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プロローグ 3

「お嬢様!?」


「お嬢様!? 大丈夫ですか!?」


 後ろのメイドたちが心配して騒いでいます。しかし私は驚きはありましたが、不快なものはありませんでした。

 私を包みこんでいる光は温かく、どこか優しく抱きかかえられているような心地よさを感じていたからです。

 やがて光が収まり、魔方陣の真ん中には片腕に抱えられるほどの大きさの一匹の魔物がいました。


「ぷ、プチドック……?」


「そ、そんな。なにかの間違いでは?」


「先ほどの異常な光といい、魔方陣になにか問題があったのでは」


「わ、私の魔方陣に問題なんてあるわけないわ! 誰かがなにか仕掛けたのよ!」


 後ろでまたもメイドが騒いでいます。騒いでいる理由は分かっています。

 プチドック。最低ランク、Gランクの無属性の魔物。子供でさえ倒せる魔物です。

 才能に準じ、ステータスにもなる使い魔がGランクであることは外聞が良くないことは事実。特に公爵家の長女が無属性のGランクを召喚したとなれば、それはもう大変でしょう。それは分かってます。ですが……。そんなことがどうでも良くなるくらい。


「か、かわいい……」


 そう! かわいいのです! 召喚されたことに驚いているのか自分の体を確認するようにくるくる回り、ちょこっとこけたり、怯えているのでしょうか? 周囲を見渡して耳をぺたん、と伏せながらプルプル震えたり。よしよし、私が御主人様ですよ?

 しかし、近づいて撫でようとすると警戒するように腰を低くし、体に力を加えています。

 あれ? 召喚の魔方陣には使役の魔法が組み込まれているので、主人を本能的に理解するはずなのですが。

 ど、どうすれば? 今まで私に逆らうものなどまずいなかったし、いたとしても直ぐにねじ伏せてきました。そもそもほとんどの人が自分から私に擦り寄ってきましたし。

 私の経験はそんなものばかりなので、警戒している相手に自分から近づくなんてことはしたことがなかったのです。このまま撫でてもいいの?それともなにか餌とかで餌付けを……?


「や、やっぱり。お嬢様、これはなにかの間違いです。使役の魔法もうまく発動していないみたいですし、やり直しましょう! その魔物はすぐに処分いたしますので」


 処分?こんなにかわいい子犬を外聞が悪いから処分? ……へえ?


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