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クラス対抗剣術勝負:CクラスVS Bクラス③


喜びの声がCクラスがいる方向から聞こえ、Bクラスから嘆きの声が聞こえる。

「勝者!!Cクラス!!」


審判からの勝利の声、6回戦目はCクラスの勝利に終わった。

なんとか、勝てた…ギリギリだった。

手はボロボロになり、体力ももう限界に近かった。

相手にはまだ余裕がある雰囲気だったが、逆にその余裕に救われた。


「はぁはぁ…」


まさかここまで苦戦するなんて、本当に強敵だった。


「やばい、そろそろ…」


スキルの反動がくる。

俺はゆっくりと、足から崩れていき、そのまま倒れ落ちる。

意識がゆっくりと薄れていく中で、みんな駆け寄ってくるのが見えた。


「今すぐ!!医療班を!!」

「大丈夫!!伯くん!!」

「おい!大丈夫か!!」


俺はそのまま、意識が途切れた。

目が覚めると、俺は医務室のベットで横たわっていた。


「ここは…」

「目が覚めましたか…」


声が聞こえる側に顔を向くと、対戦相手だった、アル・ファルカさんがいた。


「不思議そうな顔をですね…安心してください、あなたほど怪我はなかったので…」

「そうですか…」


俺はゆっくりとベットから立ち上がる。


「無理はなさらない方がいいですよ」

「いや、大丈夫だよ」


手には包帯を巻かれてはいるが、そこまで大きな怪我ではなかったのだろう。

だが、体を動かすと筋肉に痛みが走る。


「いてて…」

「軽い筋肉の損傷があったそうです、なぜこんな状態になったのか、医療班が驚かれていましたよ」

「はは…そうですか…」


まぁ、勇者スキル・限界突破の反動だろうな。

さて、ここで疑問が一つ、なぜ、俺は今アル・ファルカさんと二人っきりなんだ。

周りを見渡す限り、医務室なのは間違いないのだろうけど、もちろん、予想することはできる。

相手は対戦相手だった人だ、もちろん、怪我を負って、一緒にここに来た可能性がある。

けど、話からすると、俺より大きな怪我はしなかったことが予想できる、つまり、回復してからずっとここにいるということ。


「そういえば、どうしてここに…?」

「それは…」


少しだけ顔を背けるが、頬が赤いことに気づく。

なんだ?恥ずかしいのかな?まぁそうだなよな、一様初対面だし…俺だって初対面の人と話すのは緊張するし、あれ?でもさっき普通に話していたような?


「そういえば、戦いの勝利数はどうなっているの?」


今はとにかく空気を変えなくては、そのためにも少しでも場を和ませながら、しゃべるしかない。


「今の所、Cクラスが5勝、私達Bクラスが4勝です」


お、急に雰囲気がよく、よしよしうまくいっているな。

それにしてもCクラスが一勝多く勝っているのか、なかなか頑張っているな。


「そろそ、最後の10回戦目が始まる、時間です…」


けどもう、10回戦目となると、思ったより、早く回復できたな。

手はボロボロだけど、これぐらいの筋肉の損傷なら、すぐに回復できるし。


「では、私はこれで…」

「ああ、ありがとう」

「い、いえ…こちらこそ」


そのまま医療室から退出した。

さて、これだと、10回戦目を見にいくことはできないかな。

まぁ、きっと大丈夫だろう…根拠はないけど。



クラス対抗剣術勝負・10回戦目


その頃、CクラスとBクラスは全体的に盛り上がっていた。

Cクラスが勝てば、決勝へ、Bクラスが勝てば、延長戦に突入するという熱い展開。


「頑張れ〜〜拓!!!」


Cクラスは青山拓が出場し、Bクラスは白浜剛しらはまたけるが出場、そしてこの戦いはリーダー同士の戦いとなった。


「絶対に勝ってくれ!!剛!!!」


お互いが盛り上がり、まるで決勝戦のようだった、


「Cクラスのために、勝たせてもらうよ」

「ふん、貴様のような優男、俺が一捻りで終わらせてくれる」


お互い睨み合い、牽制する。


「では、お互い構えて!!初めて〜〜〜!!」


そして二人の戦いが始まった。


「我筋肉!!我剣術に負けはない!!」


なんの小細工もなく、剣を構えながら突進してくる。

見た感じは特に罠もなさそうだけど、これは誘われているのかな?

それに確かに筋肉はすごいけどスピードが凡人だ。

拓は冷静に相手を分析する。


「喰らえ!!」


大きく剣を振りかぶるが、あまりにも単調すぎる動き、余裕を持って右に避ける。


「少し遅くないかい?」

「なんだと!!ならば【風はハヤブサの如く】」


風魔術による、スピードの上昇か、まぁ悪くわないけど、本当にこれがBクラスのリーダー?

正直、期待はずれだ、それにどうしてこんな奴がBで僕がCなんだ?

スピードが上がり、より早く次の攻撃に切り返すが…拓にとってはそれでも遅い。


「やっぱり、遅いぜ…」


瞬時に剛の懐に入る。

本当に隙だらけな胴に思いっきりの重い一撃を決める。


「沈め…」


剛は防御に間に合わず、攻撃は直撃する。

こいつはあれか、親の金でBクラスに上がったクズやろうなのかな?それだったら理解できる、納得ができる。

そして僕は確信できる、こいつはBクラスの中で一番弱い。

倒れ込む剛…起きあがろうとするが、そのまま拓は頭を踏みつけ、再び沈める。


「おいおい、立ち上がらないでくれよ」

「くぅ、きさまっ」


剛は立ち上がれなかった。

ただ顔を踏みつけられただけなのに、立ち上がろうとするとその力からさらに大きな力で地面に叩きつけられる。

あんなヒョロヒョロな体に一体どこにそんな力が……。

圧倒的だった、戦いにすらならなかった。


「こんなもの、戦いですらない、消えろ」


拓から想像できない言葉だった。

しかし、それでもCクラスは変わらず、応援する。

そして拓はそのまま剣を振り下ろした。

剛はそのまま気絶し、Cクラスの勝利に終わった。


「勝者!!Cクラス!!決勝進出です!!」


勝利の声が聞こえ、Cクラスからは喜びの声で溢れた。


「勝ったよ、みんな」


拓は笑顔でCクラスのもとへ行った。

Bクラスは不穏な雰囲気ながらも、今回はしょうがないと諦め、Cクラスに拍手した。


「だから、あいつをリーダーにしない方がいいって言ったのに…」


その中には不穏な言葉を言う者もいた。

それでもCクラスの勝利に違いはない。

気づけば、お昼の時間となり、決勝は午後の時間に始まることが決まった。

そしてお昼が終われば、ついにクラス対抗剣術勝負の決勝戦が始まる。






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