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異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?  作者: お子様
第3章 快適生活へ向けて頑張ろう!
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059 箱の中身はなんだろな?に手が入れられないタイプか?

本日2話目投稿です。

街では食料を調達するだけにして、先を急ぐ事にした。

俺のアイテムボックスは時間が経過するので、買い物するなら帰りの方が良いから。

けっして、街の中でも不審者扱いされたからではない。


クマを口笛で呼ぶと、すぐに来てくれた。

しかし、口の周りが紫色で汚れているのは何でだ?


「質問です。もしかして、何か美味しい果物を発見して食べてましたか? 俺に内緒で」


1頭も目を合わさない。

正解だったようだ。俺にもくれよ!


クマ達は俺の気持ちを無視するように、先に進み始めた。

まだ乗ってませんよ!

ジト目で見たのは悪かった! そうだよな、お前達の食事だよな!

ゴメンだから乗せて!



クマに乗って夕方まで走る。

今日はここらでキャンプかなぁと思ってると、目の前に赤い橋が現れた。

どうやらもう到着したらしい。

クマって速いんだな。


そう言えばクマに狙われたら逃げられない、みたいな事を読んだ事があるような。

まぁそれは人間の話で、足の速い動物だったらどうかは知らないけど。


とにかく、クマの活動限界になる前にキャンプ地を作ろう。


そう考えて道の脇に移動すると、子猫の泣き声が聞こえた。

……危険な動物やモンスターが出るって言ってたな。


子持ちは更に危険なはず。ヤバいかな?

それに子持ちの動物を殺そうとも思わないし。

場所変えた方が良いかも?


そう考えてたら、クマがこっち来いと言わんばかりに俺の背中を押す。

抵抗せずに押されるがままに進むと、モグラの穴のようなのがあった。

その中から泣き声が聞こえる。


「早く捕れよ」「何やってんだ?」「箱の中身はなんだろな?に手が入れられないタイプか?」

そんな目で見てくるクマ。

最後のは何だよ。何であっちの世界の事を知ってるんだ?

いや、喋ってないから、そんな気がしただけだが。


手を入れると、何か毛のようなモノに触れた。

それをそのまま持ち上げる。


出てきたのは、虎柄の子猫。

非常に小さい。生後1ヶ月くらい?

ゴメン、猫に詳しく無いんだ。適当な事を言ったわ。

サイズは20cmくらいかな? 目は開いている。


どうやら足を怪我しているようだ。

穴に落ちた時に怪我したのだろう。骨折してるかも。


「助けるよな?」「助けるだろ?」「『YES』か『はい』で答えなさい」

クマ達よ、そりゃ助けるよ。だからその意味の無い選択肢は止めろ。


悩んだけど、具現化でポーションを作り、それを飲ませた。

決して実験台にした訳ではない。そういう気持ちはどこかにはあったけど。


どういう仕組みなのか分からないが、傷が見る間に治っていく。

どうやら成功のようだ。


「亜人か。だが助かった。礼を言う」

「ん? 誰だ? クマ、お前達か?」

「私だ」

「子猫が喋った!」

「失礼な。私は猫ではない。虎だ」

「いや、どこから見ても猫だし。ミーミー鳴いてたし」

「うるさいな! 虎と言ったら虎なのだ!」


こっちの世界では猫の事を虎と言うのかもしれない。

エルフをドワーフと言うくらいだし。


「はいはい。で、その虎さんは、何で穴の中に?」

「散歩してたら落ちたのだ」

「ドジだねー。で、帰るアテはあるの? なんなら送るけど?」

「生まれた時から独立するのが虎なのだ。だから帰る場所などない」

「独立が早いねぇ。で、これからどうすんの?」

「ふっ。散歩の続きをするさ。助けてもらった礼をする必要もあるな」

「気にしなくて良いよ」

「虎は誇り高いのだ。受けた恩は返す! 待っていろ、礼を持ってくるので受け取れ」


誇り高いなら、礼を強要するかね?

要らないって言ってんだから持って来なくて良いのに。


虎と言い張る子猫は俺の手から飛び降り、颯爽と歩き出す。


そして、さっきハマってた穴に再度落ちた。

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