039 へにょんとするけど気にしない
3畳くらいの部屋。床も壁も天井も石造り。木で出来た硬そうなベッドが1つ。
トイレ無し。トイレに使えと主張してくる壺が1つ。
1方だけは鉄格子。鉄格子の反対側の壁の上部に小さい窓が1つ(鉄格子入り)。
はい、完全な牢屋です。
俺が何をした!
まぁ、別に困らないけどさ。
いや、困るな。トイレをどうにかしなくては!
気になるとしたくなるのがトイレというものだ。
スケジュール帳もあるので、早速作成しよう。
長く居る訳ではないから、永続化で作る必要は無い。
洋式トイレと壁があれば十分。流した水や補充する水は、不思議な力でどうにかしてもらおう。
そう思って書いたけど、スケジュール帳が光って、書いた物が消える。
汚水を不思議な力で消す事が出来ないようだ。
では発想を変えよう。
外に出て、どこかにあるトイレに行けば良いのだ。
つまり鉄格子をどうにかするか、鍵を開ければ良い。
これからも使うだろうから、鉄格子を破壊するのは止めておこう。
損害賠償を請求される可能性もあるし。
俺は持ってた布を細く丸めて、長さ10cmくらいの棒にする。
所詮布なので、へにょんとするけど気にしない。
それをスケジュール帳に書いて注釈を入れる。
最後にその布に著作権マークを刺繍して完成だ!
テケテケテーン!
『万能鍵』~!
能力はコチラ!
色々な鍵を開けられる。ただし鍵を悪用しての窃盗といった犯罪には使えないし、南京錠のような簡易な物は開けられない。
……いつも思うけど、デメリットまで自分で考えないといけないって面倒だよなぁ。
ま、これで出る事が出来るわ。
トイレ行こ。
偶然なのか、たまたまなのか分からないけど、誰にも会わずにトイレに行く事が出来た。
俺は牢屋に戻り、ちゃんと施錠しておく。
後は寝る環境と飯か。
食い物は多分だけど差し入れてくれるだろう。
くれないなら、食べに行くしかない。
寝る環境は作ったテントを利用すれば良いか。
後は……この暇な環境をどうにかしたい。
本でも買ってれば良かった。
あ、ダメだ。ギルドの査定が終わらないと、購入に必要なお金が無いわ。
明日には終わってるかなぁ? 確認しに行かないとね。
チートアイテムでも作るかなぁ。
でも布と糸しか使える物が無い。
買いたいけど、これもお金が必要……。
しょうがない。寝よ寝よ。
牢屋の真ん中にテントを設置して中に入る。
このテント、『絶対防御』『入り口は無効』『棒を中心に立てるまではただの布』『空気の循環無し』が注釈なんだけど。
神様(?)が気を利かせてくれたのか、床面がふかふか。
内部の温度も一定で、熱くもなく寒くも無い。快適な環境だわ。
『入り口は無効』という部分が気になるが、今居る場所は牢屋の中。
牢屋の扉を守っておけば結構安全では?
って事で、サルを1匹出して、扉の番をさせる事にした。
サルの活動限界が来そうな時は俺を起こすように指示して。
これで万全だろ。
おやすみなさい。
ガンガンガンガン
「出てこい! おい!」
鉄格子を叩く音で目が覚めた。
防音ではなかったのか。残念だ。




