第10話 なんともいえない再会?(キド視点)
アエイスさんと、荷車を引きながら、森の街道を歩いて2時間くらい経つ。
「キドが言っていたその人が倒れている場所はまだなのか?もうかなり歩いている気がするんだが?」
「僕が移動したときは、鷹を使って飛んで来たので速かったんだと思います。
なので、実際に歩いたらかなりの距離があると思います」
「そうか、では、君が何か魔法でこの荷車を引っ張ってくれるようなものを出して、僕らは、それに乗るというのはどうだろう?そうすれば、すぐに着くだろうし、疲れもしないと思うのだが?」
「ちょっと、待ってください。僕は、そんなに万能ではないんですから」
すると横から
『そんなことはないぞ』
『あの魔法は想像力次第で色々なものを出すことが出来るので、何かを出すことも出来るぞ』
「おわっ!驚いたなぁ、いきなり出てこないでくれよ。びっくりするじゃないか」
『すまんすまん』
『以後気をつける』
「あ、アエイスさん紹介しておきますね。こっちが火を司る高上位精霊のイルドでこっちが時を司る高上位精霊のフィラです」
『イルドだ』
『フィラだ』
「へえ、君は高上位精霊を二体も従えているのかすごいなぁ」
「え?そんなにすごいことなんですか?」
『言い忘れていたが、高上位精霊はその名のとおりかなり力がなくては契約できないのだ』
『ましてや二体と契約するなんてやつは滅多にいない』
「おおぉ〜、俺ってすごかったんだな」
自分で感嘆の声を上げていると、
「ん?君が言っていた人はあの人じゃないかな?おや?他にも誰かいるみたいだけど」
「みたいですね?女の人みたいですから盗賊って訳じゃないでしょう」
『『あっ!!』』
精霊の二人がそろって声を上げた。
『あれはアイラだ』
俺はその言葉に、
「えっ!!前に言っていた俺の妹の?」
『そうだ、主よ』
「君は妹が居たのかい?へぇ〜そういわれてみればよく似ているなぁ」
あちらも、こちらに気がついたようだ。
一体全体何を話したら良いのか皆目検討も付かない。
(それに、あっちは俺が記憶があると思っているだろうしどうしたら良いんだよぉ)
頭の痛くなるキドであった。
ついにキドとアイラを再会させました。
さてこれからキドとアイラはどうするのでしょうか?
タイトルにあるとおりキド視点ですので次回はアイラ視点でお楽しみください。
少しずつ読んでくれている人が増えているようで嬉しいです。