国…それは演説「憤怒」より XI
「__意味ないじゃん?」
「ちょっとッ…!」
空気を読まない彼女の発言に私は内心焦る。あわてて謝罪を述べる。
「すみませんっ…彼女は…_」
「意味、ね…っはは、意味なんて…ないよな…」
ハナエさんは下を向く。どうしよう…1番触れてはいけない事情に触れてしまったような気がする…
話を遮られたため、次に何を言えばいいか思いつかない。
だが、突然黙っていたハナエさんが立ち上がる。扉の方へと進み始めた。
「あっ…待っ!」
バタン
扉の閉まる音がやけに大きく聞こえた。
行ってしまった…どうしよう…怒らせてしまったかもしれない。
「もう…!なんて失礼なこと聞いたのさ!」
彼女は相変わらずすましていう。
「別に失礼じゃないっしょ。知りたいから聞いただけだし」
はぁ、どこまで自分勝手なのか
「とにかく、相手を悲しませるようなことは言わないで欲しい」
「じゃあ黙っとけばいいんだねっ!よぉ〜く分かったよ!フンッ!」
彼女は私の肩の上でふてくされる。
「それはちが…はぁ」
私は思わずため息をつく。黙ってくれるなら今はそれがいいか。
でも、ハナエさんが帰ってきたらなんて言えばいいんだろうか…そもそも、帰ってきてくれるのか…
カシさんに助けを求めうと顔を向ける
「ZZZZ…」
「寝てる…」
いつのまにかカシさんはロトさんに寄り添うように眠っている。1番、頼みとなる人が…いや、ぬいぐるみが…
「ハハッ残念だねぇ〜」
彼女はここぞとばかりに畳み掛ける。
あぁ、もう知らない。私は無視することにした。
「あ、シカト?やれやれ、これだから"ココ…」
「ダメっ!」
私はとっさに彼女を叩く。
「いったぁー!何すんのさ!」
「仕方ないでしょう…!いっ言おうとするからっ!」
「いいじゃん、誰も聞いてないしぃっ!」
「よくないから言ってるんだ!」
しばらく言い合いが続く。眠っている2人がいるにもかかわらず、何気に大きな声でしゃべってしまう。
数分後…
「ヒィヒィヒィ」
「ゼェゼェゼェ」
最終的には立ち上がって言い合いになり、殴り合いになったわけではないのに息切れをしている。
「…気は済んだか?」
扉の方で声がした。ハナエさんが戻ってきたのだ。扉を背もたれに、腕を組んでこちらを見ている。コイさんは苦笑していた。
彼女は瞬時に私の肩へ飛び乗る。
「す…すみません…」
「言っとくけど、あたしは悪くないから」
「はぁ」
こうなったが最後、彼女はどうにもならない。
とりあえず謝罪を…と思ったが、ハナエさんは急に何かを投げる。
「 ホラッ」
「うぉっ」
パシッ
私はとっさに左手でかばうように勢いよく飛んできたものを受け取る。
棒…いや違う。
「これは…短剣?」
「私の私物だ」




