第20話:さて、これからについてだな
妙な珍客、真祖吸血鬼のエトワールがアシハラにやってきたその夜。俺と嫁殿は大社にて今後についての話し合いをすることになった。
・・ちなみにこの大社はナギや千姫たちの計らいで夫婦専用の場として利用することにもなっている。つまり周りの目も気にせずにいちゃつけるってわけだ
「・・・とりあえず、状況を整理するけど・・」
俺と向かい合うように座った嫁殿が難しそうな顔をして指をおりつつ、これまでの事をぽつり、ぽつりと語りだした
「えーっと・・・今現在わかってることは・・・まず、諸悪の根源があの騎士帝国の可能がデカい。」
「あぁ、その通りだ嫁殿・・・まぁ、俺としちゃあ元から胡散臭い臭いしかしてなかったけどな」
正義を振りかざしてくる奴ってのはその裏に〝ろくでもないもの〟をひた隠しにしてる事が多い・・しかもあの騎士どもの口ぶりからすりゃあ誰一人、自分たちの行いが本当に正しいものだと勘違いしてやがる。
「・・・ほんと、あの時嫁殿を助け出せて正解だったぜ。」
煙管に火をつけ、そのまま紫煙を空に吐き出して嫁殿を見つめる。・・優しいお前の事だから一緒に召喚されたダチの事を気にしちゃいるんだろうが・・俺にとってはどうでもいい事だった
「ね、ねぇ・・狗凶。その・・・」
ふと嫁殿が申し訳なさそうに俺をちらりと見つめてくる。その視線に気が付き俺は半ば溜息まじりに息を吐けば先に言葉を返すことにした
「けっ・・・わかってるよ。お前のダチ共はちゃんと元の世界に返せるように俺も手伝う。」
「!・・・ありがとう、狗凶・・」
「だが、先に言っておくぞ?・・・・俺は元の世界に帰る気なんざ無いし、お前とこのアシハラで暮らすって決めてるんだからな?」
ぴし、と煙管の先を嫁殿に向けながら俺はあえて低い声で呟く。対する嫁殿は俺がわがままを言ってるな~と言わんばかりの苦笑いを浮かべたままだが・・俺は本気だぜ。嫁殿よ
「それは・・私のため?」
「・・・決まってんだろうが」
苦笑いを浮かべる嫁殿の腰を引いて目線を合わせる。
「・・・・そりゃ、俺を生み出した先祖やお前の家族共のせいだとしても・・・犬神筋は昔から疎まれる血筋なのは俺も十分理解してる・・けどな・・・お前は何も悪くないだろうが」
いままで見てきた悲惨なことも、お前は怒ってよかったはずなのに・・それでも、お前は笑顔のまま、けして誰かを恨むなんてことはしなかった
「・・・狗凶」
馬鹿な男だと思うだろ?・・でも。それでも俺はお前が大事なんだよ。・・・
・・・あの時から、ずっと




