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番い姉妹のコウモリちゃん

ピジョンタウンのミーモとキーモに登場する妹命の番い大魔王ハトモコときぃちゃんが主役のお話です

「姉さん、ハァハァ…新作のコウモリちゃん入った?」


血相を変え汗をかきながらハトモコが興奮状態でピジョンタウンの雑貨屋さん、パラレルワールドに来店した


「あらハトモコ、入ってるわよ。見る?」


ハロウィンに向けてパラレルワールドでは抱っこして寝たり飛んだりもするコウモリのぬいぐるみが入荷されたので

ハトモコは姉妹のコウモリがほしくてきぃちゃんに内緒で来店したのである


「まぁ…黒目がちなまぁるい瞳とモフモフで可愛いわ…これ…私ときぃちゃんの羽根…」


新作のぬいぐるみコーナーに大・中・小のモフモフのやわらかぁいコウモリのぬいぐるみたちが待機している


「さあ、この子たちの頭上にあなたときぃちゃんの羽根を落としてみて」


「ええ、いくわよ…それっ」


ハトモコはぬいぐるみたちに向かって自分ときぃちゃんの羽根をふわりと舞わせると…


パクリ! …


大きいコウモリと中くらいのコウミリが同時にそれぞれの羽根を加えた


「か、可愛い…あなたたちが来てくれるのね…」


二人のコウモリは頷きあい互いに抱き合った


「まぁ…美しい番い愛だわ…」


可憐なコウモリ姉妹に感動して打ち震えるハトモコにトトが白ココアを淹れてくれる


「ハトモコちゃん、よかったね。その二人は番いだよ」


「この大きい子がきぃちゃんの中くらいの子が私の羽根を選んでくれたのね。ありがとう姉さん。帰るわ…」


ハトモコは会計を済ませるとどこでもドアで急いで帰って行った



そうなのです


パラレルワールドのぬいぐるみには全員意思があり、自分たちで各自のマスターを選ぶのである


魔女や悪魔なら髪の毛を鳩人間は自分の羽根を抜いてぬいぐるみたちの頭上に落とすと行きたいと思ったマスターの髪や羽根をぬいぐるみ達が

掴んでお客様はその子をお迎えするのだ

いわばぬいぐるみがマスターを選ぶのである


まれにだが羽根を落としても誰も掴んでくれない場合、どんなに気に入った子がいても縁がないとみなされて強引に連れて帰れないのである

魔女で鳩人間のハトマとトトがお客様との一期一会を大切にして営む故のポリシーだ


「ハトモコちゃん、すぐに帰っちゃったね。ゆっくり見ていけばいいのに(笑)」


「うふふ、きぃちゃんが心配なのと1秒でも早く見せたいのよ…あの子らしいわ」



「ねーさん…どこに行ってたさん? 江戸とセブンポッポから帰ったらいないんだもん」


「おう、きぃ様が心配してたぜ」


ハトモコは鼻息を荒くしながらきぃちゃんにコウモリの大きいほうのぬいぐるみを差し出すと


パタパタと飛んで白目で微笑みながらハトモコそっくりな声で「きぃちゃん…」と囁いた


きぃちゃんは瞳をキラキラと輝かせてそのコウモリを抱きしめる


「可愛い! ねーさんにそっくりさん♪」


「ええ、ええ。あなたの羽根を落としたらその子が咥えたのよ…ハトモコ族なのね」


満足そうなハトモコの左肩には中くらいの目の離れたコウモリがチョコンととまって「ねーさん…」と囁いている


「ああ…きぃちゃんにそっくり…きぃ族だわ…ふふ…ふふふ。きぃちゃん、この子たちはねつがい姉妹なのよ。


ハロウィンに向けて入荷されるって聞いて予約しておいたの」


「ほんとだ。きぃにそっくりさん(笑)」


「俺もほしいな…」


うらやましそうにポツリと呟く江戸にハトモコはニヤリとしながら小さなコウモリのぬいぐるみを差し出した


パタパタパタ…


小さなコウモリは柴犬になって二本足で立っている江戸の肩にとまり、「江戸…」と、きぃちゃんそっくりな声で話しかける


「すっ、すげぇ! きぃ様にそっくりだぜっ」


「ふふふ…いつも守ってくれている騎士のあんたを仲間外れにするわけないでしょ…気に入った?」


「お、おう…こんなに嬉しいことってねぇぜ…ありがとよ…ハトモコちゃん」


感動のあまり号泣する江戸にきぃは優しく微笑んだ


「ねーさん、グッジョブ♪江戸、よかったさんね。」


「きぃ様によく似てるぜ。目の離れ具合もおんなじじゃねぇか…うう…素敵なサプライズをありがとうよぉぉ…」


「いいのよ。きぃがあんたをブラッシングしたときに抜けた毛を持って行って落としたらその子が咥えたの」


「そうだったのか。ハトモコちゃん、お礼に何でも好きなモノ奢るぜ」


きぃは笑いながら


「いいよ、セプンポッポでねーさんの好きなスイーツやハンバーガーもいっぱい買ってきたさん」


「嬉しいわ…皆で食べましょう、皆、いらっしゃい」


「カメちゃん、じゅりっちゃん、トモじゅりちゃん、おいでよ~♪あ、ピュルちゃん姉妹も来てるさん」


ハトモコのお取り巻きの小鳩ちゃんたちがトタトタとやってくる


「あら、ピュルちゃんたちもいるのね♪嬉しいわ…ふふふ」


ご存じ、インコの八百屋さんを営んでいるピュルちゃんとトモピュルちゃんはジニーの娘のきぃママ子の娘たちでお取り巻きメンバーである


「ハトモコちゃん、ピュルル♪ 甘いカボチャプリン、作ったピュル」


「美味しいから、食べてピュルル」


「え、ええ…可憐なだけじゃなく優しい子たち…ふふふ」


目じりを下げながらデレデレしているハトモコにきぃはひと言


「ロリコンの浮気者…」


「くるっ!」


「きぃちゃんっ!! ち、違うわ、あくまでピュルちゃんはお取り巻きのひとりであってあなたと一緒にはしていないわ」


焦りながら白目で言い訳するハトモコを見てピュルはがっかりして寂しそうに俯いた



「そうなんだ…ピュルル」


「はっ、ち、違う…ピュルちゃんっ、あなたは大切な妹だわっ…でも…私の血の滴る心臓はきぃのモノ…」


「いらないよ…それより、この子たちに名前つけなくちゃ」


「そうだった…この子はキィモリ」


「あはは、きぃにそっくりだもんね。じゃあ、この子はネーモリさん」


「お、俺の子はきぃちゃまにするぜっ」


「素敵な名前だべ」真っ赤なほっぺで拍手する性格のいいお煎餅職人のカメちゃん


「ピュルル、ふわふわの可愛い番いコウモリちゃんピュル」


「トモピュルも欲しいピュルル~、マキピュル、パラレルに行こうよ」


コウモリちゃんたちが欲しくなったピュル姉妹


「ジュリ…きぃちゃんとハトモコちゃんにそっくり…面白いジュリ」


「ジュリ…あたしもマキジュリに似たコウモリちゃんほしいジュリリ」


同じく自分たちも買おうと心に誓ったシマエナガ姉妹のじゅりっちゃんとトモじゅり


「うふふ、じゃあ明日パラレルに行く?」


「賛成♪ いくいく~」


「じゃあハトマ様に言っておいたほうがいいぜ」


「メールしておくわね」


ハトモコはコウモリちゃんが大好評でピュル姉妹とカメちゃんとじゅりっちゃん姉妹が欲しがっていることをメールで伝えた

控えめなカメちゃんは何も言っていないがお取り巻きの性格は熟知しているハトモコなのだ


数分後…


ハトマから返信がくる


「ピュルル、ハトマちゃん、なんだって?」


「今からいらっしゃいって…」


皆の目の前でどこでもドアが現れハトマとトトが顔を覗かせる


「いらっしゃいよ、可愛い子たちがいっぱい待っているわ♪」


わぁい♪


ピュルル♪ ジュリリ♪


喜び勇んでお取り巻きの小鳩たちはパラレルワールドに走って行った




「この子たちは可愛いからほしくなっちゃうわよね」


「そういえば…そろそろミーモちゃんとキーモちゃん来るさんよ」


「どうせどこでもドアで来るんだろう? お、ルディも一緒か」


「ルディくんは江戸のワン友だもんね」


「お、おう♪親友だぜ」


噂をすれば数分後…


「ハトモコちゃ~ん、きぃちゃん♪」


「きちゃった~みてみて~」


「こんにちわ。お邪魔します」


お供にミーナの作ったもこもこコウモリちゃんたちを引き連れてどこでもドアからミーモとキーモと江戸がやってきた



















ミーモとキーモの元ネタはこの二人でずっと描きたかったねーさんときぃちゃん

そんな二人を見守る騎士の江戸は女王でハトモコ姉妹の母、ジニーと父で王のダン・セフィロスの幼馴染。スーパーモデル顔負けのスタイルでイケメンな長身の騎士なのですがきぃちゃんに可愛がられたい一心で魔力で柴犬となりきぃちゃんにアイシャドウを塗ってもらって喜びながらハトモコときぃちゃんを見守っているのです。

亡き妹と大切にしている大好きな世界なので見つけて読んでくださった方、ありがとうございます。

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