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百合ロボ娘VS大怪獣 〜ガールズ・ロボット・ラブ〜  作者: 紫電
第九話「逆転!参上!あんずちゃん!!」甲殻怪獣ドブスタイタン登場
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燃えるコンビナート

 三重県の石油コンビナートでも濁った雨が降りはじめた、サルビアが猫鈴猫のデータを採取した直後の事だ。


「MINT、出動!!」

「了解!」


  ユキヒラ、アオイ、リンドウの三名はイキシアに搭乗し石油コンビナートを目指して飛び立つ。


「お姉さま、私も行くよ!デートの先も考えといてよね、怪獣か宇宙人か、どのみち私が倒すから!!」


 そう言うと猫鈴猫は香燐の返事を待たずに一方的に自分の鼻を彼女に押し付け、MINT基地を飛び出した。


「...なんだか、違うのよね、今のこれは...寂しくなんか...無いけれど」


 香燐は自分の鼻を軽く人差し指で押さえてみる...と、ちょっと鼻水が出て来た。汚い。


「“隊長!あの雲の中に巨大な熱源反応があります!!“」

「“2号、3号、両機ともに雲の中にありったけの攻撃を!“」

「“了解!“」


 イキシアに備わるレーダーで雲の中にいる生物の存在を特定したアオイからの通信を受け、ユキヒラは攻撃を指示。


ミサイルやレーザーがコンビナートの空を覆って、泥水の雨を降らしている雲の中へと吸い込まれてゆく。


雲の内部が発光したかと思えば霧散...するとコンビナートのど真ん中に怪獣が立っていた!!


「“遂に姿を現したね“」

「”あ...あれは...“」

「“ちっ、胸糞悪い...」


 コンビナートに現れた怪獣の口元をよく見ると、児童用の衣服の一部が張り付いていた。


「“あの怪獣は餌として子供たちを!”」


 ユキヒラの瞳にも怒りの焔が灯る。ガスタンクに引火しないよう細心の注意を払いながらイキシアで怪獣を攻撃する。


「“なんて頑丈な怪獣なのでしょうか”」


 ミサイルの嵐を前にしてなお、朱く硬い装甲に覆われた体には傷一つ付いていない。


虫の蠢きと咀嚼音が混ざったような鳴き声を発した直後、怪獣は素早く拳を打ち出してイキシア三機を纏めて撃墜してしまった。


「“くっ...!脱出!!”」


 敵を始末した怪獣は先ず目の前の煙突をへし折り、ガスタンクを蹴り飛ばす。


蹴り飛ばされたガスタンクが他のガスタンクに直撃して大爆発と大爆発が同時に発生、コンビナートは火の海地獄と化してしまった。


挿絵(By みてみん)


「そこまでだっ!!!」


 これ以上の傍若無人を許さないと猫鈴猫があちらこちらで炎上と爆発が発生する灼熱地獄へと降り立った。


甲殻怪獣は猫鈴猫を見るなり突進してきたが、彼女は跳躍のち宙返りしてこれを躱すと共に、怪獣の背後を取って首元に蹴りを入れた。


突進の勢いのまま蹴り倒されて強打された怪獣の腹部に、強烈な衝撃が襲いかかる。


「にゃっ...!」


 猫鈴猫は倒れた怪獣の背中に飛び乗り、執拗に何度も両腕を振り下ろす、それでもなお怪獣の甲殻に傷はつかず、寧ろ猫鈴猫の手に亀裂が入っていた。


(...こいつ、硬い)


 ドブスタイタンは飛び起きる反動で猫鈴猫を振り落とし、彼女が起き上がると同時に顔面に泡を噴射した。


「ふぎゃっ」


 顔面に強力な溶解泡を浴びた猫鈴猫は苦しみながらも、海に飛び込む事で泡を洗い流した。


「...ふーっ!」


 海から飛び出しついでに、猫鈴猫は蟹の様な怪獣の背中にドロップキックを入れて、またもや蹴り倒す。


そして今度はすぐさま距離をとって、倒れているところに、必殺のアルギュロ・スペシャルを撃ち込んだ!だが!!


「!?」


 なんということだ。数多の怪獣を葬ってきた必殺の銀色光線もこの怪獣には跳ね返されてしまうようだ。


後退りする猫鈴猫に対して、ハサミ状の左手を開閉させながら迫る怪獣は目から強烈な閃光を放つ。


「ぎゃっ」


 ”海閃光”を浴びた胸が、水圧で押し潰されたかのような状態となった猫鈴猫は膝をついた。


「猫鈴猫ちゃんが危ない!!」

「援護します」

「はい!」


 MINTガンすら怪獣には全く通用しない、遂に猫鈴猫は大きなハサミ状の左手で首を挟まれ、宙吊りにされてしまう。


(なんて凄まじいパワーなの、逃げられない!)


 もがいていた猫鈴猫の腹部に、怪獣は空いている方の手でパンチを打ち込んだ。


「が...は...」


 怪獣の高速拳は宇宙製の特殊合金で出来ているはずの猫鈴猫の腹部に、風穴が空けられ、瞳を虚ろなものにする。


「あ...」


 乱暴に放り投げられた猫鈴猫は燃え盛るコンビナートの上に倒れたまま、もう動く事はなかった。


「猫鈴猫ちゃんが負けちゃった!」

「そんな...」


 敵を倒して満足したのだろうか、怪獣から彼女に対して、これ以上の攻撃が行われることはなかった。


ドブスタイタンの勝利の咆哮が轟くと、雨雲が空を覆い、激臭を放つ泥水を地上に降り注がせはじめた。

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