表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/62

人魚姫23(最終話)

『タン!タンタンタン!』


静音の武器、アイスブリッドは水属性攻撃だ。

だが、現状では一番攻撃力の高い武器でもある。

多少ダメージが通りにくい感じはするが、それでも前回よりも圧倒的な火力になっているため武器をわざわざ変更かけなくても戦っていられた。

静音のレベルは47まで上がっていた。

ミノタウロスという格上のモンスター、しかもアーケード仕様の為経験値も三倍になっていた。戦っていた最初の頃の二倍以上のモンスターである。

2匹も倒せばレベルが1上がる。そんな状態だったのだ。

逃げ回りながら戦っていたため、そんなに倒せてはいないが・・・とにかく必死だったため、何体か倒してレベルアップのアナウンスも聞こえていた。

死亡して、経験値ペナルティーを受けても気にならない程度には強くなっていた。

DEXとAGI、それと最大SP値がかなり伸びたため息切れもせずに走り回りながら攻撃を仕掛け続けている。


「コンセントレーション」


静音は更にスキルを放って攻撃力と回避値を上昇させる。

これで大半の敵は2、3発で倒せる。

前回、真司と戦った時と比べて半分の攻撃で倒せている。

レベルさえ上がればこんなものなのだった。


「クロスファイヤ」


最大射程値も伸びたため、より多くの敵に攻撃が出来る。少し遮蔽物の多いこのMAPは敵が狙いにくく、戦いにくいが仕方ない。

今回の『人魚姫』の舞台は廃工場だった。

正確には廃工場とその周りの土地全体だったが、外で活動すれば公安の連中に見つかってしまう。

銃声が聞こえているはずだから、既に気づかれているだろうが構いやしない。

何度目かのマガジンの交換。

さすがに通常のMAPなのでレベルはすぐには上がらないようだった。

MAPに対してレベルが少し高いのも原因かもしれない。

ここは大体、レベル40前後のプレイヤーが楽しめるMAPだと真司から聞いていたからだ。


「見つけたよ」

「真司・・・」


 静音は銃を下すと、真司に向き合った。


「真司・・・手の震えが止まらないの・・・」

「そう、か。そうだよね」

「うん。銃を握れば平気かなって思ったんだけど。震える手でも引き金を引けば敵に当たるから倒せるけど・・・」

「怖いなら辞めればいいよ」


 静音の顔を見つめて、真司は呟いた。


「・・・オレは怖いよ。前回静音さんは死んじゃったし・・・多くの人が亡くなった」

「死・・・」


 その単語に静音は顔を引きつらせる。


「40秒。間に合ったから良かったけど。次は間に合わないかもしれない」


 その言葉に静音は自分の体を抱いた。


「やめよう?九十九さんにも言われたけど・・・オレ達は学生なんだからさ」

「でも・・・でも!それじゃあ!!」

「いいんだよ。普通の人は復讐なんて出来ないんだから、復讐なんて出来なくて当たり前なんだから。無理に怖い事をする必要なんてないんだ」


 真司の言葉に静音は声を詰まらせた。


「お願い、オレはゲームに詳しいから知識面での協力は続ける事になるだろうけど・・・もうお互いこのゲームに関わるのは止そう」

「・・・・・・・いいのかな?」

「いいよ。天下の警察官に任せよう」

「でも・・・」


 何かを言おうとする静音の手を、真司は握ってさえぎった。


「もう、怖いのはやめよう?オレはそれでいいと思うよ」


 静音は握られた手と、真司の顔を交互に見比べると顔を伏せた。


「・・・わかった」


 真司は空いてる手で静音の頭を優しく撫でた。


(もう、この子の近くで戦いは起こさない・・・全部オレが解決させてやればいい)


 真司は密かに決意を固め、静音は戦いの場から姿を消した。

 真司はこの後、警察と協力体制を強く持ち日本全国飛び回る事になる。

 ゲームの世界に生きていく事になる。



END

あとがきは、作品自体に需要があるようなら書くことにします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング ポチッとお願いします      アルファポリス にて投稿中 こちらも是非チェックして下さい!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ