弔い合戦!
今回は文字数少なめ!
猫鈴猫は空中から急降下しつつアルバゴンの頭部に蹴りを入れて宙返りしたのち着地、瓦礫と砂埃を高く巻き上げる。
「にゃ...」
アルバゴンが本能のままに突進してきたので、猫鈴猫はその顔面を連続で殴りつけ腹部を連続で蹴る、一分も経たないうちに沢山の打撃を受けたアルバゴンは倒れ込み造船所を崩壊させた。
「アルゲントゥム・ミサイル...発射!」
瓦礫の山に仰向けで倒れるアルバゴンの顔に照準を合わせると、猫鈴猫の指が回転しながら発射され、怪獣の口内に侵入してから爆発した。
(怪獣の生命反応、八十パーセント低下か)
体内全体に爆発が広がったアルバゴンは、流石に死の淵に追いやられるが...窮地に立たされたことで逆にパワーを発揮した。
「にゃなっ!」
なんと倒れたまま地面をスライドして猫鈴猫に接近したアルバゴンは、彼女の強靭かつ細い脚に噛みついた。
猫鈴猫は頭を潰そうと指がひしゃげて間隔が広がるくらい力を込めるも、アルバゴンはまったく動じない。
「ふぎゃあっ」
脚に噛みついて損傷を与えただけでは埒が明かない、アルバゴンは猫鈴猫を空中へと放り投げて彼女が落下する直前、空中にて回し蹴りを浴びせる。
蹴り飛ばされた猫鈴猫は、先程アルバゴンが地盤ごと舞い上げて更地にした箇所にあった地割れに落下した。
(思ったより深い...頭から落ちたせいで、出にくい...)
アルバゴンは猫鈴猫が落ちた地割れに、せっせと砂をかけて彼女を生き埋めにしてしまうと、後ろで手を組んで楽しそうに、被せた砂の蓋をふみふみ。
...と、ここでようやくウミユリが浮上してきた。
「おい、お前の相手はこっちだぞ!」
ウミユリから閃光ミサイルが発射される!アルバゴンはこれが先程の激しい光を放つものと同じだと覚えている、撃破優先順位はこちらだ。
「ふにゃああああああっ!」
アルバゴンが閃光ミサイルに気を取られ、頭突きで粉砕している隙に、背後の穴から猫鈴猫が飛び出した。
彼女は自らの手首から先を銀色のブレードに変形させており、アルバゴンに振り返る暇も与えず、その体を貫いた。
「にゃああああっ!」
猫鈴猫がブレードで貫いたアルバゴンの体を、天に掲げる。
「ありがとう、猫鈴猫ちゃん。その怪獣は私が倒さなくちゃな」
潜水艇はアルバゴンに対深海生物血液細胞破壊光線ディープ・ブルー・レーザーを発射、数多の命を海に沈めた怪獣は粉々に砕け散る。
この直後、ロボット怪獣もMINTと防衛軍沖縄支部の共闘により撃破したと、アオイに連絡が入った。
「終わった...」
その夜、実家が管理する境内にて、巫女服姿で鳥居の前に立つアオイ隊員は星空を見上げていた、彼女の胸のうちには様々な感情が入り混じる。
「敵は討ったよ三船、玲さん... ... ...」
天に広がる黒い海に勝利を告げると、涼やかな風がアオイの頬を撫でる。
「あ... 」
アオイの瞳から涙が流れる、彼女の耳には、確かに風に運ばれた二つの感謝の声が聞こえてきたから。
終
今回の登場怪獣はツイッター...いや、Xうううう!のフォロワーさんであるハリ(@shinkaisensouki)さんから、お借りした怪獣です。ありがとうございました〜!!!