表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/12

「……それでね、平田は直江君が中二病だと思ってるみたいなの」

「中二病か。あんまり言われたことないな」

学校からの帰り道、直江君と私はそんな会話をしていた。

「直江君、もうすぐ夏休みだよ。どこか行こうよ」

「そうだね、考えておく。それより、ちょっと真面目な話なんだけど」「何?」

直江君がこんな話を切り出すのは初めてのことだ。

「高校を卒業したら俺達は別の道を進むわけだけど……もしそうなったら、この関係は終わるわけだよ」

「あ……そうなるね」

遠距離恋愛など私達にできるはずもない。私は直江君と一緒にいたいと告白したのだ。一緒にいることは出来ても、世間一般で言うような恋愛関係にはなれない。「良かったら、その辺考えてくれないかな」

「……分かった」

それからしばらくの間、私達は無言で歩いた。

「……あ、この辺で」

「うん、じゃあね」

直江君と別れ一人きりの家路につく。気付けばもう空は暗くなっていた。

「これから、か……」

独り言を呟きながら歩いていると、正面に人が立っているのに気付いた。

(……?)

黒いジャケットにフードを被り、無言で佇んでいる。「こんばんは」と呼び掛けても返事がない。

不気味に思っていると、その不審者はポケットから光るモノを取り出した。

瞬間、学校での会話が脳裏を過る。『何を買ったと思う?』『さあ』『折り畳み式のナイフ』

「直江君……?」

うっかり声に出してしまったが、よく考えてみるとそれは無理がある。まだ別れて数分なのに、着替えて待ち伏せなんて不可能だ。第一、襲うなら一緒に歩いている時に襲えばいい。

「ぎひ」私の言葉を聞いた不審者は醜悪に笑う。その声は、やはり直江君のものではない。

「ひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ、いひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ……」

恋人への疑いは晴れたがこの状況はヤバいだろう。なんて呑気に考えていると突然、不審者がこっちに走って来た。

「ひひゃはぁ!」

「きゃああああ゛!」 私も必死になって逃げる。こんなに本気で叫んだりはしったりしたのは何年ぶりだろう?

数百メートル走ったあたりで後ろを振り返る。もちろん走ったままで。

不審者は私のずっと後ろを走っていた。

「……あれ?なんだ遅いじゃん」

とは言っても相手は不審者。油断は出来ない。

そう思って、全速力のままで家に帰った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ