第十三話:『規格の崩壊者』の影と、世界が求めた「偽りの安定」
プロローグ:最終防衛ラインと、世界の規格を打ち破る一撃
全ステータス『50』。
その数値は、俺、レオン・アスターの規格外の力を抑え込む**『究極の封印』であり、この世界のシステムが自らの限界を超えて作り上げた『最終防衛ライン』**だ。
俺の**『50の安定』は、最強パーティ【天剣の光芒】の規格外の自由を守るための『軸』となった。しかし、その安定は、世界の管理者である「観測局」の統括者テンペスト**との直接対決という、最大の試練を迎える。
《システムの揺り籠》。この世界のステータス・システムの中枢で、テンペストは俺の**『50の安定』を揺さぶり、『封印』を解くか、『規格の崩壊者』として排除されるかの究極の選択**を迫る。
俺の武器は、測定不能の真の力ではない。俺が**『安定』を選び取ることで生まれた『奇跡』、『50の揺るぎない安定』**、それ一つだ。
均衡管理者としての最後の使命。
俺の**『50』が、世界の『規格』に勝利し、最強パーティの『自由』**を守り抜く、運命の一撃が放たれる。
(本編へ続く)
**《システムの揺り籠》**での戦いから、数ヶ月の月日が流れた。
観測局の統括者テンペストを退け、システムの**『規格』に亀裂を入れた俺たち【天剣の光芒】は、その勝利によって、世界の裏側で『規格外の均衡管理者』**として広く認知されるようになった。
ゼノ、フィリア、カインの三人は、以前よりもさらに大胆に、そして効率的に規格外の力を行使する。なぜなら、彼らの力は、俺の**『50の安定』によって、「規格の壁を破りながらも、秩序を維持する」**という新たな段階に入ったからだ。
俺の**全ステータス『50』は、世界の『規格の最終防衛ライン』であったと同時に、今や『新たな規格の定義』**の礎となっていた。
しかし、平穏は長くは続かない。
「50」の揺らぎと、新たな脅威
ある夜、俺はひどい悪夢にうなされた。
夢の中で、俺の**『50の安定波動』が、まるで砂城のように崩れ去る。魔力999と筋力測定不能の真の力が暴走し、世界を混沌に突き落とす映像だ。目を覚ますと、俺の胸の中の『50』の安定は、微かに、しかし確かに揺らいでいた**。
「レオン、大丈夫?」
隣で寝ていたフィリアが、心配そうに俺の顔を覗き込んだ。俺たちは、信頼関係の深化に伴い、ダンジョン外でも常に行動を共にすることが増えていた。フィリアの魔力は、俺の安定が崩れそうになるのを、無意識に察知するのだ。
「ああ、少し……不安定な夢を見た」
翌朝、ゼノは俺の顔色を見るなり、事態を察した。
「レオン。君の**『50』が、外的な要因で揺さぶられている。テンペストは、この世界のシステムを守る管理者だった。だが、システムを『崩壊』**させようとする勢力も存在する」
その勢力とは、**『規格の崩壊者』**と呼ばれる、かつてシステムに排除された者たちだ。彼らは、極端な不安定な波動を持ち、世界を混沌に戻そうと画策している。
そして、彼らの標的は、世界の秩序の要となった俺の**『50の安定』**だった。
規格の崩壊者からの挑戦状
その日の午後、観測局からの残された観測装置が、奇妙なメッセージを記録した。
『均衡管理者よ。貴殿の**「偽りの安定」は、我々の「真の自由」にとって邪魔だ。貴殿の『50』は、我々が排除できなかった「唯一の安定点」。その安定を崩し、貴殿の「真の規格外」を世界に解放する。さすれば、世界は再び「自由な混沌」**を取り戻すだろう』
署名は、『クロノス』。かつて、システムによって**「時間操作の規格外」**として追放された、伝説的な規格の崩壊者だ。
「奴らの狙いは、レオンの**『封印』を解くことよ」フィリアが緊迫した表情で言う。「あなたの力が解放されれば、世界は規格の限界**を超え、制御不能になる」
「つまり、俺の**『安定』が、奴らにとっては『最も排除すべき脅威』**ってことか」俺は拳を握りしめた。
ゼノは神剣を抜き、力強く言った。
「レオン。君の**『50』は、もう『最終防衛ライン』ではない。君の『50』は、『新たな世界の規格』だ。この世界を安定させながら、規格外の可能性を維持する。それが、俺たち【天剣の光芒】**が共に目指す道だ!」
規格外の力が、規格の崩壊を防ぐ。
俺は、最強の仲間たちと共に、世界を混沌へと導こうとする規格の崩壊者たちとの、新たな戦いに挑む。(第二章:『均衡管理者』の物語へ続く)
**第十三話「『規格の崩壊者』の影と、世界が求めた『偽りの安定』」**をお読みいただき、誠にありがとうございます!
第十二話で物語は一つの区切りを迎えましたが、レオンの**『均衡管理者』**としての物語は、新たな段階へと進みました。
俺たち【天剣の光芒】は、世界の管理者**「観測局」を退け、『規格外の安定』という新たな秩序を確立しました。しかし、この勝利は、その秩序を「真の自由への障害」と見なす、『規格の崩壊者』**という、さらに危険な勢力を呼び覚ましてしまいました。
特に、伝説的な時間操作の規格外である**『クロノス』は、レオンの『50の安定』こそが、彼らが世界を混沌に戻すための「最後の鍵」であると見抜き、直接的な「崩壊」**を仕掛けてきます。
次話では、レオンが抱いた**「不安定な夢」の正体が、クロノスの時間操作による巧妙な精神攻撃であることが判明します。レオンの『50の安定』**は、時間や空間の軸の歪みをも調整する、究極のチューニング能力へと進化することが求められます。
そして、フィリアは、レオンの**『50の波動』を解析することで、『規格の崩壊者』**に対抗するための、時間軸におけるレオンの真の役割を発見することに……!
第十四話も、どうぞご期待ください!
作者:nice貝




