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31日 7時30分

 

 夢から覚めた私は、懐かしいものを見たなと、ほっと息を吐く。

 結局数年後、私はここにきて、お札を言いに来た。

 一軒一軒聞いて回って、この家にたどり着いたのだ。


 封筒は受け取ったが、日記は受け取ってくれなかった。

 お金は使ってよかったのにと言われたけれど、そんなこと、私にできるわけがなかった。


 それだけでは納得ができないと、帰ろうと思えたのはあの、健太くんの母親のおかげだったのだから、何かできないことがないかと聞いたのだった。

 懐かしい話である。


「息子が帰ってこなくてね。ま、そんなことあんたに頼むのも変な話だけど」


 聞いたことのある名前だなと少しばかり考えて、同じ会社にいるある男性社員のことを思い浮かべる。

 そうして私は、彼に出会ったのである。


「沙織、起きてるか」


「うん。おはよう」


 扉越しに挨拶を交わして、鞄から出していた日記を手に取った。

 結局詳しくは読まないまま、ずっと持っていたが。

 やっぱりこれを私が持ち続けることには違和感があった。

 持ち主の場所に帰るべきである。


 お昼頃の電車には乗るつもりだ。

 健太くんの母は見送りに来てくれるというので、そのときに渡すとしよう。


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