第一二話 パールハーバー奇襲
真珠湾攻撃のアメリカ軍視点での話です。
ハワイ時間1月1日午前5時3分のレーダーステーションでは、突然現れた飛行機の大編隊にを捉え、レーダーステーションにいた夜勤の二等兵は慌てて情報センターに連絡をした。
この日は土曜日であり元日でもあったので本職の管制官は休んでおり、レーダーの仕組みを理解するための訓練として管制官役をしていた若手陸軍航空隊パイロットである陸軍少尉が応対した。本来であれば未熟なパイロット管制官を補佐するため情報センターには多くの下士官も勤務していたが、元日であり軍の基地内でも新年を祝う酒などが出されていた為この情報センターに少尉1人しかおらず、不慣れな少尉一人で対応する事となってしまった。
タリラー少尉は、自分では判断できないと考え慌てて自らの上官を呼んだ。
この事を聞いた上官は慌てて自ら司令部に確認を取った。司令部からはこのレーダーに映った編隊を調査する為に戦闘機を飛ばす事を決め、P-40の編隊を上げた。暫くするとP-40からの報告を前に多数のレーダーステーションで大編隊を捉えている事が分かり、慌てて各飛行場に連絡し迎撃をする為に各飛行場機体を飛ばす事を要請した。
司令部では、まさか本当にここハワイが攻撃を受けるとは考えても居なかった。フィリピン方面が怪しいというのが全体の総意だったのだ。
その為平常時と変わらぬ夜勤常態だった、いや正確には平時よりも少ない司令部内では、パニックが起こっていた。
米太平洋艦隊司令長兼合衆国艦隊司令長官のハズバンド・キンメルは、昨夜の新年を祝うパーティーの影響で酔っぱらっており寝ていた。朝の5時では酔っぱらいでなくても普通の人は寝ているを
司令部からの電話で叩き起こされ、ジャップかもしれない航空機の大編隊が攻めてきたという事を聞かされ、慌てて服を着替え終えたキンメルは迎えの車に乗り、ハワイ海軍司令部に向かった。
司令部に向かう間キンメルは、陸軍から連絡を受けた海軍のF4Fことワイルドキャットがちょうど飛び上がって行く飛び上がって行くのを見た。
キンメルは、間に合ってくれよと思いながらフォード飛行場から飛び立っていくワイルドキャットを見ながら、キンメルは日本の空母の情報を思いだしながらこれからの事を考えていた。
キンメルが司令部に入ると夜勤の中佐が
「太平洋艦隊司令長官ハズバンド・キンメル大将に敬礼!」
と言った。
キンメルは、それに敬礼で返し、直ぐに言った。
「現状は、どうなんだ中佐。」
「はっ!ただいま、敵の編隊はオアフ島から約20キロを飛行中です閣下。」
「全軍を持ってジャップに攻撃してやれ!我らのアメリカ軍の
全兵士をたたき起こせ、
他の島の基地、本土にも同様の知らせを出すんだ!」
「はっ!閣下、既に基地内への放送するように指示を出しております。
他の島、本土にも直ぐに通達を行います!」
その時凄い爆発音共に凄い揺れが起こった。
「なんだこの爆発音と地響きは!
まさか、戦艦の主砲か!」
「まさか、それにその様な戦艦が表れる訳ありません。航空機による攻撃に合わせ、スパイがこの司令部の付近を爆薬を仕掛けたのでしょう。全く見回りの兵士も役に立ちませんね。」
「とにかく、急いで戦闘機を残りの上げるように。
そして、それほど居るとは思えないがスパイに気を付けるように連絡を回して置いてくれ。」
その頃になりやっとオアフ島の司令部には、本物の幕僚が集まって来ていた。
「閣下!レーダー基地に連絡か取れ無くなりました。無線でなく、電話でも無理です。」
「先にレーダー基地を攻撃するとは、ジャップにも少しは頭の良いサルがいますね。」
「小賢しい真似をする。」
「失礼します!
飛行場が爆破されました。フォード飛行場では、飛行機は飛ばせなくなりました。」
再び凄まじい爆発音がした。
「失礼します閣下!陸軍から連絡です。オイラー飛行場が爆破されました。」
「クッソージャップめ!湾内にいる空母のレキシントン、サラトガからでもいいから戦闘機を発艦させるのだ。
それだけでなく、全艦艇を出撃させるんだ。湾内に固まってたら全艦艇が爆撃される前に出撃をするんだ。」
「敵が湾内に侵入しています。上から見えます。」
「戦艦が雷撃を受けているそうです。」
「クソが!対空砲をさっさと撃ってどうにかしろ!」
そのキンメルが叫んだ直後、司令部は爆弾の直撃を受け、キンメルはその衝撃で意識を失った。
パールハーバーの軍港内にいる艦艇では、必死に残っている船員で船を動かそうとするが、全く動けないという事が多発していた。
もっとも、スクリューが切り落とされているなんて考えた兵士は、一人もいなかったが。
各艦艇からは、わずかな対空砲がうち上がっていたが、被弾するような機体は日本軍機にはいなかった。
まず、最初に真珠湾に突入した日本軍の新型の10機の雷撃隊が雷撃を敢行した。日本軍の雷撃隊は建物の屋上から機体上面が見る事が可能なほど超低空で侵入し、戦艦泊地に停泊していた戦艦コロラドに4本の航空魚雷が命中した。そして戦艦コロラドの前方に停泊していた戦艦インディアナには3本の魚雷が命中した。
続けて湾内に超低空で侵入してきた敵の雷撃機に未だ対空砲は準備が間に合わず、、易易と雷撃を許し戦艦アリゾナに6本の魚雷が続けて命中し、戦艦アリゾナの前方に停泊していたコロラドにも2本の魚雷が命中した。戦艦コロラドは2回の雷撃で6本の魚雷が命中し、傾斜が酷くなっていた。
更に侵入してきた敵雷撃隊にやっと対応した対空砲を撃つも一機にも命中せず、全機雷撃を行う事を許した。再び放たれた魚雷は、3本がメリーランドに命中し、戦艦インディアナにも2本が命中した。更に空母サラトガへも1本の魚雷が命中し傾斜を始めた。
最後に侵入した雷撃隊は次第に強まる対空砲に戦艦泊地への雷撃隊を諦め戦艦に雷撃を行わせなかったが、駆逐艦群に雷撃を行わせ、この雷撃で駆逐艦3隻に命中し、内1隻は三本続けて命中し船体が真っ二つに折れて轟沈した。
雷撃に続いて開始された日本軍の爆撃機から爆撃を受けた空母サラトガでは、一瞬にして甲板が爆発し発艦させようとしていた戦闘機に燃え移り、誘爆を起こした。これにより空母サラトガは、戦闘機の発艦は困難になってしまった。
地上に残っている対空陣地も次々にジャップの爆撃を受けされ、ほとんどが使い物にならなくなっていた。
一度止みかけた日本軍の爆撃であったが再び激しい爆撃が行わた。
日本軍による爆撃は恐ろしくほどの水平爆撃の命中精度で艦に命中させた。更に最初の攻撃で大破炎上していた戦艦アリゾナ、コロラド、インディアナは激しい爆撃を受けた。
戦艦アリゾナは次々と命中した爆弾により前部火薬庫が大爆発した。その大爆発で戦艦アリゾナは多数の死者を出した。その爆発は、戦艦アリゾナの右舷に係留されていた戦艦ペンシルバニアにも火災は飛び火をさせるなど被害が甚大な事を示していた。
戦艦コロラドは、再び始まった爆撃時には既に着底していた。
戦艦インディアナは多数の雷撃を受けた事で艦が傾斜し火災も発生していた。この3隻の中では被害が少ない戦艦インディアナも右舷側の戦艦サウスダコタからの必死の放水が行われていたが効果は余り期待出来そうに無かった。
戦艦メリーランドは戦艦泊地に停泊していた8隻の戦艦の中で海側に停泊している4隻の中で最も被害が軽かった。3本の魚雷が命中したが、その内1本は不発に終わったのだ。戦艦メリーランドは左舷側に注水をし、何とか着底を免れた。
レーダー基地、対艦砲台、司令部、ドックといった主要な陸上施設が日本軍の爆撃によって破壊された。乾ドックで機関の整備を行っていたサウスダコタ級戦艦マサチューセッツは、乾ドック上で爆撃を受けた。戦艦マサチューセッツでの火災を止める為に乾ドックに注水がされた。あわてて乾ドック内に注水を行った為、戦艦マサチューセッツが1隻の駆逐艦を押し潰すなどの二次被害も発生した。
海軍は、司令部に爆弾が直撃したため、米太平洋艦隊司令長官のハズバンド・キンメル大将の行方が分からなくなってしまったのだ。
中将以上の階級の者は全員司令部に居た為爆撃を受けたことが分かった。
これからの対策の為、残りの少将以上の士官は二人しか生存確認がとれない事が分かった。
フォード基地司令と第三戦艦戦隊司令長官である。
この二人は司令部への召集に応じる頃には既に敵が現れ、その対応で現場で陣頭指揮を取っていたが故に助かったのである。
この二人の場合、少将に上がったばかりの基地司令とアメリカ太平洋艦隊所属の第3戦艦戦隊司令のレイモンド・スプールアンス少将では、格の上であったスプールアンスが臨時指揮を行った。
この時、スプールアンス少将が率いる第3戦艦戦隊は、
コロラド、メリーランド、ウエストバージニア
の3隻が配備されていた。
その旗艦ウエストバージニアは、3隻の中で最も被害が少なかった為、スプールアンス少将は助かったのである。
戦艦ウエストバージニアは、この3隻のコロラド級戦艦の中では最後に改装が行われ最新鋭の機材が積まれた艦であったのだ。その能力戦艦サウスダコタにも劣らないほどである。
その戦艦ウエストバージニアも無傷めはないが。
スプールアンス少将の元、いつまた攻撃を受けるかどうか分からない中必死の復旧作業と被害の調査が行われた。
ハワイ時間午前11時の段階で以下のような被害が明らかになっていた。
戦艦サウスダコタ:炎上(爆弾3)
戦艦インディアナ:傾斜炎上(航空魚雷5、爆弾多数)
戦艦マサチューセッツ:火災(爆弾2)
戦艦アラバマ:ほぼ被害なし
戦艦コロラド:傾斜炎上(航空魚雷6、爆弾多数)
戦艦メリーランド:傾斜炎上(航空魚雷3、爆弾4)
戦艦ウエストバージニア:火災(爆弾1)
戦艦ペンシルバニア:火災(爆弾3)
戦艦アリゾナ:大破炎上着底(航空魚雷6、爆弾多数)
空母サラトガ:傾斜炎上(魚雷1、爆弾2)
標的艦ユタ:火災(爆弾3)
重巡洋艦シカゴ:傾斜(航空魚雷1)
軽巡洋艦ホノルル:火災(爆弾1)
軽巡洋艦リッチモンド:損害軽微(至近弾1)
駆逐艦2隻撃沈
駆逐艦炎上3隻
駆逐艦傾斜2隻
海軍機の損害は被害が甚大により不明
この後被害の報告をスプールアンス少将からアメリカ本国に伝えられた。
海軍省のフランク・ノックスアメリカ合衆国海軍長官伝にも直ぐにこの事は伝えられた。分かっているだけでも余りの被害の多さにノックス海軍長官は、
「何だと!こんなことはあり得ない!
我々は栄光あるアメリカ海軍だ!こんなことあってはならない!」
と報告したハロルド・スタークアメリカ海軍作戦部長に向かって叫んだそう。
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このは忙しくて執筆する時間が取れません。それだけでなく、2199の宇宙戦艦大和全話見ていたので遅くなりました。




