国…それは演説 「憤怒」より III
「ここに開ければ中に入れるわけだ。」
「よくできてんのねぇ〜」
私は膝をついてしゃがみ、木の扉の取っ手をグッと引っ張る。思いのほか簡単に扉は開き、私は尻餅をついた。
扉の中を覗くと、中は真っ暗だった。手を入れると、地面はひんやり冷たく、かすかに風が通り抜ける。
「行くよ」
「あいよぉ〜」
私はしゃがんで、頭から扉の中へ入る。てんじょうにあたまをぶつけないようにと、手で探りながら入ったが、立ち上がれるくらいの高さは十分にあった。門の高さ分はあるのだろう。
私は難なく立ち上がる。
「ハックション! う〜ここ砂っぽいぃ〜」
彼女の大きな文句の声は暗闇へとグワングワン響きながら飛んでいく。
私が余裕で通れる幅はあり、まっすぐ一本道のようだ。
バンッ!!
「「!?!?」」
突然大きな音とともに木の扉が閉まってしまった。そして、ゴゴゴ…!!と音を立てて、地面が揺れ出す。
「うええ〜〜!!マジで?!なになに?!」
彼女がグッとしがみついてきた。私も念のため、壁に手を当て、しゃがみこむ。
きっと、石像が戻った音だと思われた。
「どうすんのよ、サマヨイ〜!」
彼女は大騒ぎする。とりあえず放っておいて私は辺りを見回す。
天井は高すぎて届きやしない。壁を壊すにしても壊すものがないし、何より頑丈すぎる。
どうしたものか…。後ろを向き、壁を触る手を変えて、扉を手探りで見つける。
試しにグッと押してみたが石像が邪魔してるのか、ビクともせず光も入ってきていない。
諦めて進行方向を向き、立ち上がる。
ふと、かすかだが奥の方に細い筋の光が見えたような気がした。
目をこすってもう一度見る。
やはり、光が見える。出口かもしれない。
「このまま壁を伝って歩こう。ほら、少しだけ明かりが見える。」
「えっどこどこ?!」
「そのうちわかるよ」
私はひんやりとした壁を伝いながらゆっくり歩いた。




