表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
104/201

104 ホムラはゆっくりと俺の方を見る

翌日。


ホムラを説得して、一緒に元商会の地へ。

既にボガスさんが待っていた。職人を沢山連れて。

掘る気マンマンですね?


「なぁ。ヤバい雰囲気じゃないか?」

「そうだね。だが大丈夫! ホムラが『無理ッス。無いッス』って言えば皆意気消沈するけど収まるから!」

「それって俺が悪者っぽく見えないか?」

「気のせいだ!」


ホムラが嫌そうな顔をしている。

何だよ、文句言うなよ。

昨日の夜、上手いザリガニ料理で手を打ったろ?


「やあやあキョウヤさん。お待ちしていましたよ!

 穴掘り職人も手配済みです! さあ、どこを掘りましょうか!」

「い、いえ、掘る前にホムラによる下調べが……」

「ああ、そうでしたね! 敷地内ではなくても出る場所が判れば教えて下さいね! 即買収しますから!」


ボガスさんのやる気が怖い。

そしてホムラの視線が痛い。

頑張れ! 負けるな! 応援してるぞ!


すごーくイヤそうな顔をしながら、ホムラが俺の腕から飛び降りた。

そのまま地面をクンカクンカしながらウロウロする。


その時、俺は気づくべきだったのだ。

ホムラの隠された顔に。


「んんっ?!」


ホムラが変な声をあげる。

いいよ~、そのまま「どこにも源泉は無い」と言ってしまえ!


そのままホムラはゆっくりと俺の方を見る。

その顔は悪巧みをしている顔だった。

口の端を持ち上げ、ニヤリと笑っている。


こ、これは危険な雰囲気!

止めなければ!


俺の静止よりも先にホムラが言葉を放った。


「ここを掘れば良い。キョウヤが言った事が実現するだろう」


シット! オーマイガッ!


こいつ裏切りやがった!

しかも俺が言ったから、みたいな言葉まで付け加えて!


否定したいが、そうすると「何故出ないと分かるのか?」という問いに答えなくてはならない。

更にホムラなら発見出来ると言ったのも俺。

……退路が塞がれている、だと…………?!


「やりましたね、ホムラさん! ありがとうございます!

 特別報酬として、貴方には好きな食べ物を差し上げますよ!」

「本当か! 俺は、海の魚が好きなんだ!」

「判りました! 早速昼にでもご馳走致しますよ!」

「やったぜ!」


ホムラは「出る」とウソをつき報酬を貰った。

俺はウソをついたせいで退路を断たれた。

何だこの差は。差別だ! ズルいぞ! 抗議デモしようか!


俺が何と言って良いか悩んでいる間にも状況は変化していく。

既にその場所を職人が掘り始めているのだ。

手動でまっすぐに掘って降りていって、縄梯子で上がるらしい。

横には手動で空気を送る“ふいご”のような物と布で作ったパイプのような物が用意されてる。

穴の直径は2mくらい。穴の中には2人が入っている。

掘るのは1人のようで、もう1人は掘った土を出す係のようだ。

紐のついた籠のような物も用意されている。深くなったらそれに入れて引き上げるのだろうか。


おっと! のんびり施工状況を見ている場合ではない! 止めなくては!

……わ~、すご~い。もう1mくらい掘ってるよ。


こりゃあ、もう止められないわ。

源泉があって、ぶち当たる事を期待しよう。

ご都合主義、来い! 今こそ発揮する時だぞ!

異世界だろ! 転移だろ! となればご都合主義だろ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ