第4話〜繰り返される夢
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「ーーーって感じでさ。結局目が覚めるまで延々と学校内を探し回るんだけど、見つからないんだよね。正直何を探してるのかは分からないんだけど」
妙にリアルで、他の夢と違って目覚めても忘れることのない夢。
もちろん細かいところは忘れた、というより覚えてないけど。
毎晩同じ夢ばかり見るせいで、目を覚ましてもそれが夢なのか現実なのかもよく分からなくなってきた。
探す場所やルートなんかは毎回変わるけど、何かを探して歩き回るのは結局変わらない。
ちょっと不思議で、けれど所詮は夢。
ネタとして話したけど、ぎやまから返ってきたのは思ってたのとは違う反応だった。
「…………変わった夢だね」
「ぎやま?」
少し間があった。
「阿部君、もし阿部君が¨これだ¨って思う武器を見つけても、手に取ったらダメだよ」
「え?」
いつもどこかのほほんとしてるぎやまが、その時だけはまるで別人のように鋭い雰囲気をしていた。
なんだ?
ぎやまの機嫌が悪くなるような話題だったか?
別段変な事は言ってないはずだけど。
杉山裕司、通称ぎやまは基本的に落ち着いてるというか、マイペースな奴で怒っても声を荒げたり剣呑な雰囲気を出したりすることはほとんどない。
帰国子女なだけあって少しこっちの常識とズレたとこはあるけど、基本は穏やかな性格をしてる。
なんとなく確認した方がいい気がして、聞き返そうとした。
「それってどういう「委員会終わったわー」」
「常夏くん、おかえり……って!?」
けれど疑問を口にしようとしたタイミングで、常夏が委員会から帰ってきた。
大量の本を片手に、頭から血を流しながら。
「今日も激務だったわ」
そう言いながら本をカバンにしまっていくが、明らかに大丈夫じゃない。
「何があった!?」
「図書室で何が起こったの!?」
「ちょっと棚が落ちてきてさ」
「「本じゃなくて棚!?」」
宮崎常夏。
性格は自由奔放で天然より。
割と毎日のように予想外なことに巻き込まれたり起こしたりしてるが、今回は久しぶりに衝撃的だった。
というか教室に帰ってくるまでに誰にも止められなかったのか?
それに何がどうしたら図書委員会の活動で棚が落ちてくるんだよ!
常夏の衝撃により、先程感じた疑問は吹き飛んでしまった。
奇人変人の多いこの稲穂学園の中でも、常夏は特に変な奴だ。
スポーツ万能なくせして特定の部活には入らず、いつもふらふらどこかしらのグループにちょっかいをかけているか、大量に借りてきた本を黙々と読んでるかしている。
身体能力はバグってるとしか思えないほどで、前にクラス会か何かで行ったラウワンではゲームコーナーに置かれていた鎖付きの重量挙げで鎖を違って測定不能を叩き出したくらいだ。
あとは図書委員なだけあって読む本の量も尋常ではなく、稲穂学園に入学を決めたのも蔵書数が国立図書館並みだからだとか。
にも関わらず勉強では赤点ばかりなのはなんでだろうな…。
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