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砂漠の果て -i'M LoOkInG foR-  作者: Min
第1章 旅の話をしましょう
34/50

国…ソレハ穴掘リト慈悲ノナイ箱 III

 少年は私たちに気づくことなく無心に穴を掘っている。これは、いつ、どんなきっかけを持って話しかければいいのか。

 

  私はそろりそろりとゆっくり近づく。別に…驚かすつもりはないのだが…。

 その時だった。私は砂に足を取られて滑り落ちる。凹んだ場所に気づかなかったのだ。滑り落ちた上のに加え、砂をかぶる。


「「うわぁ!」」


 何が起きたのかわからず、思わず放心してしまう。


「穴があったなんて…」


「もぉ〜気をつけてよねぇ。びっくりするじゃないのぉ〜」


 彼女は文句を言う。


「ごめんよ、気づかなかったんだ。」




「大丈夫ですか」


 少しぶっきらぼうな、そんな声がする。顔を上げると、さっきまで穴を掘っていた少年が目の前にいた。


「出れるか」

「大丈夫?」


 少年とぬいぐるみが言う。


「あっはい」


 何も考えず、少年の顔をじーっと見ていたらしい。私は慌てて立つ。足元は砂で、少しよろける。そして体についた砂を払う。


 登ろうとすると、目の前に手が差し出された。

 私はありがたくその手に頼る。思ったよりも強い力で引っ張られ、滑り落ちる砂の壁を登った。改めて落ちた穴を見ると、深さは私の背の半分くらいだった。砂を払い、私は少年にお礼を言う。


「すみません、ありがとうございます」


 少し高い声で少年が言う。


「いいえ、こちらこそ、穴そのまんまにしててすんません」


 相変わらず表情は変わらないが、まっすぐな視線、きちんとした話し方からしっかりしている人だ、という印象を持った。


 背の高さは私とそこまで変わらないし、同い年だろうか…。


「…」

「…」


 あまり喋らないのだろうか、とは思っていたが、予想以上に口数が少ない。かなり長い沈黙が訪れる。


 何かから出さねば、何か喋らねばと思うほど、途方に暮れていく。こういう時に限って、彼女は何も話さない。


 すると、少年の方にいるトリのぬいぐるみが急に飛び上がる。


「だぁー!何か喋ろうよ、コウ!お客さんだよ、お客さん!」


 そして少年にアタックし、そのまま頭にとまる。少年はぬいぐるみの方を見上げた。


「悪かったよ。家に案内するかするまいか、考えてたんだ」


「お客さんでしょお!さっさと案内っ、その前に名乗るっ」


 少年とぬいぐるみの性格は対照的なんだと思った。だからこそ、2人の間にある信頼や絆を感じられたような気がした。


「ボクの名は、コウ。彼の名は、ノース。この国の"イキノコリ"の1人です」


 イキノコリ…それにやっぱりここは国の中なのか。


「私の名前は__」


「サマヨイね!こいつの名前っ!」


 いつも通りさえぎられた。そしていつも通り、彼女が代わりに私の自己紹介をしてくれた。


「ねぇ、さっきイキノコリの1人ですって言ったよねぇ?他にもいるの?」


 彼女は相変わらず軽かった。


「あぁ、それはねっコウのおじいちゃんとおばあちゃんのことだよっ!この先をちょっと行ったところに家があるのさっ」


 家…ノースさんはコウさんの後ろの方を指している。家…は、見受けられない…見えるのはやっぱり砂の山々。


「行こう」


「ん〜も〜愛想がないっ!」


 私は歩き始めたコウさんについていく。歩いていると、何度もコウさんにノースさんは注意するが、コウさんは"悪かった''としか答えない。


 私も彼女と会話する時、ああするといいかもしれない。


「サマヨイ、今あたしにとって不利になるようなこと考えたでしょ」


「悪かったよ」


「やっぱりぃ〜!」




 これは面白いかもしれない。

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