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はじめに オススメ!? 田んぼにハマる生活!?

 田。

 田んぼ。

 田園風景。

 日本人ならだれもが心の奥底にもつ、心象風景と言えるでしょうか?


 幼い頃の私の住まいの周辺にあるものといえば、田んぼ田んぼ田んぼ、田んぼったら田んぼ。

 学校の通学路も田んぼ道、買い物にいくにも田んぼ道、とにかく田んぼに囲まれて育ちました。

 今の私の住まいも、田んぼ田んぼ田んぼ、田んぼったら田んぼ田んぼ田んぼー! なんですね。


 これだけ田んぼが身近にありますと、当然のことながら子供たちの遊び場にもなります。

 実際にわたしも子供の頃は田んぼにはずいぶんとお世話になりましたし、我が子も同様です。

 とくに昭和な時代ですと農作業をしている親たちはとにかくいそがしすぎて、当然、子供の相手などできません。

 なので農繁期は子供同士でかたまって、田んぼにくりだすのです。


 田んぼ遊びで、それじゃあ虫取りでもしよう! となると、捕まえる獲物の双璧といえば、カエルとザリガニですね。


 カエルの多くは田んぼの中にいますのでちょっと捕まえにくいのですが、ザリガニは水路にひそんでいますんで、こちらは格好のえじき……いえ標的になります。

 とにかく、とったあとはケンカ遊びさせてそのまま放置プレイをしてしまうので、翌日になると道路には軽トラックに轢かれてプレスされたとおぼしき赤い残骸があちこちに……。

(あ、ちょっとスプラッター要素が出てきそうですので控えましょうか……)


 しかしそれにしても、男女の差なくザリガニをつりあげる遊びが日常的だったのは私たち世代までの話なのでしょうか?


 他には、普通のタモでメダカを捕まえたりですとか、トンボを捕まえたりですとか、とにかく虫取りはじつに身近なたのしい遊びでした。


 ちなみに、昔のタモっていうのは網目が粗いつくりでした。

 なのでメダカを捕まえようと水路の中にタモをつっこみますとですね、網目と網目のあいだに、こう、頭がずっぽりとはまってですね、エラのところでひっかかって抜けなくなったメダカに高確率で遭遇することになります。


 そして、このメダカをタモから外そうとすると、そうです、ハイ、ご想像のとおりです。

 ほぼ100%の確率で首がもげ(・・)落ちます。

 子供たちが遊んだあと、水路のわきの道路には、首がもげ(・・)たメダカさんが、こう、るいるいと……。

(いや、ちょっとまたスプラッターな感じになってきてしまうので自主規制をかけましょう……)


 ともかく、下は保育園にかよう3~4歳の幼児から上は小学校高学年くらいまでの年の離れた子供たちが、お互いに気を付け合って時間を忘れて遊びまわっていました。

 こんな子供時代を過ごせたのは、今のご時世からすれば、ものすごく贅沢だったのかもしれませんね。



 しかし、いいことばかりではありません。

 子供だけで田んぼで遊ぶとなると、ある問題が生じます。


 ヤンチャなさかりの子供のことですから、歯止めがきくわけがない、そう、興奮してやりすぎちゃうのです。

 つまり、すべってころんで、泥田や水路にドボン! とハマるわけですね。


 子供のころ田んぼで遊んでて、と親にほったらかしにされて、田んぼで素直に遊んで頭の先からつま先まで泥んこになって家に帰ると、親のカミナリをくらったもんです。

(ちゃんということを聞いて遊んできたのに、なんで怒られなあかんのやろ? と子供のわたしは不思議に思ったものですが)



 さて田んぼにハマるのは、なにも遊んでいた子供時代だけではありません。


 田舎ゆえに、中学・高校と自転車通学だったのですが、この土地特有の季節風にあおられて自転車ごと田んぼにハマりました。


 季節風ごときとなめちゃいけません。

 風速にしたら台風並みの突風が、情け容赦なくガンガンふくんです。

 こわいですよ~、そんなのうけたら、抗えませんよ~?

 あれよあれよという間に流されて、ズドン、といっちゃうんです。



 大人になって免許を取って車をもてる年代になると、同級生が田んぼに愛車をつっこませてハマって動けなくなり、JAFさんのお世話になってました。


 ……真冬の吹雪のさなか、近道だからと田んぼ道を走らせていたらしいのですが、雪で水路や田んぼが全て埋まってしまい、道と真っ平らになってしまっていたんだそうです。

 田んぼに電灯なんかありませんし、時代的にカーナビもありませんし、そりゃもう見事に突っ込んだそうです。



 でも別に、私の子供時代に限ったはなしではないんですよ?

 息子も友達と一緒に外遊びをしていたとき、魚とりに夢中になりすぎて用水路落ちを経験してます。


 たまたま犬の散歩の最中に、川からはいあがった直後で胸からしたが泥んこになった息子に遭遇したときのショックというかなんというか……笑いをこらえるのが大変でした。

(ごめんね、息子)

 帰り道、自転車をひく息子の靴の中にたまった泥水が、ずっこらずっこらと奇妙な音を立てていたのはご愛嬌、いまでも忘れられない思い出です。


 娘二人もお手伝いとしょうしての泥遊び中に、調子にのりすぎからの転んでお尻に丸い黒マーク作ってべってべた、になったことがあります。



 息子の友人は高校入学間もない通学途中、風にあおられて自転車ごと田んぼにハマり、危うく遅刻しかけたらしいです。


 かくいうわたしも、いい年をしながら、いえ……いい年だからですかね~……。


 田んぼ道にて犬の散歩をしていたときにですね、引っ張られて体勢をくずしていたせいもあるんですが、やっぱり風におされてハマりました。

(誰も見ていなかったのを幸いに、そのままにして逃げちゃいました。すいません、ご近所の○○さん、6年くらい前の春先、おこしたばかりの田んぼに大穴開けたバカモノはこの私です。今この場をお借りしてあやまります、ごめんなさい、ごめんなさい)



 数年に一度は、軽トラックが田んぼに不可解なハマり方をしてJAFさんのお世話になっているところを目撃されて『あそこの田んぼにハマってた軽トラ、誰んとこのや?』という話題がとびかいますし、下手をすると『○○さんとこのトラクターが泥田にハマって抜け出せんくなった! 手ぇかしてくれ!』という大騒ぎも持ち上がります。

そうなると近所のおっちゃん連中総出動で、『ハマったトラクター救出作戦』が敢行されます。



そんな田んぼにハマりまくりの、お米にかかわるつぶやきを数回にわたってお送りしたいと思います。


お付き合いくだされば、さいわいです。



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