負けたくありませんから全力で協力します。
あなた方の艦隊には、父島から人を追い出すまで待っててもらいたい!」
「了解した。とりあえず、私たちは敵でないと軍令部に暗号を打電して下さい。
そうでした、伝えるのは忘れていました。なるべく早く暗号を変えて下さい。海軍の使用する暗号は、アメリカに直ぐに解読されてします。それが命取りになるのです。
話は変わりますが、私の艦隊には、空母がありますから横須賀から軍令部長を呼んではどうですか?
あなた方の空母に比べたら遥かに大きいので問題なくは止まれるでしょう。パイロットの腕か確かなら!」
「海軍の操縦士は、皆優秀なので問題ない。」
「では、山本長官、私の艦隊の旗艦に参りましょう。」
そう言うと胸から無線機を取りだいった。
「聞こえていたか等々力一佐。大鷲を更に三機出してくれ、迎えの四機と共にこの海域まで来てくれ。」
そう言って無線機をしまった。
「この艦隊とは45㎞以上離れているはずだが、まさかそんな小さい無線機で話が通じると言うのか!やはり未来の技術というのは凄いな。
ところで、川上海将あなた方の旗艦というのどのようなものなのですか。」
「我々の旗艦は、やまと型原子力戦艦やまとです。全長333mあります。これは、2035年に日本が世界に先駆けて完成させた戦艦であり、2038年にも日本にしかないものです。この時代の戦艦と違い火薬を使わず、電力を使います。この主砲は、アメリカが開発したのを日本が発展させた物なんです。そして、目的もこの戦艦長門とは違います。我々の旗艦の主砲は対空砲がメインなのです。弾道ミサイルを撃ち落とす為に作られたものなのです。その弾道ミサイルとは、遥か高高度を飛ぶ噴進弾のようなものです。
この時代の日本は、次の戦争が起きる可能性第一位の地域だったんです。日本、ロシア、中国、朝鮮の軍事力は、残りの世界の合計よりも多かったんです。そんな中に居たんで世界最強の兵器を多数持っていたんです。日本製兵器は、多くの国で使われていたんです。
神田、あれを出してくれ。そして、やまとの写真を見せて差し上げろ。」
そう言われると神田は、カバンの中からタブレットを出し、まずそこに原子力戦艦やまと写真を出した。そして山本たちに見せた。
「これは、戦艦とは名ばかりで砲が何もついていないではないか。」
「宇垣参謀長、次にこれを見てください。」
「これは同じ戦艦なのか。主砲の所を除いて全く同じではないか。」
「そうなのです。この原子力戦艦やまとは、砲塔を収納することによってレーダー反射を避け、レーダーに写りにくくしています。と同時に、敵の攻撃が砲に当たることを防ぎます。」
「レーダーか!なるほど、未来では、レーダーはとても優秀なのだろう。レーダーによる作戦か。レーダーの性能にかかっているということだね。」
「そうですよ長官よく分かりましたね!直ぐに気が付くとは!」
その時、伝令によって自衛隊の航空機が7機艦上空に留まっている事が伝えられた。
「では山本長官、我々は先にこの大鷲に乗り、旗艦に戻ります。最後の三機には、あなた方の司令部の参謀などをお選びになって乗せて下さい。そして我々のやまとへ来ていただけるば、我々への理解をしてもらえる機会になるでしょう。」
「では、川上海将、私たちは艦橋に戻り、事態を収集します。その後、あなた方の旗艦に伺います。
あなた方は、うちの兵に艦尾のオートジャイロのところまで送らせます。」
「ありがとうございます。これから宜しくお願いします。ちなみにあれは[SH-34]です。別名〔大鷲〕と言います。
では、またあとで会いましょう。」
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