表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/13

第八話:『封印』の真意と、最強パーティからの「新たな契約」

プロローグ:『50』が象徴する、究極の選択

**全ステータス『50』**は、平凡の証ではなかった。

それは、俺、レオン・アスターの真の力——魔力999、筋力測定不能という規格外の万能性を、この世界のシステムが強制的に押し込めた**『究極の封印』**だった。

《均衡崩し》との戦いで、その秘密を暴かれてしまった俺は、最強パーティ【天剣の光芒】の三人から、究極の選択を迫られる。

「君は、その『封印』を解きたいか? 真の最強になれるぞ」

力を解放すれば、世界を救う英雄になれる。だが、それは、ゼノ、フィリア、カインが築き上げてきた**『最高の連携』を、俺の力で『上書きし、消し去る』**ことを意味する。

彼らの個性を否定し、**『暴走する怪物』となるのか?

それとも、『50』を貫き、彼らの『規格外の力』を支える『軸』**として、共に歩むのか?

レオンが選んだのは、**「最強の座」ではなく、「最強パーティの存在意義」**を守る道だった。

**『補欠』から、『均衡管理者バランス・キーパー』**へ。

これは、自分の力を**『封印』し、『最強の軸』**として生きることを選んだ男の、新たな物語の始まりである。

(本編へ続く)

《均衡崩し》を倒し、俺たち四人は学園の会議室に戻ってきた。だが、部屋の空気は、任務前とは比べ物にならないほど重かった。

俺の**全ステータス『50』が、『規格外の力の封印』であったという真実。フィリアが叫んだ魔力「999」、筋力「測定不能」**という数値が、全員の脳裏に焼き付いていた。

ゼノは神剣を机に置き、深く息を吐いた。

「レオン。改めて聞かせてくれ。君の**『50』は、君自身が意図して『安定』させているのか? それとも、システムが強制的に『封印』**しているのか?」

俺は正直に答えるしかなかった。

「……恐らく、両方です。十歳の時、ステータスを開示した瞬間、全ての数値が**『暴発』しそうになりました。それを、本能的に『均一な状態』へと押し戻しました。その結果、システムがその『均一』を捉え、『50』という形で『規格内の数値』**として固定したんだと思います」

つまり、俺の『50』は、**『俺が自分で暴走を防ぐために作った安定点』を、システムが『規格として認証して封印した』**結果だった。

カインは信じられないものを見るように俺を見た。

「マジかよ……。俺たちは**『極端な才能』に選ばれた。お前は、『才能が極端すぎて、選ばれなかった』**ってことか」

フィリアは静かに頷いた。

「そうよ。レオンの真の力は、私たち個々の特性を遥かに凌駕する**『万能』。もし、その力が解放されれば、ゼノの『過剰破壊』も、私の『未来予知』も、全てレオンの『力』**の中に組み込まれてしまう」

その通りだ。俺の力は**『全てを極める』方向に向いていた。もし解放すれば、最強パーティは俺一人で完結**してしまう。それは、彼らの存在意義を否定することに繋がる。

ゼノは静かに俺の目を見つめ、一つの問いを投げかけた。

「君は、その**『封印』を解きたいか? 君が本気を出せば、俺たちを超える『真の最強』**になれる」

会議室に、張り詰めた沈黙が流れた。

俺が力を解き放てば、瞬く間に世界を救う英雄になれる。誰もが羨む地位と名声が手に入るだろう。

だが、俺は首を横に振った。

「解きません。俺は、**『50』**でいたい」

ゼノは驚きもせず、俺の決断を待っていた。

「俺が**『測定不能』の力を解放したところで、それはただの『暴走する怪物』です。そして、その力は、あなたたちの『特性』**を消し去るでしょう」

俺は、ゼノ、フィリア、カインを見た。彼らは、自分の才能を極め、その欠陥に悩みながらも、互いを支え合って最強を築き上げてきた。

「俺の**『50』は、あなたたちの『欠陥』を埋める『安全装置』です。俺は、あなたたちという最高の歯車が、最高の効率で動くための『軸』でありたい。その役割に、俺は存在意義**を見つけました」

俺の言葉を聞き、三人は初めて、心からの笑みを浮かべた。

「そうか。君は、**『最強であること』ではなく、『俺たちの軸であること』**を選んだんだな」ゼノは満足げに言った。

最強の「軸」への昇格

ゼノは立ち上がり、俺に手を差し伸べた。

「レオン。君の**『50』は、もはや『補欠』ではない。最強の力を持つ我々が、規格内で活動するための『前提条件』**だ」

ゼノは真剣な表情で、**『新たな契約』**を告げた。

「俺たち【天剣の光芒】は、君を正式な**『第四の構成員』として迎える。職業は『万能職』ではなく、『均衡管理者バランス・キーパー』**だ」

均衡管理者バランス・キーパー

それは、『50』の封印を維持し、最強パーティの**『規格外の力』をこの世界という『規格』**に留める、最も重要な役割を持つ存在。

「君の役割は、俺たちの**『チューニング・ギア』。もし、君の『50』が揺らぎそうになったら、俺たちは全力を尽くして、君の『安定』を支える。それが、俺たち三人と君との新たな契約**だ」

俺は、ゼノの手を握った。その手には、測定不能の力ではなく、**『信頼』と『役割』**という、確かな重みがあった。

**全ステータス『50』**の俺は、最強を超える力を持ちながら、**最強パーティの『軸』**として、共に世界を歩むことを決めた。

(続きは次回)

**第八話「『封印』の真意と、最強パーティからの『新たな契約』」**をお読みいただき、誠にありがとうございます!

このエピソードで、主人公レオンの物語の核となる選択が確定しました。自分の**規格外の力(真の最強)を解放する道ではなく、『50の封印』を貫き、最強パーティの『軸』**として生きる道を選んだレオン。この決断が、彼の存在意義を真に確立しました。

そして、レオンは単なる「補欠」から、最強パーティ【天剣の光芒】の正式な第四の構成員、**『均衡管理者バランス・キーパー』**へと昇格しました!

彼の**『50』は、最強たちの「安定」**を保証する、最も重要な力として認められたのです。

さて、レオンの立場は確立されましたが、彼を巡る問題は終わりません。

次話から、物語は学園の外、本格的な大規模任務へと移ります。その任務の裏側には、レオンの**『封印された力』**を狙う、世界のシステムそのものに迫る勢力の影がちらつき始めます。

レオンの**『50』の安定性は、彼らの存在を知る「証拠」**として、逆に危険に晒されることに。

最強の盾を得た【天剣の光芒】と、最強の規格外を狙う世界の裏の勢力。

第九話、物語はさらに大きく動き出します! ぜひご期待ください!

作者: nice貝

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ