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人魚姫15

「あのエンブレムは間違いない!」


ある程度距離を詰めてみると、静音は口元を歪めた。

あのエンブレムは、静音と両親に死をもたらしたものだ。

細い棒に丸く、くくりつけられた糸の束。

『アリアドネの糸』のモニュメント。

悲鳴と怒号、何かが壊れる爆音が聞こえてくる。


「ラビリントス」


真司と合流する前、WIKIのデータからようやく見つけたエンブレム。

今までの竹取物語や人魚姫とは違うカテゴリーに分けられていた為、最初は見つからなかった。

敵の姿かたちを覚えていたので、そこから参考に一人で探していた仇。

屋根と屋根の間、ビルの屋上などに足を付けては飛び上がり移動しながらもその移動時間すらもどかしい。

ようやく見つけた。

ようやく出てきた。

今までのクエストは全部前哨戦であり、ただの練習。

敵の弱点にもなる水属性の武器も既に手に入れている。レベルも上がった。

相手の方がレベルは高いが、そこはゲームとは違う。

自分にならやれる。

既に始まっているクエストMAPに入る時、妙な感覚を覚えたが気にしてはいられない。

携帯電話が浮かび上がり、静音の装備が光となって現れる。


「クイックドロー!!コンセントレーション!クロスファイヤ!!!」


スキルを放つ。強く言葉にすることにより自分自身を鼓舞する!

さっそく見つけた。

3メートル近い身長で、筋肉隆々。巨大な戦斧を持った牛面の化け物。

『ミノタウロス』である。


「連射!連射!連射!」


叫びながら両手に構えたアイスブリッドの引き金を同時に引く。


『ヴォオオオオオオオオオオオオ!!!』


ミノタウロスは、攻撃を受けながらも静音につっこんでくる!


「ちっ」


飛び上がって近くのビルの壁を蹴る。ミノタウロスの攻撃、余裕を持って回避。

そのミノタウロスの背後に着地して背中に二つの銃口を押し付けた。


「0距離射撃」


発砲。

その一撃で、ミノタウロスは絶命を果たす。


「今までとは格が違うわね」


1,2発で倒せない。

スキルを何発も叩き込んで、最も強く危険な攻撃をしてようやく倒せるレベルの相手だ。


『おめでとうございます。レベルが上がりました』


静音の口角が上に上がる。


「私も、以前とは違うわ!」


減ったSPを以前真司に貰ったポーションで回復させながら、通りに目を向ける。

悲鳴を上げながら逃げてくる人、人、人。

その後ろを数匹のミノタウロスが嬉々として襲いかかっているのが見える。


「クロスファイヤ!」


静音は再度スキルを発動させると、銃を構える。

そこかしこに、人の死骸。

気にしていられない。

静音は少しだけその死骸に目を向けるが、今なお逃げ惑う人たちを襲うミノタウロスの群れに向かって駆け込んでいった。

そして、いくつもの銃声が響き渡る。

あとがきは、作品自体に需要があるようなら書くことにします。

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