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砂漠の果て -i'M LoOkInG foR-  作者: Min
第1章 旅の話をしましょう
12/50

#2 国…それは演説 「憤怒」より I

 ゴーーーーーーーーーーーーーーーーッ


 砂漠は、荒立っていた。

 ゴーッという音だけが耳に入ってくる。


「次の国まであとどのくらいなんだい?」


 音に負けないように、声を大きくして彼女に聞く。


「もうすぐっ! もうすぐ壁が見えてくるはずだよっ! っていうかサマヨイ! ちゃんとおさえて!

 まっじで飛んでっちゃうから!うわぁ!」


 ひどい音とともに強い横風が私たちに吹きかかる。砂も容赦なく打ち付けられる。


「ちょお! ちゃんとおさえてってばぁ!」


「はいはい!」


「ハイは一回!」


「…」


「言わんのかい! これだから__ッイッテッ!

 ちょっとだれぇ!?石ころ当てたやつ?!」


 だれでもないよ…きっと…

 

私は少しだけザマアミロと思ってしまった。


 私たちは今、ひどい砂嵐の中を歩いている。私はスカーフをターバンのように巻き、さらに目にはゴーグルをしている。


 視界はなんとか確保できているものの、先の景色、ましてや国なんてものは見えるはずがなかった。


 一歩一歩進んで行くのがやっとで、今崖なんてあったら間違いなく落ちてしまうだろう…。


 彼女はというと、私のスカーフの余った部分にくるまり、顔だけを出した状態で、私と同じように彼女用の小さなゴーグルを付けている。

 ぬいぐるみなら、別にゴーグル入らない気もするが…まあいいか。



 砂嵐は突然現れる。横からくる風で砂は空高く舞い上がり、太陽までもほとんど隠してしまう。砂の粒は小さいが、当たるとやっぱり痛かった。


 私は立ち止まり、空を見上げる。太陽はちょうど真上にあるようだった。そろそろ昼時だが、この状況…今日は、お昼ご飯抜きかなぁ…。

 砂が入るから水筒の水も飲めやしない。


 さあ、どうしたものか…答えは1つ。


 この嵐を抜けるしかないのだ。

 ゆっくりゆっくり、一歩一歩着実に。

 進んでいる心地がしないのは景色が変わらないせいだろう。


「イッテッ!もうやだあ〜帰るぅ〜」


 どこに……?


「ちょーサマヨイ〜、走ってよぉ〜もう次の国近いからさあ〜」


「別にいいけど、手、離すからね、吹っ飛ぶよ」


「うん、やめよう。むしろやめて。」


「ふっ」


 思わず私は少し吹き出す。


「あ、笑った 」


「笑ってないよ」


 少し可笑しくなってそう返した。


「うそだ! 絶対笑った!」


 私はちょっとムッとなって返す。


「笑ってないよ」


「笑った笑った笑った笑った笑った !」


 しつこい。


「離すね。」


「ごめん、やめてください」


 彼女は早口で言う。切り替えが早いものだ。


「ふふっ」


「あ、笑っ…てないね〜うん。きっと笑ったのはあたしだ!」


 誤魔化そうと、必死で作り笑いをしているのがわかった。やっぱりわかりやすい。


「ごめん、今のは笑った…」


「は?」


 私はスカーフの中ではにかみつつ、先の方へ目を向ける。



 すると、遠目から見ても、背の高そうな国の壁が見えた。


「見えたよ」


「ええ?!マジィ??どこどこ!?」


 彼女が少し身を乗り出したのがわかった。


 とても立派に見える背の高い壁は、高すぎて中が何も見えない。


「…走ろうか 」


「 え、」


 私は彼女の返事を待たずに走り始める。横風に煽られないよう、力を込めて走る。

 手はもちろん、走る形通りの動きをしている。

 

つまりは…


「ちょっと!急になり走り出してんの?

 あのさ!せめてもうちょいゆっくり走ろうよねぇ〜〜〜〜〜〜!!!」


「あっははは!」





 やっぱり、笑う回数が増えたのかもしれない。

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