国…それは演説 「憤怒」より II
「うっわ〜立派な門だな、こりゃ」
「…うん」
私たちの目の前に立ちはだかるは、私の何倍も大きい白い石門。砂嵐をなんとか抜けた私たちはやっと国の前にたどり着くことができた。
しかし、着いたはいいものの、中は見えない、人がいるのかどうかすら分からない。疑問だらけだ。
「どうする?やめとく??」
「いや、苦労してまでここに来れたんだから、入りたいとは思うんだけれど…」
「だけれど?」
私は、このなんとも大きな門を見上げた。
中央と両端に、天使のような石像がある。太陽の光で輝いていた。
「どうやってこの門を開けるか…」
「だよねー」
試しに、門の切れ目の入ったところを押してみる。全部の力を手にかけて、それから背中で押して見たが、ビクともしない。
「無理だよ、だって重そうじゃない?この門」
「困ったなあ」
途方にくれてあたりをキョロキョロすると、やはり目に入るのが国の門を守るように両側に置かれた、白い鎧騎士の石像だった。
「何もかもがデッカいんだねぇ〜」
私は右の一体に近づいた。どこも傷ついておらず、白く新しく見えるそれは、今にも動き出し、手に持つ剣をこちらに振るってきそうだった。
無意識にも足元から頭のてっぺんまで、見てしまう。さらに正面から見ると、その威厳さが伝わってくるような……
「ん?」
「んん?なになにどしたの?」
正面から見ると、少し違和感を覚えた。
「いや、何かおかしいなぁって…」
どうも何かあるような気がしてならない。石像との距離を歩幅2つ分くらいまだ詰めて見る。
やはりおかしい。この石像は正面を向いていないのだ。下の四角い台座を見ると、違和感は確信へと変わった気がした。
確かめるべく、私は石像の左真横に移動する。
わずかだが、指が入るくらいの隙間がある。
「何か見つけたの、サマヨイ?」
私は頷く。
「間違っていなければね…ふんっ」
私は両手の指を引っ掛け開く方へと引っ張る。
ズズッと音を立てて石像が台座ごと動く。
「やっぱり」
「うえぇ?!」
私はさらに引っ張る。
「ん〜〜〜〜〜〜っ」
彼女が入れるくらいの幅に開く。
あともうちょっと…
石像が重い…汗をかいてきた…
今度は扉を押すようにして開く。そして、なんとか自分が入れるくらいは開くことができた。
「ふぅ」
私は額の汗を拭う。
「おつかれさま〜」
「ちょっと疲れた…」
「さいですか」
もうちょっと労ってくれてもいいんじゃないだろうか。
「あ、サマヨイ、あっこから入んじゃないの?」
彼女は下の方を指差す。
そこには、半円状にくぼんだところがあり、中に木の扉が見えた。




