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31.解決の糸口

 私の中の仮説はほぼ確実と言えるものだった。

しかし、この目で見ないことにはどうとも言えない。


「あの、この街の水はどこから引いていますか?」


 私は、使用人に尋ねた。


「水源をつたう川から、浄水したものを使っています」

「やはり、そうでしたか」


 こうなると、やはり、水源を見に行くほかないだろう。


「ライムントさん、私をその水源付近まで案内してもらえませんか?」

「しかし、あそこにはまだ毒竜の毒が立ち込めていますから危険ですよ」

「分かってます。それでも、やらないといけないんです。これ以上被害を拡大させないためにも」


 本来、医者が自ら危険な地に足を踏み入れる必要はないのかもしれない。

医者は安全なところて治療だけしてればいいと言われたことも一度や二度では無かった。


「しかし、サクラさんを危険に晒すわけには……」

「待ってるだけじゃ、救えない命があるんです!」


 私は、真剣な表情で訴えた。


「分かりました……案内します」

 

 ライムントさんは悩み抜いた末に決断してくれた。


「ありがとうございます」

「でも、無茶はしないでくださいよ」

「副団長、私たちもサクラ先生に協力させてください!!」


 後ろにいた第二騎士団の人たちが口を揃えて言った。

ここにいる人間は時に、自分の命を犠牲にしても誰かを助けたいと思っているような人間だ。


 特に、ここ最近のサクラの活躍を見ている人間はその想いが強くなっているのだろう。


「分かった。だが、まだ毒竜の毒が充満していることを考えて、人数は制限する」


 ライムントさんは騎士団の精鋭たちから、数人を選定した。


「行きましょう」

「はい」


 私は、医療セットを手に持つと騎士団の人たちと共に水源へと向う。

領主様の使用人さんには先に屋敷へ戻ってもらうことにした。


 やれることは今日のうちにやっておくべきだろう。


 街から外れ、さらに森の奥の水源に向う道のりは優しいものではなかった。


「サクラさん、足元気をつけてください」

「ありがとうございます」


 私は気をつけながら、着実に進んで行く。


「この辺りから、毒竜の毒の影響を受けるかもしれないので、気をつけてください」

「分かりました。ライムントさん、これを」

「なんですかこれ?」

「酸素マスクです。これをつけていれば毒の影響を抑えられると思います」


 こんなこともあろうかと、念のため準備していた。

酸素は魔法で生成される仕組みになっており、切れることはない。

これを、全員分渡した。


「このようにして付けてください」


 私は、自分が実践して付け方を見せた。


「これ、すごいですね」

「ほんとだ。息がしやすくなりました」


 ライムントさんを始めとする、騎士団の人たちは感動の声を上げていた。


「よかったです。では、先を急ぎましょう」


 私たちは水源に向かって再び歩き出した。


「もう少しです。頑張ってください!」


 ライムントさんが声を上げた。


「分かりました」


 そこから、歩く事数分。

水源へと到着した。


 そこには、討伐された毒竜の亡骸がまだ残されていた。

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