第十二話:『50』の決断と、世界の規格を打ち破る一撃
プロローグ:最終防衛ラインと、世界の規格を打ち破る一撃
全ステータス『50』。
その数値は、俺、レオン・アスターの規格外の力を抑え込む**『究極の封印』であり、この世界のシステムが自らの限界を超えて作り上げた『最終防衛ライン』**だ。
俺の**『50の安定』は、最強パーティ【天剣の光芒】の規格外の自由を守るための『軸』となった。しかし、その安定は、世界の管理者である「観測局」の統括者テンペスト**との直接対決という、最大の試練を迎える。
《システムの揺り籠》。この世界のステータス・システムの中枢で、テンペストは俺の**『50の安定』を揺さぶり、『封印』を解くか、『規格の崩壊者』として排除されるかの究極の選択**を迫る。
俺の武器は、測定不能の真の力ではない。俺が**『安定』を選び取ることで生まれた『奇跡』、『50の揺るぎない安定』**、それ一つだ。
均衡管理者としての最後の使命。
俺の**『50』が、世界の『規格』に勝利し、最強パーティの『自由』**を守り抜く、運命の一撃が放たれる。
(本編へ続く)
俺たち四人は、ゼノが転送陣に施した特殊な魔術によって、観測局が指定した場所、**《システムの揺り籠》**へと転移した。
そこは、空間が常に白く輝き、魔法の法則さえもが数値化されて浮かんでいる、異質な場所だった。まさに、この世界のステータス・システムの中枢。
部屋の中央には、一人の老人が立っていた。細身だが、その瞳は世界の全てを見通すような鋭さを持っている。
「ようこそ、均衡管理者、レオン・アスター殿。そして、規格外の**『不均衡の徒』**たちよ」
老人は静かに名乗った。
「私が、観測局の統括者、テンペストです」
テンペストは、俺の**『50の安定波動』**を正確に観測し、俺に問いかけた。
「レオン殿。我々は、貴殿の**『50』を『規格の最終防衛ライン』として認識しております。貴殿の協力があれば、我々は、貴殿の背後にいる規格外の力を排除することなく、『規格内の例外』**として永遠に監視下に置くことができる」
それは、俺の**『50』を檻として使い、ゼノたちの自由**を奪うということだ。
「貴殿の安定は、世界にとって秩序です。我々の監視下に加わり、世界の規格の安定を共に守ってはいただけませんか?」
ゼノが前に出る。「断る! 俺たちの自由は、誰にも渡さない!」
テンペストは冷ややかに笑った。「規格外の不均衡は、いずれ世界を破滅に導く。貴殿方の力が強すぎるゆえに、世界は崩壊に傾いているのだ」
「違う!」フィリアが叫ぶ。「私たちは、規格外の力でも、秩序を守っている! それを可能にしているのが、レオンの**『50』**よ!」
『均衡管理者』の最後の使命
テンペストは、俺の**『50の波動』を、自身の魔力で『揺さぶり』**始めた。
「貴殿の安定は、脆い。我々が本気で揺さぶれば、すぐに**『封印』は解ける。さあ、レオン殿。『50』を解き放ち、我々を超える規格外の存在となるか。それとも、この場で『安定』**が崩壊し、規格の崩壊者として排除されるか、選ぶが良い」
俺の**『50の安定』**が、激しく軋み始めた。
このままでは、俺の**『最終防衛ライン』が破られ、魔力999、筋力測定不能の力が暴発する。そうなれば、この《システムの揺り籠》**ごと吹き飛び、世界は混沌に陥る。
だが、俺は知っている。俺の**『50』は、ただの封印**ではない。
俺の**『50』は、『規格の限界』を超えて、俺が『安定』を選び取ることで生まれた『奇跡』**だ。
俺は、目を閉じ、全身全霊で**『50』を『維持』する力ではなく、『押し出す力』**に変えた。
「俺は、**『50』**を解き放ちません」
俺の身体から、『50』の安定波動が、これまでになく強く、均一なエネルギーとして噴出した。それは、テンペストの**『揺らぎ』**を打ち消し、逆流させる。
「俺の**『50』は、あなたたちの規格の限界で生まれたものです。だからこそ、俺の『安定』は、あなたたちの『規格』**を打ち破る!」
俺は、**『50の安定波動』**をカインに叩き込んだ。
「カイン! **『標準の慣性』を最大限に引き出せ! 最速で、奴の『観測装置』**を破壊しろ!」
「任せろ、均衡管理者!」カインは一瞬で姿を消した。俺の波動で**『標準の慣性』を極限まで引き出されたカインは、『規格内最速』**の壁を突き破る。
そして、俺はゼノを見た。
「ゼノさん! **『規格内の欺瞞』**を、規格外の力に変えてください!」
ゼノは獰猛に笑った。「最高の注文だ、レオン!」
俺の**『50の安定』は、ゼノのSTR250に注入される。それは、『規格の上限200』を遥かに超えた、『規格外の安定した一撃』**を生み出した。
「規格外の力を、規格内の安定で制御する! これが、俺たちの新しい規格だ!」
ゼノの神剣が、テンペストの背後にある、空間に浮かぶ**《システムの揺り籠》**の中枢を貫いた。
カキィン!
カインは、テンペストが隠し持っていた、この空間の**『制御装置』を破壊した。同時に、ゼノの『規格外の安定した一撃』が、システムの『規格』**を定義する中枢に、亀裂を入れた。
テンペストは驚愕に目を見開いた。
「バカな……『50』が、我々の規格を……」
**《システムの揺り籠》**が崩壊し始める。テンペストは消え、空間は元の世界へと戻っていった。
俺たち四人は、学園の会議室に戻っていた。
「勝ったぞ、レオン!」ゼノが歓喜の声を上げた。
俺は、全身の力を使い果たし、崩れ落ちた。だが、俺の胸の中では、**『50の安定』**が、力強く脈打っていた。
**全ステータス『50』の俺は、最強を超える力を持たずとも、最強のパーティの『軸』として、この世界の『規格』**を打ち破ることに成功したのだ。
第一章(終)
**第十二話「『50』の決断と、世界の規格を打ち破る一撃」**をお読みいただき、誠にありがとうございました!
このエピソードをもって、全ステータス『50』の俺が、なぜか最強パーティの補欠に選ばれた理由という第一部が完結となります。
レオンの**『50の安定』は、世界の管理者テンペストとの究極の対決において、単なる「封印」ではなく、「規格の限界を超えた安定」であることを証明しました。ゼノ、フィリア、カインの信頼と連携を得たレオンは、その『50の波動』をもって《システムの揺り籠》を打ち破り、最強パーティの『規格外の自由』**を守り抜きました!
レオンの**『50』**は、補欠の烙印ではなく、**世界を安定させ、可能性を広げる『新たな規格』**として定義されたのです。
しかし、レオンと【天剣の光芒】の戦いは終わりません。
彼らが世界の規格に亀裂を入れたことで、今度は**『規格の崩壊者』という、混沌を望む新たな勢力が動き出しています。彼らは、レオンの『50の安定』こそが、自分たちの「自由」**を阻む最後の壁だと認識しています。
続編では、レオンは**『均衡管理者』として、最強の不安定を求める規格の崩壊者たちとの、次元を超えた戦いに挑みます。レオンの『50』**は、時間や空間の軸の歪みをも調整する、究極のチューニング能力へと進化していくでしょう。
新たな章でお会いできることを楽しみにしています!
作者: nice貝




