表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砂漠の果て -i'M LoOkInG foR-  作者: Min
第1章 旅の話をしましょう
42/50

旅…それは歌 驚きの連続 光り輝く感情 II

「「ええーーーーーーー!!!」」



「おうおう、どんな子かと思えば、めっちゃ元気いいじゃん!」


「こらこら、そんなすぐに詰め寄らない」


「女の子だぁ〜!うれしぃ〜!」


「肩にぬいぐるみ乗っけてるぞ!」


 あの…いっぺんに喋られても…理解できないです…。

 頭の中がぐるぐると回っている。

 なんとか質問をした。


「あの…ここって…?」


 急に連れてこられて、ひこうせん?だったかな…

 不思議な名前の乗り物…


 ラヴさんは答える。


「ここは僕らの飛行船!これで空を飛んで、旅をしているのさ!」


 この人たちも旅人…空を飛んで…って


「「空?!」」


 彼女と声が揃う。


「飛行船を知らないのかもよ」


「あ、そゆこと?」


 1番背の高い人男の人がラヴさんに言う。どこかおちゃらけた雰囲気のある方だ。


 少しクルッとしたこげ茶色の髪をしている。紫のズボン、灰色のシャツに黄土色のジャケットを着ていた。


「窓から見てみる?」


「え゛…」


 高いところに出たことがないので不安になる。

 思えば、なんだか地面がふわふわしているような…


 私たちは比較的広い部屋から出る。そして、まっすぐに伸びた一本道を歩く。


 壁にはドアが両側で合わせて1、2、3、4、5…5つあった。

 そして1番奥の正面のドアをラヴさんは開けた。


「ここは操縦室。窓がいっぱいあるだろう?」


 私は一歩一歩ゆっくりと歩を進めた。


 目の前に広がっているのは真っ青な空と真っ白い雲。


 なぜだろう…ついさっきまで砂漠にいたのに…


 夢を見ているみたい…


「夢じゃないよっ」


「えっ!」


 思ってることが…バレてた…?!


 話しかけてきたのは5人の中で唯一の女の人だった。肩にかかるくらいの真っ黒い髪に丈の長いカーキ色のスカートをみにつけ、胸につけた緑色のブローチがキラリと光った。


「ふふっさっきから驚いてばっかり!いろんなことが新鮮なのね。お名前、聞いてもいい?」


「私は…」


 と言いかけて、そういえばと思って待っていると、慌てたように彼女が喋る。


「こっこの子はサマヨイっ!バカなやつだけど、よろしくしてやってよ!」


 バカなやつって‥‥一言多いんだ、いつも。

 それと、自分の名前はやっぱり自分で言いたい気もする。


「サマヨイちゃんか‥‥ふむふむ‥‥君たちはどこまでも旅ができるし、どこまでも旅ができないんだったねっ」


「「????」」


 どういうことだろう‥‥


「サマヨイちゃんは、空好き?」


 唐突に聞かれた。


「空、ですか?…えと…嫌いではない、です」


 女の人はニッと笑うと


「よっと」


 両手で何かを回転させるような振りをする。すると、手の間に肩幅より少し短いくらいの日本の木の棒が現れた。


 パシッとそれを掴んだ女の人は片手に一本ずつ持ち、それぞれグルンと回した。


 キラキラと小さな星くずが舞っている。

 思わず見惚れる。

 女の人は棒を扱い慣れているかのように華麗に回している。


 ふと、女の人がウインクをした。少し、恥ずかしくなった。


「これはバチって言って、先端の細く丸くなってるところで太鼓をたたくの!」


「太鼓…ですか?」


「まあ、太鼓全般のことをドラムって言うんだけど…まあいいや!

 そう、私はドラマーなの!

 とはいいつつも、このバチは私のイメージで作り出したもので、本物は私の部屋にあるんだけどネっ」


「まほう…ですか!」


「あっはは!ちがうよ、イメージ!

 人はイメージをする事でたくさんのことを生み出せる生き物なんだ。イメージさえあれば、案外なんでもできるのよっ」


「イメージ…」


「それじゃあいってみよっかぁ!」


「え?」


 女の人はバチという木の棒をクロスにして構え、掛け声とともに二本を互いに叩きあわせる。

 カンカンと、軽快な音が響く。


「One!two! One two three four!!」


 そして、バット手を広げた。その途端、私の周りから、壁、床、天井…外を隔てているものが全て消えた。もちろん360度空である。


「うわぁっうっ…浮いてるよサマヨイィィィィィ!!いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


「たっ…高い…っ!」


 逃げ出したくても逃げ出せず固まっている私に、女の人は手を回した。


「大丈夫!外との隔てを一時的に取り去ってるだけ。サマヨイちゃんが踏んでいる地面は見えないだけで、何も変わっていないんだよ」


 辺りを見回す。少しずつ、少しずつ歩く。上、下、左、右、全部空。

 青く、夕日で赤みがかかった世界…白い、ふわふわとした雲…空の中に私は浮いている。


 いつのまにか恐怖よりも興奮の方が勝っていた。

 いつかの私が憧れた空に、私はいる。


 正面で風を感じる。気持ちいい…


 私は、おいで、をするように両手を広げ、めいいっぱい伸びをした。


 そして思わず言った。


「素敵なところですね!!」


 女の人は少し驚いたようだった。だが、すぐ笑顔に戻る。


「でしょっ!自分の部屋でもたまにするんだ〜

 なんだか空に包まれてるって感じがしてあったかいんだぁ〜!」


「それ、すごくわかります!!」


「えっ?」


「あっ……」


 少し大きな声を出しすぎた。すぐに手で口を押さえる。


 ふと、女の人とバッチリ目が合う。


「「プッ…!」」


 2人して同時に吹き出した。


「「あはははははっ!!」」


 私よりも年上に見えるけれど、無邪気さを持つ、可愛い方だなぁと思った。


「私は、カラっていうの!改めて、よろしくねっサマヨイちゃん!!」


「はいっ!よろしくお願いします!カラさん!」


 クククッとまたお互い笑いがこみ上げる。




 とても、楽しい……!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ