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第三十四話 クライスとヴィルモント

 陽がすっかり落ち酒場も静かになり始めた頃、街を歩いていたヴィルモントと帰宅途中のクライスが噴水広場で出会した。


「クライスか。相変わらずあちこちで暴れているそうだが、土産の一つぐらい期待しても悪くなかろう」


 クライスの姿と連れている部下を軽く確認してから話しかけた内容は無難なように聞こえるかもしれないが、ヴィルモントの言いたい事は『あちこち殺しまくっているなら少しぐらい血を持って帰ってきても問題ないだろう』という催促であり挑発でもある。


「そうすると置いてきた部下やその家族の分まで用意しなければいけなくなるので断る。土産話なら大量に用意するが」


 それに対してのクライスの返事は軽く断っているように聞こえるが、実際は『部下がいるのに怪しい事が出来るわけないだろう。吸血鬼ハンター呼び寄せてやろうか』とヴィルモントを挑発し返している。


「私は話より食べ物派だ。まあ鮮度が大事だから難しい話か」


 この場合もヴィルモントの言いたい事は『いらん。無能め』と更に相手を挑発している。


 お互い言葉の裏を的確に読み取っての会話は何も知らない者からすれば普通の内容ではあるが、部下達は二人の間から流れる冷えた空気を恐れて一定の距離を取っている。


「食べ物以外にも興味を持てばいいだろう」

 

 クライスの『出来ないと分かっていて聞いてくるな、脳なしか』という裏の言葉にとうとうヴィルモントは言葉を返さずに笑みを浮かべた。


「ふふふふふ」

「ははははは」


 挑発されれば挑発し返し、煽れば煽い返す。

 その度に二人の間からは冷えた空気が流れ周りの温度は下がっていく。

 もはや部下は動く事も出来ず寒さと恐怖から震えているが、二人の仲は実はそれほど悪くない。

 なのでどれ程挑発され煽られようと喧嘩にはならない。


 クライスは魔法が使いたくても使えない、ヴィルモントは銃火器を扱いたくても火薬の匂いに弱く扱えない。

 お互いコンプレックスを刺激される上に性格などの相性が悪いだけであった。

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