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異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?  作者: お子様
第1章 早くチートになりた~い
7/201

007 こういう時に貴族や商人に発見されて認められる

翌日。


完成した板を受け取り、街の中にある市場のような場所に行く。

出店は自由らしいので、邪魔にならないように一番端っこで準備。


まずは価格を決めなくちゃ。

板の原価が10トル。だから20トルは最低貰いたい。それなら1枚売れて10トルの儲けになる。

宿代が1日60トルなので、最低それくらいは稼ぎたい。


……10トルの儲けだと6枚も売らなきゃいけないのか。

もう少し販売価格を上げる必要があるね。

宿では朝飯しか出ないから昼晩飯代も必要だし、なによりボブへの返済もある。


って事で、悩んだけど1枚50トルとした。

これなら1日2枚売れれば宿代とメシ代は出る。


ただし、今回は儲けを無視する事にした。

自営業ナメんなよ。売り込むには宣伝が必要なのさ!



1枚を犠牲にして、看板を作る。

「自画像描きます! 材料費込で1枚50トル!」と油性マジックで書く。

そして空いたスペースには本物っぽいウサギやデフォルメしたウサギを描いた。

ふふふ、ウサギは子供寄せの為! カワイイ物に惹かれてやってこい!


後は大きい声を出してCMするのだ!


「自画像描きますよ~。今日は初日なので、1枚50トルのところを10トルで描きます!!

 他にも、風景画でも動物でも何でも描きますよ~!!」


初日値引き作戦!

全部売れても1枚分損だけど、口コミで広がれば後日回収出来る!




…………客が来ない。子供も居ない。

くっ、作戦ミス!

おかしいなぁ。ラノベではこういう時に貴族や商人に発見されて認められるんだけど。


落ち込んでると声がかけられた。

客か?!


「面白い事してるな、キョウヤ」

「いらっしゃい! って、ボブかよっ!」

「何やって……あぁ、絵を売ってるのか。お前上手いもんな」

「でも売れないんだよ! あっ、そうだ! 1枚買ってくれ!」

「いや、これから仕事だし」

「判った! タダでいい! 実験、じゃなくて、パフォーマンスに付き合ってくれ! 少しだけ! な!」

「判った判った。判ったから縋りつかないでくれ!!」


やった! テスターGETだぜ!


ちょっと目立つように立ってもらい、その姿を描く。


「なぁ……なんか見られてて恥ずかしいんだが……」

「すぐ終わるから! だからもう少し、ほら『俺ってカッコいいだろ?』っぽいポーズをキープ!」

「大きい声で言うな!」


そう言いながらも手を顎に当ててダンディーな格好をしてくれるボブ。

良いねぇ、カッコいいよ(笑) 注目集めてるよ~(笑)



5分程で絵は完成した。

鉛筆画だから色は無いけど、濃淡はつけてある。

漆喰キャンパスにも慣れたし、実験台が居て良かったわ。


「ほい、完成だ」

「やっと出来たか。どれ? おおっ! 相変わらず上手いな。って俺、こんなか?」

「ああ。ちょっとそこのお姉さん、これ、似てますよね?」

「やだね、お姉さんって年じゃないよ。ん、確かにソックリだわ! あんた上手いねぇ」


隣で野菜売ってたオバちゃんにも見てもらい認めてもらった。

周囲の人も、何だ何だと見に来てくれている。

成功かな?



だが、その日は1枚も売れませんでした……。



翌日。

ボブは職場に絵を持っていかなかったので、手元にある。

これを飾ってCMに使おうと準備してると、声をかけられた。


もう口コミで広がったのか~。

今日から絵の才能で金儲けが始めるぜ!


「自分は冒険者ギルドの者です。ギルドまで来てくれませんか?」

「えっ?! な、何も悪い事してないですヨ?! 出店も自由ですよね?! 無実です!!」

「冒険者ギルドは警察じゃないですよ? 同行願えますか?」

「…………はい」


断れる訳無いじゃないか。

言葉使いは丁寧だけど、どう見てもマッチョ。見事なマッチョ。ボディビルなマッチョ。

逆らえる訳が無い。


こうして出店2日目にして俺は、冒険者ギルドにドナドナされた。

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