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人魚姫7

「ってわけでさ、結局どこにあのエンブレムが消えていくのかわからなかったんだよね」


昼食の時間に昼食を食べるためだけの登校してきた賢が、真司と花穂に昨晩の報告を学校の中庭で始める。


「今回は呪符でエンブレムの周りの結界を中和したからしっかり観測できると思ったんだけど、やっぱり途中で見失っちゃった。魔力なんかも知覚できる特殊な望遠鏡まで引っ張りだしてきたのにだよ?」


お弁当をつつきながら愚痴とおかずをこぼす賢。花穂にたまに頭を殴られている。


「やっぱあれ宇宙とかから落ちてきてるんじゃないかって。思わずそう思っちゃうわけなんですよこっちとしては」

「宇宙から、ねえ。じゃあ敵は宇宙人?」

「なんで宇宙人が携帯アプリなんか作るんさ」


真司は心底嘘くさい物言いを、やはり胡散臭そうに返す。


「そうだよなあ」

「何の意味があるのでしょうか」


花穂も首を傾げる。


「てかさ、賢者の石って何?錬金術的なあれ?」

「ああ、真司は知らないもんね。賢者の石っていうのは、単純に魔力を蓄えられる石だよ」

「また魔導師様とか魔術師様とかのお話デスカ」


真司的には興味はある、花穂の方を見る。

「魔力を蓄えておいて、魔法陣などと連動させることによって封印されている力を放出させることのできる特殊な石です」

(そもそも魔法陣とかも良くわかってないんですけど)


思ったことを口にも出せず、静聴する真司。


「先日課長の持っていた刀も柄の部分に賢者の石が使われています。課長の術式は単純に刀の切れ味強化と刃こぼれの軽減ですけれど、例えば炎などの術式を組み込めば炎の刀になったり、雷の術式を組み込めば雷の刀が出来たりと武器として使うのならば用途はさまざまです」

「武器に属性を付与出来るんだ」

「まあ、今回の事件みたいに敵の弱点がはっきりわかってて・・・なんて稀なケースだから汎用性の高いものにしておかないといけないけどね。エンブレムの場合は『白と黒』のゲーム世界の生成と、多分エンブレム自体を保護する役割とエンブレムが人目に触れないようにする術式がかけられているんだと思う」

「そんなことが出来るのか」

「普通は出来ないけどね、通常の賢者の石は大きくても拳大だし。でもあのサイズの賢者の石なんて非常識極まりない上に、使い方としてもったいないよね」


観測結果から賢者の石はだいたい150センチ四方くらいのサイズだ。


「もったいないのか」

「もったいないね。あのサイズなら世界中の国が言い値で買いたがると思うよ」

「現在賢者の石は産出国である英国が、流通をコントロールしていますから。それ以外の流通ルートを各国血眼になって探しているところです。犠牲も多いですけど」

「イギリスで採れるんだ」

「んー・・・まあ正確には違うけどそんなとこ」


歯切れの悪い返事に、真司は眉をひそめる。


「ちょっと取れる場所の説明が難しいものですから。とある場所から英国が買い付けてきて、それを世界のバランスが崩れない程度に売りに出していると言ったところです。日本でも少ない量ならば入手出来ますけれども、安定性に欠けるのでそこはなんとも言えませんが」

「まあ、よくわかんないけど。とりあえずエンブレムが賢者の石で出来てるのはなんとなくわかった」

「で、その非常識なサイズの賢者の石は通常なら個人の手に(収まるものではないし or 余るものだし)。たかだかゲームを作っているような会社でも無理。国にもよるだろうけど普通は国家防衛等の軍事利用を目的として活用するだろうけど・・・・・独裁者の手にでも渡れば近隣諸国を平気で脅し取れるぐらいの破壊力は生み出せるし」


うーん、と腕を組んでまた賢は考えだす。


「オレ達で考えても結論が出なそうな話題だなあ」

「それはそうだけど、なんかねえ」

「気になるんだ?」

「そういうこと。人間の作った物語をなぞっている以上、あのエンブレムを動かしているのは人間・・・っていう方が宇宙人なんかよりよっぽど現実的だからね」

「まあ普通に考えればそうだよな」

「堂々巡りになりますね」


そろそろ授業の時間だ、2人はお弁当を片付けて教室に戻ることにする。

賢はというと、まだやることがあるからと言ってさっくりと学校から抜け出していった。

本当にお弁当を食べに来ただけのようだ。

あとがきは、作品自体に需要があるようなら書くことにします。

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