表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミラー;タイプ  作者: 宛 幸
プロローグ1
4/21

着いていく先

 俺の誠意のこもった──相手がどう思ったかは知らないが、お願いに応じてくれたのはその場のリーダーらしき人物だった。


「わかりました。突然のことで皆さん混乱しています。この場は私、ランカ=フォン=ベーリルが預かります。ムラーノ先生、宜しいですね?」

「……は、はい。お任せします」

「では、そこのタオル一枚の貴方(あなた)、私に着いてきてください」


 先生と呼ばれたその人も戸惑っていた様子で、リーダーらしき人物、ランカと名乗った彼女に頷いて着いていくことにした。


「アトリシアさんも着いてきてください」

「え……あ、はいっ」


 俺がランカの後に着き、そしてランカの後ろにアトリシアと呼ばれた近くにいた女子が俺を不審そうにチラチラと見ながら着いていく。

 授業中だったからか、途中誰とも会わずにいたが、ランカは迷わず真っ直ぐに『校長室』と表記されたネームプレートがぶら下がる部屋の扉の前まで歩き、扉を二度軽くノックして開けて入る。


「失礼します」


 礼儀正しくこなすランカの後に続き、背中を丸め不安がるアトリシアと真っ裸と言ってもいい俺も室内に足を踏み入れる。


「何だ、どうした。突然の来訪者だな」

「すみません。校長と話し合いたい件が緊急に出来てしまい、至急お耳に入れようとこうして訪れました」

「なるほどなるほど。いいだろう、その案件とやらを話してみるがいい」


 校長と呼ばれ、偉そうな上から目線の物言いをするその人は、高級感のあるチェアを回しこちらを向く──。


「案件というのも、召喚の授業中にこのケーシャ=アトリシアが召喚をしたところ、ここに居る男が現れました。しかも、タオル一枚の、全裸です」

「なるほどなるほど、それはそれは至急な案件だ。素晴らしく素早い対応だ。さすがだね、ランカ=フォン=ベーリルくん」


 感心した様な口振りでチェアから降りこっちへ寄ってくる〝校長〟。


「さ、君達ひとまず座りたまへ」


 その人は、小学生と見間違える程の背の低さだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ