第7話 魔法が使えるってスバラシイ
『じゃあとりあえず何から聞きたい?』
『高上位精霊?それとも、契約について?』
(じゃあ何でもいいから俺のことについて知っていることを全て教えてくれ。それが今、俺の知りたいことだ。)
『分かった。』
『では、家族構成を説明しよう。』
(ああ、頼む。)
『まず、お前の両親とそれぞれの祖父母は他界している。』
『主の兄妹についてだが、主には、双子の妹がいる。名前はアイラだ。』
(やっぱりいたんだな。ちなみに、今はどこにいるんだ?)
『さあ?よく分からない。俺らもさっきまで眠っていたみたいだから。なあ?フィラ』
『ああ、眠る前までは一緒に旅をしていたんだがな。』
フィラ達は今どこで何をしているのかと心配そうな様子だ。
(ちなみに姿を現すことは出来ないのか?)
『出来るぞ。』
『じゃあ実体化するとしようか。』
すると、目の前に炎を纏った人型の精霊と、精霊の体と不釣合いな大きさの時計を抱きかかえた人型の精霊が出てきた。
「君がイルドで君がフィラだね?」
『そうだ。』
『主よそのとおりだ。』
「じゃあ次は、魔法についての教えてくれ。」
『わかった。魔法は契約している精霊力を借りて精霊の属性の魔法が使うことが出来る。』
『さっき使った魔法はイルドの力を使ったのだ。』
「そうか、じゃあフィラの力はどんな魔法が使えるんだい?」
『私の力はむやみに使っていいものではない。本当に危ないときだけ使うようにしておいて欲しい。ちなみに、時間を止めたり、時間を早めたり出来る。』
「分かった、極力使うのは控えるようにする。」
とは言っても記憶が無いので使える呪文は無いのだが・・
『ちなみにその精霊の力でその属性のものを自由な形にすることが出来る。それを具現化と言う。』
『お前の妹のアイラは水の高上位精霊アクリスのと契約していて、その力を使って、水で出来た狼、水狼に乗ってよく移動に使っていた。』
「じゃあ俺もそれを出来るのか?」
『フィラの時間を具現化は出来ないが俺の炎でなら出来るぞ』
『それを出した者には、その属性の干渉を受けないのだ。それを出した者以外の者が触れると、その属性の干渉を受けてしまう。』
「例えば、俺がイルドの力で何かを具現化して、それを他の人が触ったら火傷するということか?」
『まあ、そういうことだ。』
『主よ、何か出したい物はあるか?』
「じゃあ、何か移動に使えるものを出したいな。近くの街まで行って助けを呼びたい。」
『分かった。では、炎で出来た鳥でも出すとするか。呪文を盗賊を追っ払った時みたいに伝えるので、唱えるように。』
すると、あのときみたいに呪文が伝わってきた。
【紅き明るき炎よ、今ここに姿成せ、“炎鷹”】
すると、いきなり手から炎が出て、それがゆっくりと、鷹の形になっていった。
『これが、具現化だ、他にも武器や防具に出来たりもする。』
『さあ主よ、“炎鷹”に乗ってさっさと飛んで街に行って助けを呼んで来よう。』
「ああ。」
鷹に恐る恐る乗って空高く舞い上がっていくのであった。
いやぁ、あと数話位でキドとアイラを会わせたいとは思っているのですがねぇ。
というか、最近気が付いたんですが、まだ、あんまりほのぼのとしていないような気がするのですがどうでしょうか?
これからは、もっと、ほのぼのとさせていこうと思っています。
キドとアイラが出会ったら、かなりほのぼのにしていくつもりです。