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砂漠の果て -i'M LoOkInG foR-  作者: Min
第1章 旅の話をしましょう
43/50

旅…それは歌 驚きの連続 光り輝く感情 III

「よしっそろそろさっきの部屋に戻ろう!

 ちょっと早いけど夜ご飯だ!」


 ラヴさんはまた指を鳴らした。すると、さっきの部屋に戻ってきた。


 白く明るい部屋、2つの大きな窓の外は紺色の世界だ。


「さあ、今日の部屋は誰に任せようかな!」


 今日の部屋…??疑問がいくつも浮かぶ。


 ラヴさんがそう言うと、


「ハイハイハイハイ!!」


 5人のうち2人の男の人が猛烈に手を挙げている。


 2人とも色違いの薄手のコートを着ていて、1人はめがねと帽子をつけている。


「了解!そんじゃあ2人とも、準備はOK?」


 すると2人はカラさんがしていたように、それぞれの楽器を出現させた。

 1人は木の色をしたギターを。1人は吹き口のある小さなピアノを。


「「OK!」」


 今から何が始まるんだろう。少し神経質になり、無意識にもグッと両手を握りしめていた。

 肩の上の彼女が、首につかまってきた。


 すると、カラさんが耳打ちしてきた。


「大丈夫!2人の演奏は一流だから!」


 一流…プロって事だろうか…。


「それじゃあカウントするよ、

 One two…One two three four」


 ピアノのようなものを吹く人がメロディーらしき旋律を吹き始める。もう1人の人はそれに合わせるようにギターを鳴らす。


 私はすぐに引き込まれ、目が離せなくなった。

 落ち着いて、静かに、浸透していく。


 さっきラヴさんが歌った時のように再び周りの景色が変わる。部屋の模様が変わったのだ。


 星のまたたく紺色の空がのぞく森林、背の高い針葉樹、音に合わせるように落ち葉がゆらゆらと落ちてくる。

 木枯らしが静かに通り過ぎる。砂漠と違って涼しかった。少し肌寒いくらい。



 ♪ 僕らは旅する 時の中を

  僕らは望む 幸せがつづくことを

  空の彼方 光り輝く未来(キミ)に出会えるまで

  探し求めよう I'm looking for…



 しっとりとしたラヴさんの声が響く。どこかわからない不思議な場所に浮かんでいるような気持ちになる。


 軽くて…暖かい…そして切ない。だけど、どこか心地よくて、私の頰には温かい涙が一筋流れた。


 我慢しないととめどなく溢れそうで私はうつむいて目を閉じ、深呼吸した。


 曲が止まる。

 残る2人が大きく拍手をした。


「ごめん、久々に聞いたからつい歌っちゃったよ。」


 ラヴさんは演奏した2人に言った。


「いや、むしろ歌ってくれたからいい雰囲気になったじゃん!」


「理想通りだ!イエーーイ!」


 落ち着いた私は小さく拍手話をしておいた。曲が終わったのにもかかわらず景色がそのままだ。


 木々に囲まれ、落ち葉でふわふわな足元、さらにはやっぱり星がかがやいていて、木々がよけるように円形の小さな広場を作っていた。焚き火が中心でパチパチと火花を散らしている。


「さ、行こう!みんな、お弁当持って来たよぉ〜」


「「「「わーーい!」」」」


 カラさんが私の肩に手を回し、焚き火の方へ押していく。反対の手には緑色の袋を持っていた。


 私たちは焚き火を囲むようにして座った。私はカラさんの隣に座る。カラさんは楕円形の小さな箱を全員に配る。


 私の分まである。急だったにもかかわらず、感謝しかない。


「それじゃあ、せーの!」


 全員「いただきまーす!」


 ラヴさんの号令で一斉に合掌する。私は箸を受け取り、弁当箱を開ける。


「うわぁ…」


 思わず声が漏れるほど色とりどりで、美味しそうだった。グ〜とお腹が鳴る。


「ねえ、サマヨイ。その黄色いやつちょうだい…めっちゃ美味しそう…」


「いいよ」


 私は箸でその黄色いものをつまんで彼女の口に持っていく。彼女は一口でほうばった。


「んまっ!これめちゃうまいよ、サマヨイ〜」


 頰を押さえて満足そうな彼女。そんなに美味しいのか…私も、と黄色いものを口に放り込む。


「っ!おいしいっ」


「でしょ!これなんだろ、食べた事ないや!」


 彼女と2人してはしゃぐ。


「ふふっ美味しかったようでなにより!それは卵焼き。鳥の生卵を割ってちょっとだけ塩コショウを入れて味付けするの。お弁当の定番なのよ」


 卵焼きか…初めて食べたけれど、なんだか懐かしい味がした。


 私はガツガツとお弁当をほうばった。


「「うんま〜」」


 久々に遠慮する気持ちが薄らいだ気がした。

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